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プロダクトマネージャーの教科書

著者:Linda Gorchels
訳者:新井宏征
発行元:翔泳社

 

 

プロダクトマネージャーの教科書のまとめ

プロダクトマネージャー。日本語に訳すと「製品部長」。とはいえ、それは製品開発にだけ関わる部長さんではない。製品の企画から開発製造はもちろん、マーケティングや営業、サポートにまで気を配る責任者なのだ。自動車メーカーでは一般的に存在するプロダクトマネージャーですが、これからは日本においても様々な企業で、同様の職種が増えていくことでしょう。そんな未来に備えて読むべき1冊。「いやいや、私、部長じゃないし。普通の営業だし」なんて思っていても、読むべき本ですよ。なぜ、その製品を売るのか?どうやって売るのか?誰に売るのか?教えてもらわなくても、自分で考えることができるようになります。もちろん、これから製品や、サービスを企画するヒトは是非とも読むべき本ですよ。

 

プロダクトマネージャーの教科書を読んだ理由

マーケティング&営業の新しい組織論であるPODと、プロダクトマネージャーの差が知りたかったので。PODは組織・体制の話で、プロダクトマネージャーは人の話でしたね。

 

プロダクトマネージャーの教科書で仕事にいかせるポイント

この本に書かれていることすべてですね

 

プロダクトマネージャーの教科書の目次


Part1 戦略的な基礎を築く
第1章 プロダクトマネージャーのための戦略的計画立案フレームワーク
第2章 トレンド観測、調査、顧客セグメンテーション
第3章 競争戦略のための競合分析
第4章 ブランド戦略
第5章 財務と価格のパフォーマンス
Part2 製品計画と実行
第6章 新製品を利用した戦略的成長
第7章 新製品プロジェクト
第8章 市場投入戦略の策定
第9章 既存製品の管理
第10章 マーケティング計画を利用した顧客需要の創造と管理
Part3 これからのリーダーシップの課題
第11章 機能別リーダーとしての地位を得る
第12章 グローバリゼーションに備える
第13章 プロダクトマネジメントの実情
第14章 プロダクトマネジメントの導入とプロダクトマネージャーの管理
付録A 3MのScotchChart IIカートリッジ
付録B 職務内容説明書のサンプル

 

プロダクトマネージャーの教科書の感想

プロダクトマネジメントや、プロダクトマネージャーについて知りたくなってこの本を手に取りました。よにいうPOD型組織と何が違うのだ?と言うことを知りたくて。てか、よく考えれば、全く違うことはわかりましたよね。この本を読む前にも。だってPODは組織の話だし、プロダクトマネジメントはマネジメントの話だし、プロダクトマネージャーは人の話だしね。あぁ。早とちりした。でもね、この鴻海異本でしたよ。私の頭の中にあった勘違いをただしてくれたからね。

 

プロダクトマネジメントとは、計画、予測、マーケティングなどを含む製品に関する包括的な業務を意味します。製品開発は、新製品を企画し、商品化するというプロセスです。なので、全く違う業務なのです。

 

プロダクトマネージャーは1980年代、自動車メーカーから生まれてきたという。機能だけ優れていてもクルマの差別化ができなくなってきたために、将来の顧客の要求に合わせて自動車を開発する必要が出てきた、その陣頭指揮をするために誕生したのが「プロダクトマネージャー」という。ターゲット顧客にあわせての製品開発から、マーケティング、営業、そしてカスタマーサポートをするために誕生したと言うことなのだ。製造業の王様である自動車業界が、顧客起点での商品開発をするために生まれた職種なのですね。だから、プロダクトマネージャーという業務もヒトもよく知らなかったけれど、自動車好きだからなんとなく理解していたというか、知っていたのね。

 

プロダクトマネージャーは、自らの責任範囲において、企業のビジョンと結びついたビジョンや目標を持つべきだという。担当している製品が、3年後、5年後、どうなっているのか?それを考えるためには企業のビジョンと結びついた目標を自分で考えるべきという話ですね。そして、そのように未来志向で物事を考えるためには、トレンドを追いかけ続けることが重要になってくるのだと。変わり続ける世の中にあわせて、進化し続けないといけないってことだな。

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市場分析・顧客分析をする際には、下記の視点を持つといいという。

 

  • 各セグメントにおいて、どれくらいの製品需要があるか
  • 製品の市場浸透率はどのくらいか
  • 各セグメントで競合他社の製品しか購入しない顧客はどの程度いると考えられるか。また、なぜ、彼らはその製品しか購入しないのか。
  • 現在シェアは伸びているのか。あるいは落ちているか。
  • 業界で最も収益の高いセグメントに参入しているか。

 

こうやってセグメントを切って細かく分析していくと、どこの会社(サービス)が本当の競合になるのか?が見えてくる。全部のサービスや会社をベンチマークすることはできないので、しっかりと本当の競合を見極めることが重要なのだ。同じカテゴリー内や、業界で、本当の競合となる企業を絞り込むのが重要なのだ。では、曽於ライバルとどのような軸で競争しているのか?競合となっている軸はどんなモノなのか?と言うのもしっかり定義されている。

 

直接競合する製品
カテゴリー
代替競争
予算
組織

 

いろんな分析を行って企画を作り上げ、詰めていくのです。で、新企画を提案できるかどうかを考えるのです。で、平均回収率、回収期間、現在価値、内部利益を用いて提案できる企画かどうかを評価するのですってな。平均回収率はプロジェクトへの投資に対する年間利益の平均。回収期間は、初期投資額を回収するためにかかる期間を割って算出する。現在価値は、将来の現金流入額の現在価値から、初期投資の現金流出額を差し引いた金額。内部利益率は、現金流入金額の現在価値と、現在の投資の現金流出額を等しくする利子率のこと。

 

そうやって「いけるね!」となったら、価格を決める。価格決定のプロセスは次の7つになる。

 

1.ビジネス上の目的と価格管理の仕組みを定義する
2.顧客セグメントのプロフィールと園か価値を見極める
3.競合他社の価格ポジションを見極める
4.適切なコストを見積もる
5.法的なガイドラインに従う
6.価格を決定する
7.マーケティングや販促活動によって価値を伝える

 

 

そして、この辺の話をまとめてビジネスケースを作成する。ビジネスケースとは、財務面、競合との関係、マーケティング面などからプロジェクトの正当性を示すための概略案である。基本的には投資に対する合理性を示す提案である。次の10項目から成り立っている。①エグゼクティブサマリー②現在の状況③製品説明④市場分析⑤仮説と不確実性⑥製品開発計画⑦マーケティング計画⑧財務分析⑨補足資料⑩実行計画。

 

マーケティング計画では、通常、次の5つの基本的な問いに取り組む。

 

1.今どこにいるのか
2.長期的にはどこを目指すのか(戦略的な製品ビジョンや戦略は何か)
3.長期的なビジョン(目的)に近づくために今年は何をするのか
4.目的を達成するための助けとなるアクションは何か(戦術やアクションプラン)
5.結果をどのように追跡し、評価するのか(指標評価や測定結果)

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マーケティング計画を立てるときには、併せてポジショニングステートメントを作っておくと良いとな。ポジショニングステートメントとは、関連する市場セグメントや、該当するセグメントでの顧客の視点、製品の差別化ポイント、その差別化を製品が提供できる理由などを明確にしたモノですとな。

 

プロダクトマネジメントを導入する際には4つのステップが必要になるという。①プロダクトマネジメントが自社にとって適切な組織形態かどうか見極め、適切だと判断したら、どのような報告構造(階層)にするかを決定する。②企業がプロダクトマネージャーの責任を明確に定義し、同時に関連メンバーの責任についても明確にする。③成功するプロダクトマネージャーの特性を見極め、適切な人材を雇う。④プロダクトマネージャーを教育し、評価するための仕組みを作る。

 

そんな本書を読んでいたら読みたくなった本はこれ。

 

 

 

プロダクトマネージャーや、プロダクトマネジメントについて調べるつもりが、いつの間にか事業計画を立てるためにはどうすればいいのか?と言うことが身についたって感じですね。

 

 

 

タイトル:プロダクトマネージャーの教科書
著者:Linda Gorchels
訳者:新井宏征
発行元:翔泳社