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トラクターの世界史

著者:藤原辰史
発行元:中央公論新社

 

ラクターの世界史まとめ

ラクターが戦車のベースになっているなんて、知りませんでした。大地を耕す平和な機械だとばかり思っていました。冷静に考えれば、悪路でも動き、地面を掘り起こす機械なのだから、そのまま戦車に転用できますよね。そして、そんなトラクターによる農業の機械化が早い段階で終わっていた国があるのですよ。アメリカ、ソ連、イギリス、ドイツ。日本の農業で本格的な機械化が進むのは第二次世界大戦後なんだよな。国力とは、と考えてしまうわけですよ。

ラクターの世界史を読んだ理由

本屋さんで平積みされていて、面白そうだったから

 

ラクターの世界史で仕事に活かせるポイント

特になし

 

ラクターの世界史の目次

第1章 誕生 革新主義時代のなかで
第2章 トラクター王国アメリカ 量産体制の確立
第3章 革命と戦争の牽引 ソ独英での展開
第4章 冷戦時代の飛躍と限界 各国の諸相
第5章 日本のトラクター 後進国から先進国へ
終章 斯界が変えた歴史の土壌

 

ラクターの世界史の感想

それまで人力や、馬や牛などの家畜に頼っていた、農地の整備。このような時代を一気に時代遅にしてしまった機械が、トラクターなのです。エンジンの出力でタイヤを動かすだけでなく、地面を耕すローターも動かしたトラクター。広大な農地を耕すのに最適な乗り物で、大規模農業がひろまっていたアメリカで、大規模に受け入れられることから始まりました。20世紀初頭のトラクターメーカーにフォードの名前があったのには、胸アツです。

アメリカ製のトラクターが、ソ連や、イギリス、ドイツなどにわたり、現地化され、それぞれの国で独自の進化を遂げるようになったのだとな。この流れは自動車やバイク、飛行機と同じ感じがしますね。

で、我が国、日本について考えてみる。もちろん、戦前にトラクターは輸入されてきた。しかし、他の国のように一気に農業の機械化が進むことはなかった。何故か?そもそも、ベースとなる重工業が十分に発達していなかったから。言われてみれば、そのとおりですな。政府が音頭を取って輸入したトラクターの修理を行っていた流れから、小松製作所が国産のトラクターを作り始めたが、大量生産にならず、終戦を迎えたという。

戦後は、クボタ、ヤンマー、イセキ、三菱農機という世界的なトラクターメーカーが現れたわけですが、これも自動車と同じなんだなぁと。

個人的にはトラクターと自動車生産の関係を調べたくなりましたな。

しかし、それにしても、日本政府の残念さよ。

 

 

タイトル:トラクターの世界史
著者:藤原辰史
発行元:中央公論新社