WEB銭の読書やグラベルロードのメモなど

マンガ「グラゼニ」が大好きな、ウェブ系の何でも屋さんが綴る、仕事とか、読んだ本のこととか、日常とか、世の中に関する忘備録。

事例で学ぶBtoBマーケティングの戦略と実践

著者:栗原康太
発行元:株式会社すばる舎

 

まとめ

BtoBマーケティングっていうのは、「どうやって営業に商談しやすい見込み顧客を渡すのか」ってことなんだよね。すべての施策は、そこに向かって動かなきゃならないのだよね。そして、商材によって検討期間に年単位の時間を有するんだよね。そのへんを考慮して、戦略を設計しないとだめなんだよな。そんな重要なことを教えてくれる1冊です。

この本を読んだ理由

そりゃ、BtoBマーケティングについて書かれている本であれば、何度でも、何回でも読みますよ。

仕事に生かせるポイント

すべてw 事例はもちろんためになったけれど、それよりも事例紹介の前に登場する概念のほうがよかったですね。抽象的な話は応用が利くからな。理解するのは大変だけれど。

目次

第1章 なぜ、BtoBマーケティングが重要になっているのか
第2章 BtoBマーケティングの特徴
第3章 マーケティング投資の前にLTVを強化する
第4章 よい商談を生むためによい階段を設計する
第5章 BtoBマーケティングプロジェクトの進め方
第6章 ケーススタディ1 リード数が足りない 某スタートアップ企業A社からの相談
第7章 ケーススタディ2 リード数が200件で頭打ちに 某IT企業B社からの相談
第8章 ケーススタディ3 MAツールを導入したが、活用できていない 某老舗企業C社からの相談
第9章 ケーススタディ4 リード数や商談数は増えているが、受注につながらない 某マザーズ上場企業D社からの相談
第10章 ケーススタディ5 新しいサービスなので積極的に探している人がいない 某大手企業E社のケース
第11章 ケーススタディ6 顧客がWebを使って情報収集していない 大手企業F社の新規事業部門からの相談
第12章 ケーススタディ7 競合の参入でCPAが高騰し、受注率も低下 某上場企業G社からの相談
第13章 ケーススタディ8 営業主体の会社なので、マーケの文化がない 東証二部上場の製造業 H社からの相談
第14章 ケーススタディ9 コンテンツマーケティングに投資したいが、どこから手をつければいいかわからない コンテンツマーケティング未経験のI社からの相談
第15章 ケーススタディ10 競合がたくさん存在する成熟業界で成長する レッドオーシャンな成熟産業で戦う企業J社からの相談
第16章 ケーススタディ11 モノはよいが、しられていない認知の壁の突破方法

感想

才流(さいる)の栗原さんと言ったらBtoBマーケティング支援業界の若きヒーロー。

今まで行ってきたプロジェクトをベースに作られた本。事実なのでうすから、そりゃ、もちろん、守秘義務があって話せないこともあるわけですよ。ただ、抽象化して、一般化した内容なら反せますよね、と言うことなんだよな。

そうやって通称化されて紹介されているBtoBマーケティングの支援事例はとてもためになる。

ただ、それ以上にためになるのが、第5章までのお話だね。

第5章まではBtoBマーケティングに関する概念的なことを説明しているパートなのですね。なので、明日からすぐに使えるようなテクニックは、ほぼ書かれていないです。第4章、第5章はすぐに使えそうな気がしますが、そこまで具体化されてないんだよな。

じゃあ、使えないのか?

いえいえ。

抽象化されている情報、概念的な情報というのは理解しにくいし、すぐに使えることってできないけれど、応用が利くんだよな。

ということで、前半部分で良かった箇所を抜き出してまとめてみるとこんな感じ。

BtoBマーケティングっていうのは、「どうやって営業に商談しやすい見込み顧客を渡すのか」ってことなんだよね。すべての施策は、そこに向かって動かなきゃならないのだよね。そして、商材によって検討期間に年単位の時間を有するんだよね。そのへんを考慮して、戦略を設計しないとだめなんだよな。

そして、もう1つ考えなければならないのが、大きな顧客への到達コスト(CAC)。いきなり大きな企業との取引を行うことはできないし、大きな取引ができる企業だけにマーケティングと営業を行うことはできない。ピラミッドの上の方にいる大きな顧客にアプローチするためにはピラミッドごとアプローチしなければならないのだけれど、そのコストがどれだけかかるのか?ということを計測するのが重要だってことなんだよね。

当然ですけれど大企業になればなるほど、購入判断に時間がかかるんだよな、1取引の金額は大きくなるけれど、1取引の完了までに多くの時間を費やさねばならなくなる。だから、キャッシュフローに余裕がないスタートアップはSMB、中小企業を狙うんだよな。ただ、SMBだけを狙っていると翁売り上げを作ることができないので、どこかのタイミングで、ターゲットを大企業に切り替えなければならないんだよな。

おっと、話がずれたw

BtoBの場合、購入企業側は事前に得ることができる情報が少ないなかで意思決定を行う必要があるのですな。つまり情報の非対称性が大きい。そんな購買企業側の不安を解消するために必要なのがWeb上に置かれたコンテンツな訳なのですよ。そのコンテンツに触れることによって、企業側の購買担当者は、判断に自信を得る訳なのだよな。

じゃあ、どういうコンテンツを作ればいいのか?って話なのですが、ちゃんとその答えを教えてくれているのが素敵ですよね。

まずは、自社に対して確認すること。

●サービスの内容(一言で言うと?)
●解決している課題
●顧客への価値提供
●商品の特徴
●なぜ、その特徴を実現できているのか
●比較されている競合企業、競合となる選択肢
●競合優位性はどこにあるのか
●商品の単価とLTV
●短期、中長期の事業戦略
●商品開発のきっかけ

そして、お客さまについて知ること。

●どんな課題を抱えているのか?
●それをなぜ、解決したいのか?
●解決検討しはじめたきっかけは何か?
●導入にあたり、気にしていることは何か?
●なぜほかの選択肢ではなく、A社を選んだのか?
●どのような社内検討・稟議プロセスを経たのか?
●A社をどこで見つけたのか?
●普段、どのように業務上の情報収集をしているか?

この質問項目を、しっかりこなすだけでも大きく変わるんだよな。

進化するよ。

 

事例で学ぶ BtoBマーケティングの戦略と実践

事例で学ぶ BtoBマーケティングの戦略と実践

  • 作者:栗原 康太
  • 発売日: 2020/11/19
  • メディア: 単行本
 

 

タイトル:事例で学ぶBtoBマーケティングの戦略と実践
著者:栗原康太
発行元:株式会社すばる舎