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マンガ「グラゼニ」が大好きな、ウェブ系の何でも屋さんが綴る、仕事とか、読んだ本のこととか、日常とか、世の中に関する忘備録。

「リベラル」がうさんくさいのには理由がある

著者:橘玲
発売元:集英社

 

目次

0 「リベラル」の失敗―「沖縄『集団自決』裁判」とはなんだったのか
1 不思議の国のリベラリズム
2 日本人の働き方はこんなにヘン
3 テロと宗教
4 素晴らしい理想世界
EPILOGUE まっとうなリベラリズムを再生するには

 

感想

 

ワタシは日本的なリベラルが大嫌いなのですよ。。地元では「自由」で通っていた高校にあえて入学したのですが、そこは日教組が支配し、校長が毎年毎年交代するような、北朝鮮的な高校で、日本的リベラルを絵に描いたような世界だったわけですよ。だいたい入学式に日の丸が掲げられているからと言って、教員が入学式をボイコットするような学校でしたからね。超強硬派な校長が来たら、全く火の気がない校長室から失火して火事とか起きていましたからね。

 

そういう、日本的リベラルの残念さがしっかりと書かれている素敵な本ですわ。
そりゃ、この本について激怒する方々も多いでしょうね。

話題のチバレイ本よりもロジカルなので、そっち系の人にとっては不都合な真実でしょうな。

 

で、本書では日本的リベラルがおかしなことになってしまったその経緯を懇切丁寧に教えてくれるのですよ。

 

リベラルが「日本が−ジミンガー」という話をするときの原点と言える太平洋戦争の話から始まっているのが素晴らしいですわ。そりゃ、日本軍と日本政府は色々と悪いことをしたわけですわ。でも、その中には「ん?ん?」と思われる箇所がたくさんあって、日本的リベラルな方々はそこに立脚しちゃっているので、もう、草生えるな事態になっている、と。

 

日本的リベララルな方々は手段が目的化してしまい、それの純度が高ければ平和のためには暴力革命でも、リンチでも許してしまうわけですけれど、フツーに考えたら「それはおかしんじゃね?」ということがまかり通ってしまうことを信じるのは「なぜか?」というと、自分の主義主張を信じるのが是で、それ以外は不都合な真実だから、調べないと。

 

まぁ、ワタシの高校時代がそうでしたな。

 

あと、手段が目的化しているので、平気で論理矛盾を起こす。そして、その論理矛盾は見えなかったことにしている、と。

 

今、一生懸命、護憲を唱える9条教の総本山である日本共産党

 

1946年、憲法改正草案の審議が行われた衆議院本会議において、共産党野坂参三議員は新憲法9条第1項の戦争放棄に賛成する一方で、第2項については、「要するに当憲法第二項(第9条)は、我が国の自衛権を放棄して民族の独立を危うくする危険がある。それ故に我が党は、民族独立のためにこの憲法に反対しなければならない。

 

 

と、憲法9条を否定している。


そして、「いやいや、必要だよ」と言っているのが、吉田茂だという。今と、攻守が逆ですよね、と。まぁ、自民党も言っていることは逆なのだけれど、アメリカに従うってことに関しては、終始一貫しているしな。でも、それをいうと共産党も、ひたすら自民党に反対するということで一貫しているけれどな。

 

日本的リベラルな方々がこの本を読んだら、ヘイトだ、言論弾圧だ、と大騒ぎするでしょう。

 

しかし、この本の内容をワタシは支持しますわ。

 

87ページにジコチューに集団的自衛権はわからないとあるのだけれど、まさにそうだな、と。自分だけが助かれば、ほかはどーでもいい。そんな方々とワタシは仲良くなることはできないなぁ。