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学習する組織 システム思考で未来を創造する

著者:ピーター・M・センゲ
発行元:英治出版

 

 

学習する組織 システム思考で未来を創造するのまとめ

人はどうすれば学習するのか?なぜ、人は学習しなくなってしまったのか?というのをしっかり教えてくれる1冊なのだ。学び&学ぶためには仕組みが必要なんだよな、と。そんなことがしっかりわかる1冊ですね。

 

学習する組織 システム思考で未来を創造するを読んだ理由

学びをしっかりと身につけたかったので

 

学習する組織 システム思考で未来を創造するで仕事にいかせるポイント

もう、すべてっすね

 

学習する組織 システム思考で未来を創造するの目次

第1部 いかに私たち自身の行動が私たちの現実を生み出すか・・・そして私たちはいかにそれを変えられるか
第1章 「われに支点を与えよ。さらば片手で世界を動かさん」
第2章 あなたの組織は学習障害を抱えてないか?
第3章 システムの呪縛か、私たち自身の考え方の呪縛か?
第2部 システム思考 「学習する組織」の要
第4章 システム思考の法則
第5章 胃資金変容
第6章 「自然」の型 出来事を制御する型を特定する
第7章 自己限定的な成長か、自立的な成長か
第3部 核となるディシプリン 「学習する組織」の構築
第8章 自己マスタリー
第9章 メンタル・モデル
第10章 共有ビジョン
第11章 チーム学習
第4部 実践からの振り返り
第12章 基盤
第13章 推進力
第14章 戦略
第15章 リーダーの新しい仕事
第16章 システム市民
第17章 「学習する組織」の最前線
第5部 結び
第18章 分かたれることのない全体

 

学習する組織 システム思考で未来を創造するの感想

VUCAな時代だからこそ、未来のビジョンを共有し、自ら創造し、再生紙続ける組織であることが重要になる。

 

いままでの日本は「背中を見て覚える」のように、暗黙知として知識を受け継ぐことが多かった。が、学習する組織のツールや手法では、そのような暗黙知を伝える職人技を、わかりやすく見える化して、組織内に伝えるようなお手伝いをしてくれる。

 

自ら寝返りを打つことと、立ち上がることと、歩くことと、言葉を覚えた人間も、10歳になる頃には「先生の期待に応える答え」を用意するような人間に育ってしまう。そう言うスキルは上司を喜ばせるばかりで顧客似役立つシステム開発には向かない。けど、それに気がつかずに、多くの人間は社会人生活を終えてしまうのだ。

 

いやはや手厳しい。

 

そんな人間本来持っている学習する力を元に戻させるには、個人の努力も必要だけれど、学習させる組織の役割も必要になってくるという。

 

なお、本書では個人が学習したからと言って学習する組織にはならないが、個人の学習なくして組織の学習はならないという、なんだか鴨川ジムの鴨川会長の台詞のようなフレーズが出てくるのが素晴らしい。

 

で、その学習する組織ではなにが必要になってくるかというと、本書では次の5点を挙げている。

①システム思考
②自己マスタリー
③メンタル・モデル
④共有ビジョン
⑤チーム学習

 

この5点に居着いて深く考察していくのが本書なのですが、その前段に書かれている「ダメになっちゃう会社(組織)」の前兆というのが素晴らしい。会社が上手くいかない、その兆候というのはわかりやすい。しかし、その渦中にいる人はそれに気がつきにくいのだと。そして、そんな危機的な会社の問題は組織の学習障害に起因することが多いという。本書では、その学習障害として次の7つを挙げている

 

①私の仕事は○○だから
②悪いのはあちら
③先制攻撃の幻想
④出来事への執着
⑤ゆでガエルの寓話
⑥「経験から学ぶ」という妄想
⑦経営陣の神話

 

自責ではなく他責、自分事ではなく他人事にしちゃう組織はダメってことか。

 

でもさ、そんな組織の中にあっても、自分を強く持っていれば大丈夫なんじゃないかと思ってしまうのだけれど、それはどうやらそうじゃない。朱に交われば赤くなるってことらしい。

 

同じシステムの中に置かれると、どれほど異なっている人たちでも、同じような結果を生み出す傾向がある。

 

むむむ・・・転職しようかなw

 

で、そんな飛びつきやすい話から本題に戻ります。システム思考とは全体を見るためのディスプリンである。物事ではなく、相互関係を見る。変化のパターンを見るのが重要。これができないと意味はなくなってしまうのだと。システム思考とはシステム図を見ることであり、システム図をみる、現実を全体的に見るためのカギは、線形ではなく環状の、影響が循環するループ全体に目を向けること。一方通行の線形思考をしていると、受け身的なマインドセットから抜け出せない。影響がループする思考を身につけていると。ある状況のどの要素からも、別の要素に影響が与えられレいることに気がつくのだという。システム思考では、人間の動作主がフィードバック・プロセスの一文であり、そのプロセスから独立した存在ではない。これは認識の大いなる変容を意味する。

 

個人的には、システム思考の考え方がズバズバと心に刺さってきたのですが、その次に何が心に刺さってきたのかというと、それは「共有ビジョン」なのです。

 

ビジョンって言うと、愛だ、平和だ、自然だ、SDGだという言葉が並んでしまいそうですが、そうじゃないと教えてくれます。

 

共有ビジョンとは「自分たちは何を創造したいのか?」という問いに対する答えである。

 

 

シンプルだ。

 

そりゃ、マーベルのヒーローのように、愛だ、平和だを唄って、人類のために戦うのであればいいけれど、やっぱりそれは難しいと思うんだよね。もっと、地に足ついたビジョンであるべきだと思うのよね。

 

だって、本書にはこのようにも書いてあるし。

 

企業において、共有ビジョンは社員と会社の関係を変化させる。もはや「あの人の会社」ではなく「自分たちの会社」となるのだ。共有ビジョンは、互いに不信感を持つ人々が協調して働けるようにする第一歩である。それは共通のアイデンティティを生み出す。

 

 

そうなんだよ。共通のアイデンティティを生み出すものなのだよ。

バットマンや、スーパーマンのように、我々はなれないんだよ。

いや、私だけかもしれないけれどね。

無論、そのビジョンに共感できるのかどうかって話もある。いきなり全部を信じてしまうのも怖い。本書ではビジョンに対する姿勢の7つの段階を次のように定義している。

 

コミットメント:それを心から望む。あくまでもそれを実現しようとする。必要ならば、どんな「法」(構造)をも生み出す。
参画:それを心から望む。「法の精神」内でできることならば何でもする。
心からの追従:ビジョンのメリットを理解している。期待されていることはすべてするし、それ以上のこともする。「法の文言」に従う。「良き兵士」
形だけの追従:全体としては、ビジョンのメリットを理解している。期待されていることはするが、それ以上のことはしない。「そこそこ良き兵士」
嫌々ながらの追従:ビジョンのメリットを理解していない。だが、職を失いたくない。義務だからという理由で期待されていることは一通りこなすものの、乗り気でないことを周囲に示す。
不追従:ビジョンのメリットを理解せず、期待されていることをするつもりもない。「やらないよ。無理強いはできないさ」
無関心:ビジョンに賛成でも反対でもない。興味なし。エネルギーもなし。「もう帰っていい?」

 

いやはや、なんとも。

だから、ベンチャー企業は新卒採用に力を入れているんだな、と1人で納得する。


なお、ビジョンはポジティブなビジョンよりも、ネガティブ、否定的なビジョンの方が受け入れやすいんだって。まぁね、否定的なビジョンは、生存(存在)意義に直結するからね。でもね、否定的ビジョンは短期的にならざる得ないのだと。脅威が存在している限りは組織のモチベーションは維持されるが、ひとたび脅威が去れば、組織のビジョンやエネルギーも消え去ってしまうのだって。

 

だからか。赤字撲滅を掲げて、その赤字が消えたら会社がおかしくなっちゃったんだ、私のよく知る友達の会社はw


そして、最後に深い学習サイクルに影響を与えるには次の3つの要素が必要となるのだと。

①基本理念
②理論・ツール・手法
③組織インフラにおけるイノベーション


そんな本書を読んでいたら読みたくなった本はこれ。

 

 

 


いやはや、この本はじめて読んだけれど、深い内容ですな。時間をおいて、何度も何度も読み返そう。そのたびに、心に刺さるポイントが変わってくるはずだ。

 

 

タイトル:学習する組織 システム思考で未来を創造する
著者:ピーター・M・センゲ
発行元:英治出版