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海がやってくる 気候変動によってアメリカ沿岸部では何がおきているのか

著者:エリザベス・ラッシュ
訳者:佐々木夏子
発行元:河出書房新社

 

海がやってくるのまとめ

地球温暖化による海水面の上昇といえば、ナウルとか、モーリシャスとか、ツバルとか、南の小島ばかりを思い浮かべてしまうわけです。そうじゃなければ、上海とか、東京とか、マニラとか、シンガポールとか、海沿いの低い土地にある大都市を思い浮かべてしまうわけです。どちらも「海面上昇すると、土地が浸水してしまいますものね」と。この本を読みまでは、そうやって単純に考えておりました。全く違いました。ごめんなさい。海面上昇はいまある土地を水面下に沈めてしまいます。でも、被害はそれだけじゃないのです。海面が上昇すると、地下水に海水が入り込むようのなり、その土地では通常の植物が生育できなくなってしまうのです。そんなことが起きているなんて、知りませんでした。そして、それが起きている場所が、アメリカ本土だなんて、まったく知りませんでした。

 

海がやってくるを読んだ理由

HONZでおすすめされていたので

 

海がやってくるで仕事に活かせるポイント

気候変動による異常気象はあるという前提、物事は進めないとな。そして、地球温暖化を止めることは、貧困対策にもなるということ。ただし、メガソーラー発電のようなことは、何も問題を解決させないのだな。

 

海がやってくるの目次

第一章 枯れ木
第二章 リゾーム
第三章 海面上昇

 

海がやってくるの感想

地球温暖化の影響か、日本では、毎年のようの五十年に一度の大雨が降っている。そのたびに、大雨による悲惨な災害が起きておる。これはアメリカでも同じだという。アメリカの場合は、大型ハリケーンんだ。百年に一度、1000年に一度のハリケーンが数年おきに、アメリカ本土を襲っている。

アメリカの話は、ニュースで見ました。大変ですよね。アメリカ南部は。超大型ハリケーンが上陸するたびに、洪水が起きたり、家が壊れたり、大変ですよね。

そう思っていた、私が浅はかでした。ごめんなさい。

ルイジアナや、フロリダのようなアメリカ南部の地では、ハリケーンが上陸するたびに洪水が起こることじたいは、昔からしばしばあった。しかし、その頻度と、規模がどんどん大きくなっているという。そして、海面上昇の合せ技。ハリケーンがやってこなくても、天気が良くても、海水のよって、街が水浸しになることがあるという。

大変だぁ。そんなに海面上昇って進んでいるのね。そう思いきや、もともと、そのような地域は湿地帯だったそうな。そんな土地を干拓し、乾燥させ、人が住めるようにしたのだという。

コロンブスがやってきて以降ね。そして、19世紀には、そういう土地を民間販売していいという法律ができて、干拓が一気に進んだのだそうな。

ぐちゃぐちゃだった湿地帯を乾燥させ、人が住めるようになった。とはいえ、もともとが低い土地なので、ハリケーンがくると浸水するのは昔からあったそうな。ただ、海面上昇と地盤沈下のダブル攻撃もあり、その頻度と割合が、すごいことになっていると。

いやはや、なんとも。

ただ、そうやって湿地が消え去っているのは南部だけではない。北東部であっても、湿地帯は消えているという。せっかく人が生活で消えるように整えたのに、海面上昇と、温暖化によるハリケーンの影響で、せっかく獲得した地面自体がなくなっているという。

なんだかなぁ…だったら、そんなところに住まなければいいのに。あまり関係のない日本で本書を読んでいると、そんなことを思ってしまう。そんなことを考えちゃ、だめなのだ。想像力の欠如だ。元湿地帯の低い場所に住んでいるのは低所得で、有色人種で、マイノリティな方々ばかり。そもそも州政府の管理も、あまりしっかりされていなかった地域なのだ。

なんだかなぁ。

温暖化による海面上昇では、超大国アメリカだって被害を受ける。ただ、その被害を受けるのは、アメリカの主流派から外れた人たり。そういう人々を救うには経済力が必要だけれど、経済成長が地球温暖化を加速させ、そういう人々をより苦しめてしまいそうな気がしてしまう。

なんだかなぁ。

とりあえず、自分のできる範囲で、温暖化対策をしていこうと思ったですよ。ただ、本書にも書いてあったけれど、ロープの結び目を1つ引っ張っても、1つほどいても、つながっているどこかに影響がでちゃうんだとなぁ。

でも、やらないよりましか。しっかり考えて、前に進もう。

 

 

タイトル:海がやってくる 気候変動によってアメリカ沿岸部では何がおきているのか
著者:エリザベス・ラッシュ
訳者:佐々木夏子
発行元:河出書房新社