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マンガ「グラゼニ」が大好きな、ウェブ系の何でも屋さんが綴る、仕事とか、読んだ本のこととか、日常とか、世の中に関する忘備録。

戦略コンサルタントが大事にしている 目的ドリブンの思考法

 

著者:望月安迪 
発行元:ディスカヴァー・トゥエンティワン

 

目的ドリブンの思考法まとめ

そりゃ、ものごと目的があってすすめるだろうよ。このタイトルを見た人の10人に8人は、そう言うでしょう。でもですね、目的ってどういうことだかちゃんと理解していますか?目的と、目標の違いって説明できますか?って言われると、話が変わってくる。「そんなこと知らないよ・・・」から「そんな細かいことを知ってたってしょうが無いだろう!」という気分になってくる。だから、それじゃだめなんだって。ビジネスの「上流」と呼ばれる箇所を考え、設定したゴールを達成するために計画を立てる戦略コンサルタントのノウハウがぎっしりと詰まった本。これ、読まないと人生を損するレベルですよ。

 

目的ドリブンの思考法を読んだ理由

「読むべきだよ」って勧められたので

 

目的ドリブンの思考法で仕事に活かせるポイント

もう、全てですよ。全部。Kindle版も買ったので、いつでも読み返せるようにしておきます。

 

目的ドリブンの思考法の目次

第1章 まず、「目的」から始めよ
第2章 「目的」をどう設定するか
第3章 目的から「目標」への落とし方、そして実行へ
第4章 成果創出の「手段」とあらゆる仕事に通底する「5つの基本動作」
第5章 <認知>最小の労力で最大の成果を出す「問題の見極め方」
第6章 <判断>最良の結論に催促でだとりつく「判断の方法」
第7章 <行動>無駄な動き無く最高の成果を得る「アクションの導き方」
第8章 <予測>未来の問題を先読みし先手を打つ「リスク予測法」
第9章 <学習>既知から未知を知る「学びのレバレッジ法」
終章 新たな始まりに向かうための施行<問い>の地図

 

目的ドリブンの思考法の感想

そもそも論

この本は素晴らしすぎる。何勝手、仕事に対する取り組み方をわかりやすく教えてくれるとか、目的と目標をわかりやすく説明してくれるとか、そういう話もあるのだけれど、それ以上に「考えるということはどういうことなのか?」を教えてくれる点なのですよね。

まぁ、そんな哲学的な視点でこの本を読む人はいないでしょうけれど。

私だって、最初はそんな哲学的な視点でこの本を読むことはしませんでしたよw

最初は「目的思考って何だろう?」って視点で本を読み始めましたからね。

さてさて。

コンサルタントを目指す人、コンサルワークに取り組む人に対して「超お勧め!」といろんなところで語られている本書です。

なので、そう言う人しかこの本を手に取らないと思うのですけれどね、そうじゃない人が手に取って「”何のために”が分からないままにガムシャラに働いて、それは無駄な行為だ。そもそもそれは仕事でなくて作業だ!」って言われたら、ブチ切れると思うのですよね。

そんなわけねーだろうって。

そうやって感情がブチ切れたポイントから本書を読み始めると、しっかりと思考が整理できますよ。

そもそも何のため?ってどういうことだか分かりますかって、はなし。

目的と目標の関係性

最初の「目的」が明確であれば、そこに目がけて仕事のやり方を最適化し、成果に直結させることができるようになるりますよね。巣ベタの思考の頂点にある目的を目指して動くようになりますよね。それが目的ドリブンの意味ですよ、って著者は教えてくれま。

そういうことだけを教えてくれる本は他にもありますが、本書がすごいのは哲学的なお話に終始してないってことなんですよね。

成果創出ってのは<目的ー目標ー手段>という三層ピラミッド構造によって成り立っており、それぞれの内容を1つずつかみ砕いて、行動にできるレベルにまでしチェ教えてくれることなんですよんめすなわち、こういうことだ。
目的:(Why)何のために
目標(What):何を目出して
手段(How):どのように達成するか

目的を成し遂げるための道筋、成果創出のストーリーに他ならない。戦略とは「目指す姿を実現するための道筋を描いたもの」であることを思えば、こうした成果創出のストーリーを生み出すことは戦略的思考そのものであると言えるだろう。

目的とは「新たな価値を実現するために目指す未来の到達点」

Purpose(パーパス)とは、その語源を見ると「前に置かれたモノ」(pur「前に」+pose「置く」)を意味する。ここでいう「前」は、いまよりも先の時点=将来と解釈できるし、現状よりも高い価値を実現している状態とも解釈できる。すなわちこれは、「よりおおきな価値を実現している将来の状態」といえる。

Objective(オブジェクティブ)とは、Object(オブジェクト、対象)の単語からつくられる。対象たターゲットとも言い換えられ、いわば「狙いとするモノ」の意味合いだ。ナニカを狙おうとするとき、そこには人の意図を共内からObjective(オブジェクティブ)は「意図を持って狙いとするところ」といえる。

Goal(ゴール)は、その語下(古典英語におけるgol)にまで遡ると、「限度・リミット」を意味するという。これはいわば「到達点」という目的の第三性質を表したもの。



そして、これら3つの性質を併せ持って「目的」は成り立っている。つまり、目的とは「新たな価値を実現するために目指す未来の到達点」のこと、これが、目的の意味の中心だ。


目的とその達成を受け支える実行の仕組みとは、いったいどのようなものだろうか?その仕組みとは、Why(目的)ーWhat(’目標)ーHow(手段)の三層ピラミッドだ。



それぞれの意味はこうなっている。

第1層:Why・・・成し遂げるべき「目的」を頂点とする
第2層:What・・・目的を成し遂げるために達成が必要な「目標」
第3層:How・・・目標の達成に必要な「手段」が基板となって受け支える

つまり、目的が"到達点"であるのに対し、目標は”中継地点(マイルストーン)”を意味する。だから、目標は目的のためにあるといえる。つまり、目的無き目標には何の意味も無いのだ。



おっと、哲学的だな(笑)

この考え方だと「目標の設定」とは「目的の切り分け」と言うことができる。では、どうやってきりわけるのか?となると、この2点で切り分ける。
①構成要素への切り分け
②時間軸での切り分け

そして、大きな目標も小さな目標に分ければ達成できるってことだね。

 

目標から手段へ

 

目的をバッサバッサと切り分けて目標に落とし込むわけだけれど、ただバッサバッサと切り刻むだけじゃだめなんだよね。目的を目標に落とし込むにはちゃんとした3つのステップがあるんだよ。

① 目的を構成要素に分解する
② 抽出した構成要素に目標水準と期限を与える
③ SMARTの視点で目標を精査する

で、目標をさらに具体化すると「手段」になって、実行につながるわけですよ。

さて、手段ってなにかね?ってはなしですが、手段とは「目的と現状の間にあるギャップを埋め、目指す姿の実現を可能にさせるもの」ということができる。わたしは、それをソリューションてよんでたわ。



 

仕事に必要な5つの基本要素

さて、目的からここまで分割して手段に落とし込んだらあとはバリバリとタスクをこなすだけ、と思ったらそうじゃない。もっともっと考えなければならないことがあるという。大変だな、マジで。手段まで落とし込んだら、次は「成果を出すための5つの基本動作」をこなすのだそうな。その基本動作なんだけれど「予測→認知→判断→行動→学習→(予測に戻る)」と、PDCAサイクルのようにくるくる回る仕組みとなっている。



で、この5つの基本動作(特に中核となる認知・判断・行動)のどれかが崩れてしまうと、そこがボトルネックとなって全体の仕事のパフォーマンスに影響を及ぼしてしまうのだと。

知らなかった。

仕事のパフォーマンスがでないのは、ただ単にやる気スイッチが入っていないだけかと思った。

こうやって仕事の動きを分解して教えてくれるのは素晴らしいね。

で、ここからガツガツとタスクをこなしてくる。

 

問題とは?

 

で、そのタスクというのは目の前に現れた問題を解決するモノだったりするのですが。

その問題てどういうモノなのですかね。

むむ・・・

また、禅問答だw

著者曰く「問題とは現状と目標のギャップ」なんですと。tobeとAS ISの差分のことですね。そして、当然ですが、今の状態と理想の状態を比較したときに現れるのです。



で、その問題を設定するに当たりまず問うべきは、「我々は何を目指しているのか?」ということ。世の中の不満や、課題を集めるだけだと、うまくいきそうで行かない。その不満や、課題は「なんで発生しているのか?」というところを考える必要があるのだな。で、そこを基点として、「目指す先と現状のギャップはナニカ?」を問うのだと。

これが優れた問題を設定するため問うべき問いなんだって。

良いこと教えてもらった。

これやらないと、ただ単に問題を裏概して「課題だ!」ってやってしまうので、具体的に何をすれば良いのかが分からなくなってしまうのだとな。

 

リスクのお話

 

で、様々なタスクを実行していると、様々なリスクが襲いかかってくるということで、リスクのお話。

目的が未来を照らす”光”であるなら、リスクはその達成を阻む”陰”として表れる。だから、ナニカの目的を達成しようとする場合、リスクを回避することはできないんだって。そして、リスクは「目的」をきっかけとして発生し、「手段」にとりつくことで目的・目標の達成に影響を及ぼすのですと。

むむむ。

リスク嫌いなのに・・・

リスクって私もそうですが、インパクトだけで物事を判断してしまいそうになるのですけれど、インパクト=脅威度だけでは判断しちゃダメなんですとな。脅威度と受け手の「脆弱性(あるいは頑健性)」も加えた、2つの視点の掛け合わせで決めるんですって。




そして、リスクを見積もるときに重要なのが予測すること。

予測って、カンでしょ?なんて思っていた私が馬鹿でしたw

ちゃんとリスクに対する予測の立て方にはステップがあるのですよ

①目的・目標達成に必要な手段を整理する
②手段に対するリスクを洗い出す
③リスク・マトリクスで注力すべきリスクを特定する

知らんかった。

そして、当然といえば当然だけれど、リスクはいまだ見えない将来に発生するため推理や想像力が求められるのだ。その推察的なモノはどうやって行えば良いのかというと、結構シンプル。
●他者の異なる視点・意見を取り入れる
●既知の知見を参照する
人に話を聞いて、今までの経験を活かせってことなのね。

そして、リスクの発生確率を見積もるには、下記2つの考え方がベースとなるのだとな

●客観的確率・・・数学的論理や統計データを用いて算出する確率
●主観的確率・・・人間の主観的な判断・信念によって設定する確率



未来のことを考えるのがリスクなのだから、十分な情報はどうやったって集まらない。だから、人間の判断が重要になるのね。

そして、対処すべきリスクを特定できれば、最後はそれらに先手を打つための対策を考えることになる。そうしたリスク対応策を考え出す上で「軽減」「回避」「移転」
「受容」という4つの切り口をもちいるのだと。



ふむふむ。

 

学習のお話

 

もう、ここまででおなかいっぱいなのですが、最後に「学習」のお話までしてくれる。

学習の本質は”転用”。これまで学んだことをパターン化し、新たな問題解決にあてはめ活用することなんですって。

学習には「習熟の学習」と「ヨコ展開の学習」の2種類がある。「習熟の学習」は特定の仕事の内容・作業に対して、その習熟度を深めていく学習。経験を蓄えることで、より効率的に課題に対処できるようになる。「ヨコ展開の学習」は、何かしらの領域で得られた学びを、いま自分が取り組もうとしている別の新しい領域に転用する。



ヨコの学習をしながら、前に進まないとダメなのね。

ほんと、この本はとんでもない良書だ。

何度も読み返そう

 

 

タイトル:戦略コンサルタントが大事にしている 目的ドリブンの思考法
著者:望月安迪 
発行元:ディスカヴァー・トゥエンティワン