著者:大西康之
発行元:東洋経済新報社
まとめ
目を引くために表紙の帯にジェフ・ベゾスって入れているだけかと思いきや、本当にリクルートであればGAFAのような企業になれていたかもしれないな。そう思える1冊。リクルート事件が起きた頃、私はまだ小学生でしたので、テレビが教えてくれる世界がすべてでした。なので、江副浩正は日本を代表する極悪人とすり込まれたんだよな。実際に、そうではなかった。ただ、金によって人は変わってしまうと言うことは事実なんだよな。そして、重要なのは「想い」と「スピード」なんだよな。
この本を読んだ理由
本に書かれたジェフ・ベゾスという単語と、元MSの成毛眞さんが、おすすめしたから。
仕事に生かせるポイント
どれだけ未来を見ているのか? どれだけスピーディーに動けるのか? どんなに会社が大きくなっても、金や、権力に巻き取られないという胆力があるのか?
目次
第1部 1960
第2部 1984
第3部 1989 昭和の終焉・平成の夜明け
感想
リクルート事件といえば、戦後最大の疑獄事件。政治家や、役人、大企業の社長に株券を配った悪い人が江副浩正。
小学生の頃はそう思っていました。
が、実は違ったんだね。
いや、そうだったんだよ。
文春砲ではなく、朝日新聞砲が炸裂したんだよな。
なぜなのか?
新しいことをやろうとしすぎたのと、派手なことをやり過ぎたからなんだよな。
今であればふつーの話である気がしないでもない。いや、普通じゃないか。今で言えば、ホリエモンや、孫さんや、前澤さんかな。そうじゃないのかな?出る杭は潰される国、日本だからね。
新しい情報に誰よりも早く触れ、それを実現するために最速で動く。実現させるためには、罪を犯さない限り、どんな手を使ってでも実現する。
未公開株を配って、その見返りに便宜を図ってもらうなんて、リクルートは悪いやつだ。
という話も「実現させるためには、罪を犯さない限り、どんな手を使ってでも実現する。」の流れだったんだよな。
若者、バカ者、よそ者からイノベーションが生まれると言うことを体現していたリクルートと江副浩正さん。
リクルート事件がなければ、日本のネットビジネスは大きく変わっていたんだろうな。
ただ、リクルート事件で江副浩正さんが失脚していなければ、江副さん自身が生み出し育て上げた「紙の情報誌」に、江副さんが「インターネットでの情報検索」でとどめを刺しにいくことになったんだろうな。それはそれで、血で血を争う戦いになったのだろうな。
どちらにしろ、Winny、ライブドア事件とならび、日本が世界の情報産業ビジネス、インターネットビジネスから大きく後れをとってしまったきっかけであることには間違いないですな。
新勢力は既得権益者から疎まれるってことですね。
もう、そうなると政治の世界ですね。