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アクセンチュア流 生産性を高める「働き方改革」 自社のカルチャーを変革し続けるリーダーシップ×フレームワーク

著者:江川昌史
発売元:日本実業出版社

 

目次

はじめに
Chapter1 現状把握から“なりたい姿”を定義する
Chapter2 改革までのロードマップと体制づくり
Chapter3 『プロジェクト・プライド』本格始動!
Chapter4 「制度」と「意識」の両輪で働きかける
Chapter5 働き方改革で次なるステージへ
おわりに

 

感想

 

「選ばれる企業」を目指して、
「働き方の未来」を実現する。
と、帯にある。

あのアクセンチュアが、残業削減だと??激務で有名なアクセンチュアが何をバカなことを?と、素直に思ってしまう。

 

が、著者はアクセンチュアの現社長。アクセンチュアの生え抜きなので、本人は深夜削減やら、休日出勤で出世してきたのだろうに。

 

しかし、危機感の持ち方は正しい。もはや、サラリーだけじゃ、優秀な人材が集まらないし、残らないのよね。優秀な新卒を高給でかき集めても、3年で辞められたら、組織として持たないしな。で、三十過ぎた経験者は、よほどじゃないと、そんな会社に行かないしな。

 

で、前半はそんな危機感の紹介で、メインは具体的な生産性改革のアプローチ方法の紹介。ここは流石だ。

 

ちなみにアクセンチュアでは生産性改革を「プロジェクトプライド」と呼ぶのね。

 

まずは、改革のフレームワークを定義する。
ソフト/ハードと、経営層/現場で四象限をつくり

 

第一象限を方向性提示と効果測定
第二象限をリーダーのコミットメント
第三象限を仕組み化・テクノロジー活用
第四象限を文化・風土の定置化

 

と定義して、ブロジェクト計画を立ててるのが、すごい。

ちゃんと定置化するための三カ年計画、つまりロードマップを定義しているしな。

 

四半期毎のゴールを定義しているだけでないのよね。プロジェクトプライド全体はもちろん、プロジェクトプライドを構成するワークスタイル、コアバリュー、モラル/礼節でも、四半期毎のゴールを設定してるのね。

で、この資料がわかりやすい。
横軸は四半期ごとの矢羽。縦軸が、プロジェクトプライド全体、ワークスタイル、コアバリュー、モラル/礼節となり、それぞれのマトリックスの中にゴールが、書かれている。

こういうのMICEっていうのだろうな。

 

で、本書の後半は、改革を社内に定着させるコミュニケーションと苦労の紹介。

でも、ほんとに残業は減ったのだろうか?ただ、仕事を社外に持ち出しただけなのでは?まだ、それならいいけれど、タイムシートを打刻して、会社にいないこととして会社で仕事していたら幻滅だけどね。

でも、

 

①お客様に企業改革を促しているのに、アクセンチュア自身が変わらないわけには行かない
②社内を改革できなければ、多様な人材の採用もままならず、ひいては新しい時代のデジタル・ビジネスにも移行できない
③デジタル化の流れに即する改革ができなければ、当社はつぶれてしまうかもしれない

 

という記述には、激しく賛成しますな。

 

 

 タイトル:アクセンチュア流生産性を高める「働き方改革
著者:江川昌史
発売元:日本実業出版社
おすすめ度:☆☆☆☆☆(ホントだってたら、ホントに素晴らしい)