WEB銭の読書やグラベルロードのメモなど

マンガ「グラゼニ」が大好きな、ウェブ系の何でも屋さんが綴る、仕事とか、読んだ本のこととか、日常とか、世の中に関する忘備録。

ザ・ベストテン

著者:山田修爾
発売元:ソニー・マガジンズ

 

目次

第1章 番組企画
第2章 番組司会
第3章 番組中継
第4章 番組交遊
第5章 番組進行
第6章 番組社員
第7章 番組終焉
第8章 番組回顧(あとがきにかえて)
スペシャル対談 黒柳徹子×山田修爾―国民的番組の「表」と「裏」の放映30周年記念対談
巻末付録 『ザ・ベストテン』全603回ベストテンランキング一覧

 

感想

 

著者は「ザ・ベストテン」の元ディレクターであり、プロデューサー。
ザ・ベストテン」って、テレビ番組では初めてのランキング形式の歌番組だったのね。それまではキャスティング中心の歌番組しかなかった、と。

 

ランキング形式の歌番組だと、みんなからの人気が唯一にして無二の正義になるため、プロディーサーや、レコード会社の政治力が働くことはなかった、と。

 

今のレコード大賞を見ていると「ほんまかいな???」と思ってしまうのですが、「ザ・ベストテン」ができた当初はそんなことなかった、と。だって、当時の人気歌手であったニューミュージックの歌手が出ないというリスクがあったわけなんだからね。

 

で、この本を読んでいますと、70年代80年代の芸能界がどんなものだったのか?テレビ業界がどんなものだったのか?というのがよく分かるのですけれどね。まぁ、それ以上に小柳徹子と久米宏がどんな人だったのかもよく分かるのですけれどね。やっぱさぁ、「ザ・ベストテン」は小柳徹子と久米宏以外、考えられないと思うのよね。

 

でも、本書を読んで何が一番驚いたというか、感動したかというと、著者が「ザ・ベストテン」を立ち上げたとき、著者の年齢は三十代前半だったということですわ。今のテレビ局では考えにくい話ですが、当時は若手と呼ばれる人間が人気番組を生み出していたんだね。

 

それくらい勢いとアバンギャルドさがあったってことだ。

それがわかったのが一番の収穫だね。

 

 

ザ・ベストテン (新潮文庫)

ザ・ベストテン (新潮文庫)