著者:フィリップ・コトラー/ヴァルデマール・ファルチ
訳者:杉光一成
発行元:白桃書房
- コトラーのイノベーション・ブランド戦略のまとめ
- コトラーのイノベーション・ブランド戦略を読んだ理由
- コトラーのイノベーション・ブランド戦略仕事にいかせるポイント
- コトラーのイノベーション・ブランド戦略の目次
- コトラーのイノベーション・ブランド戦略の感想
コトラーのイノベーション・ブランド戦略のまとめ
B2B企業であってもブランディングは必要なのか?B2B企業ではどのようなブランディングを行えば良いのか?理論と具体的な実践方法を教えてくれるのが本書。さすが、コトラー先生。製造業のブランディングでは「インブランディング」がキーになります。が、かけ声だけじゃ上手くいかないんだよな。その点をどうすれば良いのか?まで踏み込んでいる良書です。「コトラーのB2Bブランドマネジメント」と合わせて読むと、理解が深まりますね。
コトラーのイノベーション・ブランド戦略を読んだ理由
B2B企業のマーケティングだけでなく、ブランディングも深く知りたいので
コトラーのイノベーション・ブランド戦略仕事にいかせるポイント
ありすぎて困ります・・・
コトラーのイノベーション・ブランド戦略の目次
第1章 イングリーディエント・ブランディング
第2章 インブランディングの基礎
第3章 インテル・インサイド インブランドの成功事例
第4章 社内でのインブランディングの実行
第5章 インブランディングの成功例
第6章 成功したインブランドの詳細な実例
第7章 インブランドのマネジメントとその評価
第8章 成功したインブランディングの全体像
コトラーのイノベーション・ブランド戦略の感想
インブランディング(イングリーディエント・ブランディング)とはブランドの中のブランドのこと。顧客が製品を選ぶときに「この会社のパーツが使われているのなら、買おう」と思うきっかけになるもの。それはインテルのCPUであったり、シマノの自転車用変速機だったりするわけですね。このインブランディングに関する理論を教えてくれるのが、本書です。なかなかとっつきにくい概念ですが、インテルのCPUであったり、シマノの自転車用変速機と言うところから連想するとわかりやすく、インブランディングとは、工業製品のための戦略的ブランドなのです。「え!パソコンも、自転車も、個人が買うじゃないか!」という話も出てくるのですが、インテルのCPUが組み込まれたPCを買うのも、シマノの自転車用変速機が組み込まれたロードバイクを買うのも個人ですが、インテルのCPUを組み込んだPCを製造する企業(デルとか、HPとか、レノボとか)、シマノの自転車用変速機を組み込んだロードバイクを組み立てる企業(スペシャライズドや、GIANTや、トレックなど)は企業なわけです。そんなB2B2Cの世界のブランディング戦略がインブランディングなのですね。
インブランディングの目的をコトラー先生はこのように、冒頭で述べているのですね
インブランディングというと、コ・ブランディング(co-Branding)と同じように思われることがありますが、コブランディングはやんいつかつ固有の製品を作り出すために2つのブランドの組み合わせなので、インブランディングとは違うのですね。インブランディングは工業製品のための戦略的ブランドですが、コブランディングはブランドをともに強化することが目的となります。
ある企業が製造する最終製品のパーツとして組み込まれる製品・素材に対してブランディングをおこなうことが、インブランディングです。つまりインブランディング戦略の実行には、現在の部品メーカーのマーケティング戦略の広範な再構成が必要となります。
では、どういう状況であればインブランディングが成功するのでしょうか?本書では、インブランディング成功の前提条件を下記のように定義しています(成功したインブランドの分析結果から得られた条件ですね)。
・最終製品にとっての高い機能
・製品性能全体に占める重要性
・バリューチェーンに対してアクセスできる権力構造
・協力してくれる潜在的なパートナー企業
当然ですが「インブランディングをやるのだ!」って気合いだけじゃだにも始まらないのですね。「最終製品にとっての高い機能」という状態の部品・素材を作り、自社単体でのブランディングができていることが重要なのですね。
タイトル:コトラーのイノベーション・ブランド戦略 ものづくり企業のための要素技術の「見える化」
著者:フィリップ・コトラー/ヴァルデマール・ファルチ
訳者:杉光一成
発行元:白桃書房