WEB銭の読書やグラベルロードのメモなど

マンガ「グラゼニ」が大好きな、ウェブ系の何でも屋さんが綴る、仕事とか、読んだ本のこととか、日常とか、世の中に関する忘備録。

サービスマーケティング原理

著者:クリストファー・ラブロック/ローレン・ライト
監訳者:小宮路雅博
発行元:白桃書房

 

 

サービスマーケティング原理のまとめ

サービスマーケティング全般はもちろん、サービスについても知見を深めることのできる一冊。サービスマーケティングに関しては、他のサービスマーケティング関連書籍と書いてある内容は同じである。が、実際のサービス設計や、オペレーションについても深く述べられているのが素敵です。

 

サービスマーケティング原理を読んだ理由

サービスマーケティングについて学びたかったので

 

サービスマーケティング原理で仕事に活かせるポイント

ところどころに出てくるコラムがよい。実践的で良い。例えば「効果的な問題解決の指針」ということで紹介されているサービスリカバリーの方法が良い。
①素早く行動せよ
②ミスがあれば認めよ
③顧客の視点に立って問題を認識していることを示せ
④顧客と論議してはならない
⑤顧客の感情を正当なものとして認めよ
⑥顧客に有利な解釈をせよ
⑦問題解決に要するステップを明確にせよ
⑧顧客に進捗状況を知らせるようにせよ
⑨補償も考慮せよ
⑩愛顧心を回復できるように辛抱強く努力せよ
これ、このままクレーム対策に使えるんじゃないか?もちろん、モンスターカスタマーには使えないけど。

 

サービスマーケティング原理の目次

第1部 サービスの理解
第1章 なぜサービスを学ぶか
第2章 サービス・プロセスの理解
第3章 顧客コンタクト
第4章 顧客から見たサービス
第2部 サービスによる価値の創造
第5章 生産性とクオリティ:同じコインの両面
第6章 リレーションシップ・マネジメントと顧客ロイヤルティの構築
第7章 苦情への対処とサービス・リカバリ
第3部 サービス・マーケティング戦略
第8章 サービスのポジショニングとデザイン
第9章 補足的サービス要素による価値の付加
第10章 サービス・デリバリー・システムのデザイン
第11章 サービスの価格とコスト
第12章 顧客エデュケーションとサービスのプロモーション
第4部 マーケティングとオペレーション、人的資源管理の統合
第13章 サービス・マーケターのための諸ツール
第14章 需要と供給能力のマネジメント
第15章 行列と予約のマネジメント
第16章 サービス従業員:リクルートからリテンションまで

 

サービスマーケティング原理の感想

サービスマーケティングに関する教科書的な本を一冊読んだことがある人であれば、本書に書かれているマーケティング的な話は読み飛ばしても問題はないでしょう。本書のポイントと言ったら、そもそものサービス論とサービスのオペレーションについてですね。オペレーションに関しては実用的な本もビックリな内容(引けを取らない内容)が書かれております。

そのなかでも「おお!」と思えたのは「待ち時間の心理学」ですね。これはすぐにでも使えそうなTipsですよ。

 

無為に過ごす待ち時間はより長く感じる
事前・事後の待ち時間はより長く感じる
不安は待ち時間を長く感じさせる
不確定な待ち時間はより長く感じる
待つ理由の分からない待ち時間はより長く感じさせる
不公正さは待ち時間を長く感じさせる
サービスの価値が高いほど、人は長く待つ
独りで待つときは、待ち時間はより長く感じる
身体手に不快・苦痛な待ち時間はより長く感じる
不慣れなところで待つときは、待ち時間はより長く感じる

 

こんな感じで、サービスの質を上げるにはどうすればいいのか?が、しっかりと書かれています。素敵ですね。

もちろん、学べる内容、学術的な内容もいっぱい紹介されているのです。いろいろとあるなかで、個人的に刺さったのが「サービス・ポジショニングの4つの原則」と「サービスブループリントの基本要件」ですね。サービスブループリントは知ってましたが、サービス・ポジショニングははじめて知りました。

ジャック・トラウト(Jack Trout)が示すサービス・ポジショニングの4つの原則とは下記の通りです。

①企業はターゲット顧客の心の中に自身のポジションを確立しなければならない。
②ポジションは1つでなければならない。ポジションはシンプルで一貫性のあるメッセージを発するものでなければならない。
③ポジションは競合者から当該企業を区別させるものでなければならない。
④企業はすべての人にすべてのモノを供給できる訳ではない。それ故、企業はその努力を集中させなければならない。

ポジショニングって、サービスでもしっかりと定義しておかなければだめだったのね。まぁ、言われてみればそうだけど。マーケティングでいうポジショニングとはビミョーに違うので注意だね。

サービスの設計図となるサービス・ブループリント。効果的なサービス・ブループリントの基本要件は次の通り。

①ブループリントは、進行図の形式で、時間と各活動の流れを時系列的に示していなければならない。
②ブループリントは、エラー、ボトルネック、他のプロセス上の特徴を特定し把握するものでなければならない
③ブループリントは、許容されるサービスの変動の程度を明確に定めるものでなければならない。許容される変動の程度とは、サービス・クオリティとタイミングについて顧客の評価に影響を与えない範囲である。

サービス・ブループリントとカスタマージャーニーマップについてはもっと学んで、もっともっと実務に落とし込むことをしないとだめだなぁ、と自分に言い聞かせるわけですよ。

 

 

タイトル:サービスマーケティング原理
著者:クリストファー・ラブロック/ローレン・ライト
監訳者:小宮路雅博
発行元:白桃書房