WEB銭の読書やグラベルロードのメモなど

マンガ「グラゼニ」が大好きな、ウェブ系の何でも屋さんが綴る、仕事とか、読んだ本のこととか、日常とか、世の中に関する忘備録。

負けに不思議の負けなし

著者:野村克也
発行元:朝日新聞社


目次


「負け」を「負け」にとどめてはいけない
一流になるために破らなければならない壁
わざと打たれる理由
新人教育のノウハウ
さりげないひとことが効く
定石と奇襲の差
自信と不安は背中合わせだ
マーケティングを怠る球団の末路
スパイ野球を持ち込んだ知将
行き長く一流でいるコツ
「ナンバー2」という生き方
「捕手」ではなく、足りないところを補う「捕手」へ
冒険球と安全球
本物を見分けるには三年かかる
ニコポンコーチにみる中間管理職の被愛
「練習をしないと怖い」
力の衰えた分だけ賢くなれ
牽引車のいない組織は逆境にもろい
ケガという名のチョンボ
「私は彼のほうがいいと思うが、決めるのはボス、あなただ」
専門職が求められている
「ガイジン・ストライク」
「大投手」になるか、「中投手」になるか
カーブが甲子園を制す
うまれながらのショーマン
個人企業主の徹底した生き方
選手は3年、監督は五年我慢しろ
阪神タイガースの構造適欠陥
名参謀たちの熾烈な情報収集合戦
瀬古選手を育てた満点の管理職の指導法(対談・中村清)
仕事どころを心得ている人間
ワンアウトを取る手段をいくつもってるか
できる男は段取り力がある
「この一球」ノ
リーダーになれる人間、なれない人間
成功体験に潜む落とし穴
熟年開花型人間の使い方
頼りになる部下はこうして見抜け
部下から見透かされるとき
プライドが高きゆえに尊からず
脇役の凋落はこうして始まる
負けに不思議の負けなし
かけひきにはコツがある
「見つける」「生かす」「育てる」
ライバルにさをつけるということ
「愚直」と「真実」の管理術
飛車や角を使いきれない
頭の柔らかさを見抜け
人間の引き時
出き過ぎる男の出処進退
「情」のリーダー、「知」のリーダー
新戦力開発の影に名伯楽
高校野球に見る人材育成システム
ヒット商品を連発するには
不器用な選手の育て方
純粋培養監督の弱さ
上司のアドバイスの聞き方
人事刷新のタイミング
裏方が支える情報戦の肝
希望的観測は同時に二つのものを失う
勝つための論理が必要だ
捕手談議・大学出に名捕手はいない(対談・森昌彦
十二球団監督/人事管理術の巧拙(対談・西本幸雄
狂騒応援から名選手は育たない(対談・下田武三

 

感想

ノムさんのエッセイ集ではなく、プロ野球の見方・楽しみ方を教えてくれる本。

 

元々は1980年代初頭、ノムさんが現役を引退し、評論家時代に書き溜めた原稿。これを再編集したもの。

 

なので、出てくる選手がその時代の選手ばかり。でもね、書かれている内容は21世紀の今でも通じるものばかり。40年の時を経て使えるものばかりなのだから、おどろく。

 

てか、ノムさんの現役時代、それも南海時代の話も出てきているわけで、それがふつーに使えてしまうのだから、驚きだね。

 

で、この本の内容は高校野球の監督や、プロ野球の二軍の指導者以外にも使えることばかりなのですよ。

まさに組織論と管理論。エースや四番の重要性も説くけれど、脇を固める人間も重要。それぞれの専門家がきっちり仕事をしないから、負けるんだよな。

 

そう。

 

勝つときは勢いや、運があるだけで勝ってしまうのだけれども、負けるときは、そうではない。

 

負けるときの要因の探り方が、このほんにはしっかりと書かれている。もう、「失敗の本質」と並び、サラリーマンの必読書だな。

 

 

負けに不思議の負けなし〈完全版〉 上 (朝日文庫)

負けに不思議の負けなし〈完全版〉 上 (朝日文庫)

 

 

 

負けに不思議の負けなし〈完全版〉 下 (朝日文庫)

負けに不思議の負けなし〈完全版〉 下 (朝日文庫)