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マンガ「グラゼニ」が大好きな、ウェブ系の何でも屋さんが綴る、仕事とか、読んだ本のこととか、日常とか、世の中に関する忘備録。

挑戦 我がロマン 私の履歴書

著者:鈴木敏文
発行元:日本経済新聞出版社

 

まとめ

やはり、日本のコンビニビジネスを作りあげた鈴木敏文さんは凄いな。ビジネスマンとして学ぶことが多くある。本質を突き詰める、本質を見極めると言うことが何よりも重要なんだな。もっともっと、鈴木さんについて学ぼう。ツールは道具であって、目的ではないんだよな。

この本を読んだ理由

もういちど、セブンイレブンジャパンを作りあげた鈴木敏文さんについて学びたくなったため。

仕事に活かせるポイント

「われわれの競争相手は競合他社ではなく、真の競争相手はめまぐるしく変化する顧客ニーズそのものである」。本書冒頭に出てくるこのフレーズは、痛烈でありますが、まさにその通りだと思いますな。

目次

第1章 常識打破が仕事の原点
第2章 「やるべきこと」に挑戦する日々
第3章 日本の流通を変えたセブンーイレブン創業
第4章 「業革」の徹底と変化対応
第5章 絶えることなき不可能への挑戦
第6章 流通革新の第2ステージへ向けて

感想

日本にコンビニエンスストアを根付かせ、日本独自のサービスを次々生み出した鈴木敏文さんの自伝。初出は「私の履歴書」。そこに加筆して本書になりました、と。

セブン&アイグループを去り、今は独立した鈴木さんですが、鈴木さんがセブンや、ヨーカ堂の今を作りあげたことに、誰も異論は挟まないでしょう。

もちろん、それは鈴木さん一人の力じゃない。

ただ、中途入社で、当時はドベンチャーであったヨーカ堂に転職し、スーパーというベンチャービジネスを伊藤さんとともに作りあげてきた胆力は、生半可なモノじゃないことがよく分かる。

そして、その胆力とビジネスの基本は、勘や経験、度胸ではなく、勉強だというのだから頭が下がる。そりゃ、横滑りの中途入社組ですから、勘も、経験も無いのですけれどね。

その代わり、統計学や、心理学という武器で戦った。

何冊も鈴木さんの本(もしくは鈴木さんに関する本)を読んでいるので、書かれている内容の多くは既知のモノです。

が、何度読んでもアメリカ本国にあるセブンイレブンを救済しに行ったときの話が、しびれます。この話は、私のビジネスに大きなヒントを与えてくれるのです。

それは174ページにあります。

 

POSをすぐに導入しなかったのは、日本のセブンーイレブンのケースと同じ判断だった。ヨーカ堂の業革時もPOS導入を望む声は強かったが、けっして急がなかった。
単品管理を行い判断するのはあくまでも人間であり、その意識が徹底されていない状態で導入すれば、ハードウェアばかりに依存し、自動的に改革が進むと錯覚する。意識改革が何より先決だった。

 

ツールを導入することで「やった気になっている」人が多いですけれど、ツールはあくまでもツールですからね。

この箇所以外で、心に刺さったところは、セブン銀行を立ち上げたときに鈴木さんが手にした自信に関してですね。

これは214ページにある記述です。何度読んでも、ドキドキします。

 

みんながいいと言うことは単純競争に陥り、大抵は失敗し、みんなに反対されることはなぜか成功する。
私は常に「顧客の立場で」考え、判断してきた。だから決定的な失敗をせずにここまで来られたのではないだろうか。

 

個人商店に中途入社し、個人商店に労働組合を立ち上げ、個人商店の株式を上場させ、個人商店を大きな総合スーパーに進化させ、大きな総合スーパーからコンビニを育て上げ、コンビニを街の小さな商店から生活インフラに進化させ、さらには銀行まで作る。

そりゃ、反対されまくるでしょう。

でも、どれも実現してきた。もちろん失敗することもたくさんあっただろうけれど。そして、鈴木さん一人の力じゃないだろうけれど。

こういう嗅覚を持った格好いいビジネスマンになりたいですね。

 

挑戦 我がロマン (日経ビジネス人文庫)

挑戦 我がロマン (日経ビジネス人文庫)

  • 作者:鈴木 敏文
  • 発売日: 2014/12/02
  • メディア: 文庫
 

 

タイトル:挑戦 我がロマン 私の履歴書
著者:鈴木敏文
発行元:日本経済新聞出版社