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あなたは、なぜ太ってしまうのか? 肥満が世界を滅ぼす!

著者:バリー・ポプキン
訳者:古賀林 幸
発行元:朝日新聞社

 

まとめ

ワタシは数値的には太ってるわけですが、健康に気にかけて、健康なわけですよ。で、太っているのに健康でいられるのは、きっちり運動してるわけですよね。
伝統的な食生活から、砂糖や油を多用した食生活に。そして、身体を動かす生活から、機械に頼る生活に。そして、その甘くて便利な近代化の並に正しく乗らないと、単なる高血圧と糖尿病の拡大再生産にしかならないんだよな、と。

 

この本を読んだ目的

「なぜ、太ってしまうのか?」と、問いかけられたら、そりゃ、読んでしまいますよ。で、読んだらビックリのトンデモダイエット本ではないのだから、いろんな意味で驚きましたよ。

 

目次

序章 世界中で「肥満」は新たな病になっている
1章 あなたの「食習慣」はどうつくられたのか?
2章 おいしい「飲み物」に隠されたワナ
3章 「運動」で食べすぎをなかったことにする
4章 「食のグローバル化」が肥満を世界に広げた
5章 「肥満になりたくない」本当の理由
6章 「食品業界」が知られたくない事実
7章 世界を「ダイエット」するためにできること

 

感想

「なぜ、太ってしまうのか?」なんて、題名が問いかけてくる本なんて、トンデモダイエット法が紹介されているような世界なんじゃないかと、思うわけですよ。

 

でも、そんなことは一切なかった。そして、どちらかというと、ダイエットという対処法ではなく、ダイエットをせざるおえなくなる原因、そう「なぜ、太ってしまうのか?」という方に話の主眼をおいているのですよ。

 

は!まさに、タイトル通りの本ではないですか!すごい世界だな。書店員さんも、びっくりだろう。こんな、まっすぐな心をもった編集さんがいたなんて。

 

で、本書では太ってしまう理由をたんに「食べ過ぎ」とか「運動不足」とか「自堕落な生活」ってところにおいていないのも、すてき。いや、実際には食べ過ぎであり、運動不足であり、自堕落な生活なんだけどね。

 

その食べ過ぎや、運動不足、自堕落な生活に、なんでなってしまったのか?を歴史的事実に基づいて説明してくれるのがいいんだよね。

 

冒頭では、こうやって本書の目的を教えてくれるしね。

 

本書ではいくつかの大きな問題について考察する。すなわち、多量の砂糖を添加した今日の飲料がこの危機の原因かどうか、ファストフードが体重増や肥満にどんな役割を果たしているのか、世界のウォルマート化はどうなのか、加工食品がほぼどこでも手には居るようになったことが、われわれを太らせ不健康にしているのか、グルメ志向と手抜き時代の肥満の蔓延は、単純に社会の規制や当勢力の低下で説明がつくものなのか、それとも食品業界が主張するように、食べ物のせいではなく運動部族が原因なのか、両親や学校はどんな役割を果たしているのか、なぜ貧困層の大勢の人までが太りすぎなのか…
つまるところ、本書はいかに進歩というものが往々にして代償を伴う可という話である。

 

近代化、現代化が我々を太らせてしまったわけですが、とはいえ「太りたくない」という理由から、誰も江戸時代や、中世ヨーロッパのような生活には戻りたくないのですよ。

 

ただね、カロリーを過剰に摂取してしまったら、そのカロリーを消費するように運としなければならないのですよ。カロリーを過剰摂取しないように、情報を仕入れて、食べ物を選ばないといけないのですよ。定期的に検査して、身体の状態を把握しなければならないのですよ。

 

でもね、21世紀のいま、それらをやることにはすごいお金がかかるのですよ、お金をかけないと痩せることも、健康でいることも、できないんですよ。

 

もう、何ということでしょうか。

 

とりあえず、スクワットして、ダイエットしようと思わされる本ですね。

 

 

 

あなたは、なぜ太ってしまうのか? 肥満が世界を滅ぼす!

あなたは、なぜ太ってしまうのか? 肥満が世界を滅ぼす!