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マンガ「グラゼニ」が大好きな、ウェブ系の何でも屋さん「カンマニ」が綴る、仕事とか、読んだ本のこととか、日常とか、世の中に関する忘備録。

問題解決のジレンマ イグノランスマネジメント:無知の力

著者:細谷功
発売元:東洋経済新報社

 

目次

PART1 「知」と「無知・未知」~その構造を明らかにする
 「知らないことすら知らない」=「未知の未知」という死角
 「知」は事実と解釈の組み合わせ
 「無知・未知」を考えるためのフレームワーク
 既知と未知との不可逆的サイクル
 ソクラテスドラッカーが唱えた「無知」の二つの視点

PART2 「問題解決」のジレンマ~「問題解決」できる人は「問題発見」ができない
 「知(識)の」ジレンマ
 「閉じた系」のジレンマ
 「問題解決」のジレンマ

PART3 「アリの思考」vs.「キリギリスの思考」~問題解決から問題発見へ
 「アリの思考」と「キリギリスの思考」の違い
 「ストック」から「フロー」へ
 「閉じた系」から「開いた系」へ
 「固定次元」から「可変次元」へ
 「特異点」からの問題発見法
 アリとキリギリスは共存共栄できないのか

PART4 問題発見のための「メタ思考法」~次元を上げて問題を発見する
 上位概念と下位概念
 「抽象化・アナロジー」で次元を上げる
 思考の「軸」で次元を上げる
 「Why(上位目的)」で次元を上げる
 「メタ思考法」を活用するために

 

感想

 

サブタイトルは「イグノランスマネジメント:無知の力」ですね。

無知の知から始まる問題認識の重要さを説く、細谷功さんだからこその著書。

いやいや、無知であることを知っている時点で無知じゃなかろうな、という突っ込みがきそうなのですが、知らないことを認識していないと、それは「知ってるつもり」になってしまい、問題認識もできなければ、問題発見もできなくなってしまうということなのですな。

 

ちなみに、さらに筆者は

これまで知の世界で重要視されてきた「知識」「専門家」「ストック」「閉じた系」「固定次元」という、問題解決を効率的に行うためのキーワードは、すべて問題発見の<世界ではマイナスに働くことがご理解いただけたと思う。

と語るように、AIだなんだかんだと言われる時代にあって、従来型のかしこは、単なる足枷でしかないことも、問題解決におけるジレンマであると、説いている。

問題を解決しようと、従来型の方法で頑張れば頑張るほと、問題は、解決できなくなると。

インターネットの発達と、AIをはじめとする認知・処理技術の発達から、フツーに知識をたくさん知っているだけでは、問題を何も解決できない時代になっているということである。

たんなる知識量を競うなら、グーグル先生に頼れば良いのだから。

このような時代にあって、では、どのようなスキルが重要であるかというと、細谷功さんは新しい線を引き直すことができる人と言っている。これはどういうことかと言うと、新しい線を引ける≒イノベーターであるとのことだ。

 

旧来の枠組みの中で最適化を目指すのではなく、枠組みを新しく作れる人こそ、重要であるということですな。

で、なんでそうなってしまったかというと、情報量の多さに重要性がなくなったから。知識量わ競っても、グーグル先生には勝てないから。昔は蔵書の数を自慢することできたけれど、いまは、全く自慢にならない。への足しにもならない。蔵書の数よりも、どれだけ本を読み込んで、そこからどのような気づきを得て、具体的にどのような動きを行うのか?の方が大切になっている。

 

このような状況を指して著書はストックからフローへ時代の流れが変わったと、語る。

 

で、ストック時代にありがたられていたイソップ寓話の「アリとキリギリス」を例に取り、時代の流れが変わったのだから、重要になるのはアリの生き方ではなく、キリギリスの生き方だと語る。

 

アリの生き方は決まった変数の中での最適化であるが、キリギリスの生き方新しい変数の発見である、と。で、その新しい変数を見つける目的変数はラクをすることであるという。ラクをするためには努力を惜しまないので、次々と新しい変数や、それこそイノベーションを生み出すというのだ。

 

となると、「キリギリス的な生き方をしていると良いことあるのか?」となってしまうが、それだけでは人生が、楽しいだけで、あまり良いことはない。問題発見や、問題の解決は、少なくともできない。

では、どうすればよいのか?というと、著書はメタの視点だという。日本語に直すと気づきの視点になるという。

 

全体俯瞰して、問題を構造化し、抽象化していく。そうすることで、真の問題を発見することができると。

具体的な事実起点となる問題があり、それを抽象化して本質に迫り、イメージできる具体化を行い解決策を導き出すと。

 

で、ここで重要になってくるのが思考の軸と抽象化へのキーワードであるwhyであると。

 

思考の軸というのが、いわゆるMICEの世界を作るもので、もれなくダブりなく思考を巡らす軸のことである。そこから考えると、思考の軸とは、定量的/定性的と帰納的/演繹的になる。

で、これで思考を分類して、whyを使い、考え方を高めていくというのである。トヨタ式ではないがwhyを五回繰り返せば、現状見えている問題よりも深い(細谷功さんの場合は高い)次元に到達することができる。それにwhyを五回繰り返すのはwhy×五ではなく、whyの五乗なので、事象の細分化も可能となる。

 

言われてみるとシンプルであるが、「そんなことかんたんだよ。原因は○○だよ」と知ったかした瞬間に全ては終わる。

 

だからこそ重要なのが無知の知なのである。

 

 

 タイトル:問題解決のジレンマ
著者:細谷功
発売元:東洋経済新報社
おすすめ度:☆☆☆☆☆(名著)