著者:西田泰典
発行元:クロスメディア・パブリッシング
まとめ
ビジネスモデルキャンパスというのは、社会人にとってはものすごく強力な武器になりますな。このフレームワークにあわせて、思考を整理できる人間は、強い。ビジネスの要素をシンプルに分解し、定義し直す。ただ、それだけだけど、難しいんだよな。そんなビジネスモデルキャンパスの考え方、作り方を具体的に教えてくれるのが本書だ。この方法を知っているのか? 知らないのか? そのポイントがサラリーマンとしての分かれ道になりますね。
この本を読んだ理由
B2Bマーケティングの思考整理に、ビジネスモデルキャンパスが使えるのではないか? 使い方がマニュアルのように定義されていれば、そのままプロジェクトに使えるんじゃないのか? と思って読んでみました。
仕事に活かせるポイント
Key Partoners , Key Activities , Value Propostions , Customer Relationships ,Customer Segments , Key Resources , Channels , Cost Structurs , Revenue Streams それぞれの項目の考え方、それがそのまま仕事に活かせますね。
目次
第1章 新規事業立ち上げには正しいプロセスがある
第2章 新規事業の構想を立てる
第3章 ビジネスモデルキャンバスの書き方
第4章 ビジネスモデルキャンバスの仮説検証
第5章 ビジネスモデルキャンバスを事業計画書に落とし込む
感想
自社の事業や、お客様のビジネスを整理する際に便利なのが、ビジネスモデルキャンバス。ビジネスを整理するのにもってこいのフレームワーク。出来ることなら、Kindleでも読みやすいような判型にして欲しいと思う。
まぁ、そんな判型の話は本題ではない。
仕事の内容をKey Partoners , Key Activities , Value Propostions , Customer Relationships ,Customer Segments , Key Resources , Channels , Cost Structurs , Revenue Streamsの9つに分けて考えると、ものすごくすっきりと仕事を整理できるわけですよ。でも、この整理の仕方がわからない。具体的にどうやって始めれば良いのかわからない。そんな思考のきっかけを、本書は教えてくれる。
もう、素敵。素敵すぎる。それだけで、この本を買う価値張ります。
でもね、本書のタイトルは「事業計画に落とせるビジネスモデルキャンバスの書き方」。ビジネスモデルキャンバスの書き方も教えてくれるけれど、それと同じように「新規事業の作り方」「事業計画の作り方」も、教えてくれるのも良い。
いろんなことを教えてくれるのだけれど、その中でも良かったのは「成長マトリクス」「バックキャスティング」「発想力を高めるフレームワーク」「VRIO」ですな。
「成長マトリクス」とは経営戦略の父と呼ばれたイゴール・アンゾフが提唱したフレームワーク。「①現状組織の事業」を左下に置き、そのまま新規製品やサービスを作ることで拡大していく「②周辺事業の拡大」、新規市場や顧客を狙っていく「③エリアの拡大」、その両方を兼ね備えた「④多角化」となる。
バックキャスティングとは事業テーマを県宇する際の視点。バックキャスティングとは、あるべき未来の姿を先に思い描き、そこから現状へ逆算して考えること。
発想力を高めるフレームワークには「強制組み合わせ法」「チェックリスト法」「連装砲」がある。強制組み合わせ法は軸を2つ決めて、それぞれに含まれる要素を演繹的に組み合わせていき、新しいアイディアにつながらないかを検討すること。
VRIOというフレームワークは経済価値(Value)、希少性(Rarity)、模倣困難性(Imitability)、組織(Organization)の4つの視点で競合他社と比較する。
この辺の知識はそのまま仕事に使えそうでイイですな。
と、いろいろと使えるポイント満載の本書だけれど、「これやっちゃだめ」というポイントをしっかり書いているのが、ものすごく良い。ここに書かれていることを、紙に手書きして、データ化して、スマホの待ち受けにしておきたいと思ってしまう。
スマホの待ち受けにしておきたい2つのフレーズ。
事業テーマ選定の際になかなか決まらずに何度も考え直すチームの特徴は①流行り物に手を出す②安易に成長市場に参入する③事業間の相乗効果を考えない。
悪い事業計画書の共通点①自社がなぜ提供すべきなのか説明がつかない②アイディアが収益に変換できていない③コンティジェンシープランが書かれていない。コンティジェンシープランとはプランBのこと。予期せぬ事態に備えて定めておく緊急時対応計画を意味する。
あぁ、もう、まさにそうです。