目次
はじめに
第1章 「考える」と、何かいいことがあるの?
第2章 「気づき」=無知の知で勝負が決まる
第3章 知識重視の価値観から脱却する
第4章 「考える力」を起動させるための工夫
第5章 考えるとは「見えないものをつなげる」こと
第6章 考えるとは「まとめて扱う」こと
第7章 「考える」ことの使用上の注意
おわりに
感想
クニエのコンサルティングフェローが著者。コンサルファームのトップが語る頭の使い方を教えてくれる本。
答えを覚えるのは考えることじゃないのよ、と。
情報量で勝負したら、AIに勝てないのよ、と。
文章もわかりやすいが、それ以上に図がわかりやすい。
スルッと頭にはいる。
無知の知と無知の無知を対比して、それも図解して説明しているので、非常にわかりやすい。
自分が知らないという認識があれば、人に対して謙虚になるよね。知れば知るほどわからないことが増えていくよね。一方、無知の無知だと、「自分が知らない」ことに気が付かないから、傲慢になるし、自分はなんでも知っていると勘違いするよね、と。
こうやって、Aと対するBを登場させて、わかりやすく考えることの重要性と、考えるヒントを教えてくれるのが本書。
練習帳と言うくらいなので、途中途中に練習問題があるのも素敵。
著者の考えは人間が行うのは考えること。問題解決を川上から川下へと言う、川の流れにたとえれば、川下の仕事から順々に機械化やAI化が進むだから、考えるチカラを身につけて、川上で生活できるようにしようと、そんなための本ですと。
ちなみに、川上と川下も、わかりやすく対比して説明されている。
で、川上とは
不確実性が高くて、混沌としていて、境界不明確で、非分業で、抽象度が高くて、蓄積が無くて、質重視で、統一指揮がなくて、属人的だと。
川下はこの逆だね。
そんな川上に必要なのは思考力で、思考力とは
- 未知・未来重視
- 正解はない
- プロセスは多様
- 時間はかかるが無限
- 問いが重要
- 素人が強い
- まとめて扱うことが重要
な世界なのだとな。
ちなみに川下で必要なのは知識力ね。
みんな答えを求める世の中だからこそ、問題を設定できる、それも多様な問題を設定できる力が、重要なのですな。
もちろん、問題を設定するだけじゃだめですが。