著者:恩蔵茂
発売元:河出書房出版
目次
はじめに―かつてエアチェックとFM雑誌の時代があった
第1章 FM放送が始まった―エアチェック時代の前夜
第2章 こちらFMステーション編集部―後発FM雑誌のドタバタ奮闘記
第3章 FMと番組表とカセットテープ―音楽をエアチェックする時代
第4章 FMステーションの黄金時代―ステーション読者の思い出のために
第5章 音楽メディアの変貌―CD登場、ビデオ規格戦争、FM多局化
第6章 黄金期の終焉―すばらしき“ラジオ・デイズ”
あとがき―FM雑誌の読者に花束を
感想
サブタイトルは『FMステーション青春期』。
この本はすごいね。
甘酸っぱい思い出がギュッと詰まっているね。
今の若い人たちには全く理解してもらえないけれど、FMと言うのはものすごくおしゃれなメディアだったわけですよ。で、そんなおしゃれなメディアをフォローアップするための雑誌が多数存在していた。
その中の1冊がダイヤモンド社から発行されていた『FMステーション』。
その誕生から廃刊までを、丁寧に追いかけていた1冊。
無論、著者のオンゾーさんは『FMステーション』の中の人。それどころか、創刊メンバー。
フォークからニューミュージックに時代は代わり、グループサウンズではなく、ロックとなり、歌謡曲ではなくアイドルとなり、そしてJ-POPとなっていく。
バブルに向かって日本中がざわめきだっていた、そんな時代の音楽業界のお話が、しっかり紹介されているのが素晴らしいですわ。
音楽媒体だって、レコードや、オープンリールデッキから、カセットテープ、そしてCDへ。映像だって、ビデオから、LD、そしてDVD。時代が一番激しく変わり続けていた時代のお話は、読んでいるだけでワクワクしてきますな。
そして、J-WAVEがモア・ミュージック&レス・トークだったのは知っていたけれど、ほぼ同時期に開局したFM埼玉ことNack5はモア・トーク&レス・ミュージックがモットーだったとは知りませんでした。
またラジオが熱くなって来た今だからこそ、また、こういう雑誌が生まれて欲しいですなぁ。
まぁ、無理か。今の時代、わざわざ、エアチェックとかしないものなぁ。
でも、ワタシはラジオが大好きです。