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新訳ハイパワー・マーケティング あなたのビジネスを加速させる「力」の見つけ方


著者:ジェイ・エイブラハム
監修:小山竜央
監訳:島藤真澄
発行元:KADOKAWA

 

新訳ハイパワー・マーケティングのまとめ

この本はすごい。何がすごいって、マーケティング施策を実行して、売上を上げる方法、もしくは売上につながるKPIを上げる方法が、しっかり書かれている。ただ、問題なのは、しっかり書かれているからと言って、それがしっかりと実行できるかどうかは、別問題ということだ。ものすごくベーシックなことも書かれているし、ものすごく高度なことも書かれている。たぶん、この本に書かれている施策を全部実行する必要は無いのだと思うけれど、なるべく多くの施策を実行した方がいいことは間違いない。数字に追われているマーケッターは必読の本ですね。ただ、この新訳版自体の発行は新しいけれど、ジェイ・エイブラハムが書いた「Getting everything you can out of all you've got」は2001年に出たので、ところどころ「おい」って突っ込まみたくなる箇所もあるけれど、それはご愛嬌ですな。

 

新訳ハイパワー・マーケティングを読んだ理由

そりゃあ、私はマーケティングの世界に生きる人だからね。どうやら、マーケティングの世界に戻ることができそうだ。

 

新訳ハイパワー・マーケティングで仕事に活かせるポイント

現状を確認するための50の質問ですね。この質問、全部が当てはまる会社もないだろうけれど、これを知っておくことが必要。50個ある質問の中で、特に重要だと思ったのが、この6つ(いや、全部重要なんだけれどさw)

 

3 最初、クライアントはなぜあなたから買ったのでしょうか?
4 現在、クライアントはなぜあなたから買っているのでしょうか?
10 クライアントは、具体的にどこから来ているのでしょうか? (年齢や収入のほか、人口統計データに関わる要素について)
11 新しいクライアントをもっと増やしたいですか? それとも、既存のクライアントからもっと利益を得るほうが良いですか? その理由も述べてください。
21 あなたのUPS(ユニーク・セールス・プロポジション=ほかより優れた特徴)は何ですか?
45 クライアントの減少率はどれくらいですか?

 

新訳ハイパワー・マーケティングの目次

第1章 あなたの飛行計画 どこに向かうか、全体像を理解する
第2章 現状を把握する 現在の強みよ弱みを知る
第3章 関係性に投資しよう クライアントの顧客生涯価値を計算する
第4章 人と違う強みを探す USPを構築する
第5章 断ることができないオファー 購入を妨げる最大の障害を取り除くリスクリバーサル
第6章 魚のいるところで釣りをせよ 質の高い見込み客にターゲットを絞る
第7章 気前のよいクライアント 過去のクライアントとの関係性を再活性化する
第8章 アドオンのチャンス クライアントの満足度と取引額を増加させる
第9章 ダイレクトメールは1万人の営業部隊 セールスレターと活字でクライアントを獲得しよう
第10章 テレマーケティングのちから 電話を活用してクライアントを獲得する
第11章 ビッグ・プロフィット・ドットコム インターネットを活用して販売する
第12章 私の商品をあなたの商品と交換しませんか 商品やサービスをお金として活用するバーター
第13章 足を踏み外さないために 最小のリスクで最大の結果を得るためにテストをする
第14章 事後コミュニケーション あなたの富を築く人々と連絡を取ろう
第15章 ビジネスの極意、卓越論 クライアントとチームの人生を高め、信頼関係を築く方法
第16章 マインドセット 無敵になるために
第17章 考える以上にあなたは多くを持っている あなたの成功を定義しよう

 

新訳ハイパワー・マーケティングの感想

この本の著者は、ジェイ・エイブラハムと呼ばれるマーケティングコンサルタント。彼はフォーブス誌が選ぶ全米トップ5のコンサルタントだという。そして、メンターとしても有名なのだと。そんなジェイ・エイブラハムが2001年に書いた本がある。「Getting everything you can out of all you've got」という本。以前、この本は『お金をかけずにお金を稼ぐ方法』というタイトルで日本語に訳され、出版されていたのだと。が、その後に絶版になったけれど、新訳版として本書が誕生したのだという。

すごいな。

『お金をかけずにお金を稼ぐ方法』という本を読んだことはないけれど、この本を読んでおけば問題ないのかな、と。

マーケティング関連の本というと、抽象論で終わってしまうことが多いのですが、本書は具体的な施策にまで話が落ち込んでいるのです。簡単だけれど、実行するのには難しい施策がぎっしり書かれております。

孫子の兵法じゃないですが「お客様のことをどれだけ詳しく知っていますか? そして、自社(自分)のことをどれだけ詳しく知っていますか?」というような内容から、話が始まります。話が始まるどころか、全てはここにつきます。

お客様が成功するためにはどのような協力をしてあげることができるのか? そのために自社(自分)は何を提供することができるのか?

B2Cであれ、B2Bであれ、話は一緒ですね。主語を「お客様」にして語る。自社(自分)じゃないところがポイントですね。そのためには徹底的に調べる。調べるだけでなく、計測する。施策を考えるには、根拠が必要なので、その根拠がわかるように記録を残しておく。施策の結果もしっかり記録する。

ね、簡単でしょ。

簡単じゃないw 簡単じゃないから、みんなやってない。みんなやっていないので、しっかりやれば、一歩でも二歩でも先に進むことができる。その方法をしっかり教えてくれるのが本書。

そりゃ、絶版になれば、プレミアが付く内容ですな。

 

 

タイトル:新訳ハイパワー・マーケティング あなたのビジネスを加速させる「力」の見つけ方
著者:ジェイ・エイブラハム
監修:小山竜央
監訳:島藤真澄
発行元:KADOKAWA