著者:フィリップコトラー/ヴァルデマール・ファルチ
監修:杉三一成
監訳:川上智子
- コトラーのB2Bブランドマネジメントのまとめ
- コトラーのB2Bブランドマネジメントを読んだ理由
- コトラーのB2Bブランドマネジメントで仕事にいかせるポイント
- コトラーのB2Bブランドマネジメントの目次
- コトラーのB2Bブランドマネジメントの感想
コトラーのB2Bブランドマネジメントのまとめ
マーケティングと同じでブランドも、突き詰めて考えるとB2Bも、B2Cも差はないのだな、と。そして、これもマーケティングとおなじでしっかりと教科書的な内容を学ばないといけないですね。基本に忠実、これが何よりも重要。そして、アメリカだけでなく、世界各国の成功事例を知り、教科書の内容に当てはめて考えることが重要なんだな。そんな教科書として使えるのが本書です。
コトラーのB2Bブランドマネジメントを読んだ理由
コトラーのB2Bブランドマネジメントで仕事にいかせるポイント
ブランド戦略立案のための問いですね。①自社は何者か?②自社にとって重要なことは何か?③自社は何のためにあるのか?④顧客にとって重要なことは何か?⑤競合とは何が違うのか?⑥5年後にどの位置で、どうありたいか?
コトラーのB2Bブランドマネジメントの目次
第1章 有名になるか、無名で埋もれるか
第2章 ブランド化するか、しないか
第4章 ブランディングによる加速化
愛6章 ブランディングの落とし穴への注意
第7章 将来の展望
コトラーのB2Bブランドマネジメントの感想
B2Bの世界においてブランディングや、ブランドが注目を集めています。「そんなB2Bでしょ?コンシューマー向けじゃないのだから」という話もありますが、実際には多くのB2B企業が自社のブランドを確立するために、様々な施策を行っています。なぜ、そのようなことを行っているのでしょうか?それは、世界経済が停滞し、代替可能な商品が数多く登場し、かつ利用される商品が複雑で安価になっている常用があります。いままで通りの商いをしていたら、その他大勢に沈んでしまうという現実が、世界中のB2B企業のお尻に火をつけたのです。
産業用の製品とブランド・マネジメントは、持続的競争優位を確立するための唯一かつ有効な機会である。
で、B2Bのブランドとは
製品やサービスや事業の定義を促し、競合との差別化を助ける。製品やサービスが提供する便益や価値を伝達する効果的で有力な手段でもある。ブランドはまた、品質や由来、性能を保証し、それによって顧客の知覚価値を増大させ、購買意思決定におけるリスクや複雑さを軽減する
と定義しています。
情報効率の向上リスク低減付加価値およびイメージの改善
ん?ここまで抽象化されてしまうと、逆にブランドについて、よくわからなくなってきたぞw
ブランディングというと、多くの人は格好いい名前や、ロゴ、パッケージのことを思い浮かべてしまいます。ブランディング、大きな間違いですね。B2Bであろうと、B2Cであろうと、ブランディングに重要なのは方向付けです。その製品を選ぶという理由付けと、価値を提供してくれるのがブランディングなのです。ほんと、私もそうですが、ブランドや、ブランディングに関する大きな勘違いをしてる人が多いのですよね。
ブランドが無形の概念であり、顧客との約束でもあるのです。この約束をしっかりと届ける、アピールすることが重要になるのです。で、このアピールの部分にばかり目が行ってしまうから、やれロゴだ、名前だとなってしまうのでしょうね。
そしてブランドを確立していくためには、ブランドとブランド・エクイティが、現実に沿った戦略的資産、競争優位と長期利益の基盤として認識されることが重要になってきます。
そして、産業材においては「国内市場だけにとどまっている」企業は少なく、海外を見据えてビジネスを行っている企業が多いと言う現実があります。そのような現実を踏まえると、B2B企業においてはグローバルに展開したときにお問題がないようなブランディングを行う必要があるといいます。
なんで、世界中で展開できるのか?それは中に組み込まれるパーツや、素材、機能は、アメリカであっても、日本であっても、中国であっても、大差がないからです。見た目や、使い勝手関しては、それぞれの国や地域で最適なものになるようになっていますが、中身は違います。構成要素は同じになることが多いです。このように商品を校正する素材の中で行うブランディングをインブランディングと言います。このインブランディングの状態を本書では次のように説明してくれます。
メーカーは製品の認知度や好感度を高めるインブランドの確立を試みる
インテルや、シマノ、ゴアテックス、ヒートテックのように成功しているB2Bブランドや、インブランディングは数多くあります。が、その成功の陰で失敗しているブランドも数多くあります。なんで、失敗してしまうのか?ブランディングの落とし穴への注意も、本書は教えてくれます。
落とし穴1:ブランドは自分(企業)のものではない落とし穴2:ブランドは自然と育つものではない(積極的なブランド・マネジメントが成功の鍵)落とし穴3:ブランド認知 VS. ブランド・レレバンス落とし穴4:目隠しをしない(ブランドの社内イメージだけに依存して間違えている企業が多い)落とし穴5:自分の仕事を外部に任せない
そして、そこをしっかり考えているのが中国企業なんだな、と言うこともわかってきます。
気がついていたら世界的企業が生まれていた日本企業でも、サムスン・ヒュンデに続く企業が出てこない韓国とも違うのですよね。マーケティングとブランディングの両輪をしっかり動かし、戦略的に考えている中国企業は強い。それはファーフェイや、レノボ、バイドゥや、アリババのようなIT系企業だけじゃないのです。商用トラックの開放(Jiefang)、プラスチック管メーカーの広東グッディ・プラスチック・ストック、そして造船の中国船舶工業集団(CSSC)と、たくさんあるのです。
いやはや、しっかりと私も学ばなければと思う今日この頃。
著者:フィリップコトラー/ヴァルデマール・ファルチ
監修:杉三一成
監訳:川上智子