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マンガ「グラゼニ」が大好きな、ウェブ系の何でも屋さんが綴る、仕事とか、読んだ本のこととか、日常とか、世の中に関する忘備録。

ウソはバレる

著者:イタマール・サイモンソン/マニュエル・ローゼン
訳者:千葉敏生
発売元:ダイヤモンド社

 

目次

はじめに もはや時代遅れのマーケティング「5つの常識」

パート1 時代は「相対」から「絶対」へ

第1章 なぜソーシャル・メディアではマーケティングが効かないのか

    経済学者が夢見る「完全情報」世界の到来?

第2章 消費者は本当に“不合理”なのか?

    意思決定を操作する「心理戦術」はすべて無効に

第3章 ソーシャル・メディアが生んだ新しい「意思決定パターン」

    「情報過多で消費者は混乱する」のウソ

第4章 「カスタマー・レビュー」がマーケターを凌駕する

    絶対価値の時代へのシフトが止められない理由

 

パート2 これからのマーケティングのかたち

第5章 失われゆく「ブランド」の価値

    「ソニーだから安心」の終わり

第6章 ロイヤルティと顧客満足度も「過去」のもの

    グーグルですら「これまでの実績」を見てもらえない

第7章 製品の普及パターンもキャズムも消えつつある

    マイクロソフトが陥った「カテゴリー」の罠

第8章 ポジショニングや説得はムダ?

    フェイスブック・フォンが「フェイルブック・フォン」に終わった理由

 

パート3 新しいフレームワーク

第9章 「影響力ミックス」で考える顧客の意思決定パターン

    「P・O・M」の3つの影響力を見極める

第10章 顧客とのコミュニケーションは適切か?〈応用編①〉

    「認知」ではなく、「関心」を呼び覚まそう

第11章 市場調査の方法を180度転換しよう〈応用編②〉

    顧客の動きは「予測」するのではなく、「追跡」するもの

第12章 顧客セグメンテーションを見直そう〈応用編③〉

    騙されやすい市場から騙されにくい市場への変化

第13章 「絶対価値」はこれからどこへ向かうのか

    「テクノロジー×データ」でツールは加速度的に進化する

第14章 「絶対価値」の世界で勝ち残るマーケターの新しい常識

 

 

感想

なかなか過激なタイトルでございます。
サブタイトルは「定説が通用しない時代の新しいマーケティング」ですね。

 

わかりやすくまとめると、今までのマーケティングというのは消費者を騙すためのウソであったwと。

まぁ、そんな言い方をしてしまうと、従来型のマーケッターの方が大騒ぎしてしまいますがね。

でもですね、情報格差といいますか、情報の非対称性を利用して、消費者を誘導していたことには間違いないと思うのですよ。

 

Webが発達したことによって、今までのマーケティング手法が通用しなくなってしまった、と。

今までのマーケティング手法が通用しなくなったために、有名ブランドのPCが売れなくなり、聞いたことのない台湾メーカーのPCが売れるようになった、と。

 

「値段だろ?」というツッコミが来そうですが、今までは値段の高さはニアリーイコールでブランド力の高さであったわけで、単なる安物は、ブランド力がなかったので、そんなに売れることがなかった、と。

 

で、こういう事象を、今までは使えていたというか定番だったフレームワークが使えなくなったことで、証明しているのですわ。フレーミング効果、文脈効果、タスク効果、それら有名な定説が使えなくなった、と。

 

Webが発達して、ソーシャルメデイアが、レビューサイトが市民権を得るようになったことで、今までのようなマーケティングは通用しなくなっちゃいました、と。マーケッターが考え抜いたPRや、広告よりも、一般ユーザの利用に基づく声、つまりレビューのほうが役に立つからね。そういう世界ではウソも直ぐにバレてしまうからね。

と。

 

じゃあ、嘘がすぐにバレるようになった時代、どんなフレームワークが必要になった(生まれてきたのか)も、きっちり書かれている。それはPOM。

 

なにかというと、具体的にはこんなこと。

 

P-その人が前々(Prior)から持つ嗜好、信念、経験
O-他者、つまり他(Other)の人々や情報サービス
M-マーケッター(Marketers)

 

人々は意思決定をする時に、POMのそれぞれが補完するように動きあい、考えをうかめていくのだとな。


Pの重要度が増すと、Oの重要さが減って、Mがそれに影響を与える。。。と。
そして、この関係性は刻一刻と変化していくのだとな。

 

なんとまぁ、世知辛い世の中ですなぁ。。。という状況なのですが、こういう状況だからこそ、マーケッターに流行るべきことがあると。

 

それは、関心を生み出すこと。

 

今までのマーケティングといったら「どれだけ認知を高めるのか?」が、ある意味、勝負のポイントだったけれど、今は違う、と。認知を高めるよりも、消費者の関心を生み出すことが重要なのだと。そして、消費者に行動を促すことが重要なんだとな。

 

色々考えさせられる本でしたな。

 

 

ウソはバレる―――「定説」が通用しない時代の新しいマーケティング

ウソはバレる―――「定説」が通用しない時代の新しいマーケティング

 

 

タイトル:ウソはバレる
著者:イタマール・サイモンソン/マニュエル・ローゼン
訳者:千葉敏生
発売元:ダイヤモンド社
おすすめ度:☆☆☆☆(良い本ですな)