目次
第1章 右足切断の事故
第2章 明豊高校ソフトテニス部
第3章 障害者陸上の現実
第4章 アメリカへわたる決意
第5章 Stairway to He…(天獄への階段)
第6章 ロンドン・パラリンピック
第7章 We are the Champions
感想
ラスト・ワンとは残った1本の脚のこと。
本書は日本代表パラリンピック選手・中西麻耶の半生を追ったドキュメント。
読んでいてコレほど胸が苦しくなった本は久しぶり。
読んでいるうちに引き込まれて、息ができなくなり、電車から降りて一休みしてしまったもの。
それくらいにすごい本だ。
中西麻耶は北京、ロンドン、リオのパラリンピック日本代表。短距離と走り幅跳びを専門にしているアスリートだ。
もともとはソフトテニスで国体参戦を目指していたアスリート。それが仕事上の事故で右足を失うことに。
ニュースで伝え聞くのはここまで。
コレ以外は「きれいすぎるパラリンピックアスリート」として紹介される程度。競技費用を得るためにセミヌードカレンダーを発売したことも話題になりましたもんね。
というのは、表に伝え聞くだけの話。
彼女の歩んできた人生はそれだけではない。
なぜ、セミヌードのカレンダーを出すことになったのか?その裏事情がしっかり書かれている。そこに書かれている話は、何であろう?悪い日本人の典型である。そりゃ、彼女は日本国籍を捨てようとするわけですよ。
それでも、日本代表としてパラリンピックに参加する。
本書の前半は切断される脚の描写にドキドキしてしまうのですが、中盤からは日本の陸上界のゴタゴタに腹が立ってきつつ、そんな環境にめげず世界を目指す彼女の姿に旨が熱くなってきてしまうのですわ。
自分の人生甘いなぁ。。。。自分はまだまだ、人生を楽しんでいないなぁ。。。
なによりも、自分の人生は自分で切り開かないとダメだ、その人生において一番重要なことを教えてくれる1冊だ。