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マンガ「グラゼニ」が大好きな、ウェブ系の何でも屋さんが綴る、仕事とか、読んだ本のこととか、日常とか、世の中に関する忘備録。

オムニチャネル戦略

著者:角井亮一
発行元:日本経済新聞社

 

目次

第一章 オムニチャネルとは
第二章 ネット通販の成長、リアルとの攻防
第三章 オムニチャネルが成功する条件と実践のステップ
第四章 先行するアメリカ 最新ビジネスモデルを体験する
第五章 日本のオムニチャネルの行方

 

感想

オムニチャネル。なんか、少し懐かしい言葉ですね。
本書が発行されたのは2015年。


世の中、オムニチャネルという言葉が弾けまくっていた時代ですね。
オムニチャネルの考え自体は素晴らしいのですが、いまいち日本だと定着しにくい感じ。セブン&アイが大々的に始めたけれど、成功例として登場しているのがメガネスーパーだったりして。

 

オムニチャネルのコアになるのは「顧客中心設計」と「データ統合」と「物流」なわけですが、既存のシステムがガッチリ出来上がっていて、かつ、巨大だったりすると、「データ統合」と「物流」を作り直すっていうのが超大変なわけなのよね。それこそ、アメリカの企業のように社運をかけるレベルで桁が違う金額で投資するのであれば、システムを作り変えることができるのでしょうがね。日本企業の場合はそこまで果敢に攻めることができなかった。日本中にあるセブンイレブンのシステムを一旦全て捨てて、新たなものを構築するまではできなかったからね。Webにしても、すべてのサイトを閉鎖して、新規にまとめ直すようなことはできなかったしね。

 

そう考えると、オムニチャネルっていうのは大企業に向かないんじゃないかしら?と思ったりもしてしまうのですが。大企業でなければ、投資に耐えることができる体力もなさそうだしなぁ。

 

本書には、2015年時点での最新のオムニチャネル事例が紹介されているのですが、2019年時点で、それがどれくらい発展しているのか?を調べたくなってきましたね。(調べてはないので)。

 

オムニチャネルは顧客にとって有益なサービスだけれど、そのサービスが事業会社にとって、すべからく有益なサービスである場合ではないのでね。オムニチャネルの費用対効果がどうなのか?がシビアに求められる世界だものな。

 

オムニチャネル戦略 (日経文庫)

オムニチャネル戦略 (日経文庫)