著者:安藤元博
発行元:株式会社宣伝会議
広告ビジネスは、変われるか?まとめ
枠売の広告から脱したかったんだよね。それが総合広告代理店のきぼうだった。で、デジタルに舞台は移動したけれど、広告は枠売からクリック売り、コンバージョン売りになっただけなんだよな。広告をどうやったら進化させることができるのか?そんなことを考えてしまう一冊。
広告ビジネスは、変われるか?を読んだ理由
広告について考えたかったので
広告ビジネスは、変われるか?で仕事に活かせるポイント
広告との向き合い方ですね
広告ビジネスは、変われるか?目次
1 広告ビジネスは「サービス業」に転換する
2 独自の歴史をたどってきた日本の広告業界
3 10年後、広告会社と競合するのはいったい「誰」か?
4 宣伝部からマーケティング部へ
5 なぜ「サービス」としての広告の実現は難しかったのか
6 DXを実現した広告ビジネスで生きる「クリエイティビティ」
7「広告」がつくる価値創造する市場
広告ビジネスは、変われるか?の感想
世の中、モノ消費からコト消費に変化している。ナンデモカンデモ「ものより思い出」なのだ。いやーそう簡単に行かないだろう。そういうことの支援ばかりしている私は思うわけですよ。
そんなに簡単ではない。
でも、みんな、そこに挑む。果敢に挑む。広告だって、挑む。
まじか?広告のコト消費ってなんだ? でもさ、広告ってさわれるモノじゃないから、コトになろうっていうのは当てはまるのかもしれない。
そういう広告のコト消費について、本書ではこんな感じに触れている。
企業は広告の「枠」が欲しいわけではなく、広告を通じて生活者とのコミュニケーションを志向し、生活者にとっての価値を生み出すことを目指しているのです。それならば、広告ビジネスも「広告をすること」自体ではなく、「広告による成果」を軸とした「サービス」( as a Service)に変わっていかなければなりません。言うならば、それはAaaS( Advertising as a Service)です。
広告・アズ・ア・サービスってなんだよな? って思ってしまうけど「広告を通じて生活者とのコミュニケーションを志向し、生活者にとっての価値を生み出すことを目指している」と言われれば、納得してくる。ただ、TVにCMを流すわけじゃないんだよな。
そして、広告とはそもそも社会に対する価値創造だったと、著者はいってます。
私は、マーケティング活動の一環である広告コミュニケーションの目的とは、企業と生活者の創発による「価値創造」にあると考えています。送り手の想いを活かし、受け手に広告がなければ決してなかったであろう新たな気づきを与え、生活を豊かにする。広告の仕事とは社会における価値創造そのものです。
新たな気づきを社会に与えることが広告の役割だったとな。安売りを伝えることでも、広告自体をバズらせることでも、初回無料購入に誘導することでもなかったんだよな。
奥が深いなぁ、ほんとに。
そこに立ち返ると、広告のサービス化、広告・アズ・ア・サービスに必要なことが見えてくる。
広告業のこれまでのビジネスの基盤は広告枠の取引にともなう手数料です。「枠」そのものはもちろん「モノ」ではありませんが、限られた固定的枠を都度売り買いしていると考えるときわめて「モノ」の取引的であるとも言えます。有形な「モノ」を扱うか否かという単純な意味ではなく、「ユーザーが求めるよりよい状態へ導こうとする過程」のことを「サービス」と捉えるならば、広告産業も「モノ」としての広告枠の売買ではなく、送り手と受け手の双方向に生じる情報を活用した「効果」を提供しようとする方向へ転換する「サービス化」が必要ではないでしょうか。
クライアント側と消費者側に生じる情報の流れ、情報が流れることによる効果がサービスの基本、ベースになってくるのね。
とはいえ、全てのクライアントがこのような高尚な目的を持っているわけではないのです。この点を全面に出していくと死ぬますよね。
じゃ、広告のサービス化を伝えるにはどうすればいいのか? ってはなしですが、著者はこうすればいい、ここを伝えればいいとかたってます。
広告主が求めているのは「広告の効果」を最大化することです。では広告をする目的、「効果」とはそもそも何なのでしょうか。端的に言えばそれは「なんらかの生活者のセグメント(ターゲット層)」が「なんらかの状態に変わる(認知/好意度の向上、行動/購買の遂行等)」ことです。
広告の効果の最大化って、クリックを稼ぐことでも、コンバージョンを稼ぐことでも、初回トライアルを申し込ませることでもないんだな。
タイトル:広告ビジネスは、変われるか?―テクノロジー・マーケティング・メディアのこれから
著者:安藤元博
発行元:株式会社宣伝会議