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組織は戦略に従う

著者:アルフレッドD.チャンドラー,Jr.
訳者:有賀裕子
発行元:ダイヤモンド社

 

 

組織は戦略に従うのまとめ

組織論に関する古典。そして、原点。会社という組織をマネジメントしていく際に、なにがポイントとなるのか?を、アメリカを代表する大企業を例にとって教えてくれる。インターネットもなければ、企業の国際化がようやく始まったばかりの時代に書かれた本。その時代性をもって「古い本」と言われることが多いけれど、会社組織に関してここまで掘り下げている本は、他に見当たらないと思う。我々がやるべきことは、二十一世紀に、本書で紹介されていたことが当てはまるかどうかってことを調べることだね。

 

組織は戦略に従うを読んだ理由

再度、会社組織について学びたくなったから

 

組織は戦略に従うで仕事に活かせるポイント

解説と序章の戦略と組織は必読

 

組織は戦略に従うの目次

解説:二十世紀経済史の金字塔
序章 戦略と組織
第1章 歴史的背景
第2章 デュポン 自律的事業部の創設
第3章 ゼネラルモーターズGM)総合本社の創設
第4章 スタンダード石油ニュージャージー 海図なき組織改編
第5章 シアーズ・ローバック 計画と偶然がもたらした分権化
第6章 組織イノベーション 比較分析
第7章 事業部制の広がり
終章 巨大企業の歴史

 

組織は戦略に従うの感想

名著です。古典です。でも、大事なことが書かれています。

組織は戦略に従うってのもあるけれど、戦略に従わない組織だってあるだろう?なんて、へそ曲がりな私は思っていました。もちろん、戦略に従わない組織だってある。が、そんなもの非効率以外の何物でもないのだ。

そんな話も、よくわかるぞ。

おっと話がずれたねw

書かれたのは大昔で、古い本だと言われるけれど「外部環境と戦略と組織の相互作用」や「トップマネジメントの役割」については21世紀の今でも通じる話が書かれている。

単一製品の大量生産&大量販売を通じて規模の経済を追求する戦略に対しては、垂直統合を実現した「集権的複数職能制度」が向いている。製品や地域を多角化し、範囲の経済を追求する戦略に対しては「分権的複数事業部制組織」に向いていく。

組織のマネジメントに関わる人間は、大きな危機に直面しない限り、それまで行ってきた業務を変えることはしない。

現業の利益責任を追った執行役員をそもそも全社的な意思決定を下す経営会議の入れてはいけない。全社方針は経営全般を見ることができるゼネラリストが担わなければならない。執行役員スペシャリストだが、それより上の役職者はゼネラリストである必要があるってことね。言い換えれば、経営のスペシャリストである必要があるってことだ。

そして、日本ではミドルマネジメントというと部長や、課長をイメージするが、アメリカで成立した事業部製素子においては副社長・執行役員クラスの事業部長がミドルマネジメントとなる。このポイントをしっかり覚えておく必要がある。課長や部長がマネジメントしてるのは現場の話であって、経営の話ではないのですよね。そして、経営のトップに意思決定が集中して、経営がうまく回らなくなって登場したのが事業部制組織なのですから、先祖返りするようなことがあっては意味がなくなってしまうのよね。

ただ、この本で取り上げられるような企業であっても、新組織への移行がうまくす進んだことはなかった。浮き沈みを繰り返して、前進したのだという。

マネジメントあるいは管理という言葉は、業務の調整、評価、プランニング、経営資源の分配に関わる経営上層部の行動、命令、判断などを指す。そして近代的な事業部制の元でマネジメント活動は総合本社・中央本社・部本部・現業部門の4階層を通じて行われる。

上意下達の世界だけれど、事業部には自律性が必要なので事業部の中では自主独立で進めないとだめなんだな。上司の顔色ばかり伺っててはだめってことだな。

タイトル:組織は戦略に従う

 

 

著者:アルフレッドD.チャンドラー,Jr.
訳者:有賀裕子
発行元:ダイヤモンド社