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企業戦略論【上】基本編

著者:ジェイ・R・バーニー
訳者:岡田正大
発行元:ダイヤモンド社

 

まとめ

教科書だ。完全に教科書。やばい。基本編でこんなに難しいとはw ちなみに、この内容でも「わかりやすい本」として有名なんだとな。確かに、登場する事例はわかりやすかった。けど・・・

この本を読んだ理由

企業戦略について学びたかったから

仕事に活かせるポイント

戦略という概念についてですね。本書にも出てきますが、ビジネス論を語る際に使われる戦略という言葉。だけれど、ちゃんとした定義はない。本書ではそんな戦略(strategy)を「いかに競争に成功するか、ということに関して一企業が持つ理論」つまり競争に成功するためのセオリー(因果関係を示す命題)と定義しているのです。これ、わかりやすいですよね。なんだかんだ言われていますが、企業は市場で行われている競争に勝ち残って、成長する、もしくは生き残る必要があるのです。そのためのよりどころが戦略なのですね。当然ですが、本書ではこの考え方にもとづいて話が展開していきます。

目次

第1章 戦略とは何か
第2章 パフォーマンスとは何か
第3章 脅威の分析
第4章 機会の分析
第5章 企業の強みと弱み

感想

欧米のMBAで人気のテキストの日本語訳ですね。

本書は1990年代後半以降、アメリカの経営学会の戦略分野で主流となったRBVに基づくフレームワークを教えてくれる本なのですね。でもね、基本編だから、そのフレームワークに関するお話はほとんど出てこないのですね。もう、マーケティングというか、企業戦略を考える際に必要となる、ベースの話が「これでもか!」というくらいに出てきます。

いやはや大変です。

ちなみにRBVとはホンダのSUVでもなければ、MITSUBISHISUVデモありません。Resource Best Viewの略。経営資源に基づく企業観ということなのですね。

もうね、脳みそが沸騰します。

経営資源に基づく企業観ってことなので、経営資源ってなんじゃラホイという話も出てくるのですが、何を持って経営資源が上がったのか、下がったのかという話も出てきますし、その経営資源の測り方、つまりパフォーマンスの測り方についても、しっかりと数式をつかって教えてくれます。

げげげ。

でもさ、ここまでしっかり定量的に計測しないと、良いの・悪いのって言えないからね。

さらにすごいのが「何を持って経営資源が~」の「なに」をしっかり定義していることだ。

それは何かと言われれば、それは戦略ですって、答えるのですよ。

戦略と言ったって、戦術と戦略の違いとか、戦略と目的とゴールの関係性とかじゃないんだよ。

そもそも戦略ってなんですかね?って、企業論や、マーケティングで語られる戦略って、意味がバラバラじゃないですか?って切り込む。

そして本書では戦略(strategy)を「いかに競争に成功するか、ということに関して一企業が持つ理論」つまり競争に成功するためのセオリー(因果関係を示す命題)と定義しているのです。

これ、わかりやすい。

この戦略を定めることで、企業価値が上がったのか?下がったのか?と深掘りしていく。

でもね、戦略には種類があるんだって。

私知らなかった。

戦略には「創発戦略(emergent strategies)と、意図的戦略( intended strategies )があるんですとな。意図的戦略とは当初実行しようと戦略であり、創発戦略とは意図的戦略を実行に移すことによって発生する時間の経過と共に出現する戦略。あるいは、実行に移されたときから大きく変容した戦略なのですとな。創業時のビジネスモデルと今のビジネスモデルが大きく違うよっていう、あれですね。ジョンソンアンドジョンソンとか、富士フィルムが良く例に出てくるはなしですね。

いやはや、マジで教科書だ。

引き続き中巻・企業戦略編も読もう。

 

 

タイトル:企業戦略論【上】基本編
著者:ジェイ・R・バーニー
訳者:岡田正大
発行元:ダイヤモンド社