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エンジニアのための文章術 再入門講座新版 状況別にすぐ効く!文書・文章作成の実践テクニック

著者:芦屋広太
発行元:翔泳社

 

まとめ

文章を書く。日本語でわかりゃすい文章を書く。この簡単に見えながら、ものすごく難しい課題を解決してくれるのが、本書です。わかりやすい文章とは、誰が読んでも、誤解することなく、物事を理解できる状態を意味します。これが、なかなか難しい。難しいのですが、そこに至る秘訣がわかりやすくまとめられております。

この本を読んだ理由

定期的に「正しい文章を書きたくなる」という気持ちに襲われます。そんな高まった気持ちを、落ち着かせるために読みました。

仕事に活かせるポイント

確実に伝える。納得させる。一目でわかる。理解しやすくする。正確に伝える。短い文書で伝える。心に伝える。この7点が文章に必要です。ここが、本当に重要。

目次

第1部 基礎編
第1章 エンジニアが書く文章の問題点と表現力
第2章 文章表現力の基礎技術を活用する
第2部 実践編
第3章 社内の基礎的なコミュニケーション
第4章 顧客や社外の人とやりとりする
第5章 アイディアや企画を考える・提案する
第6章 相手に配慮した円滑な社内コミュニケーション

感想

文章を書くことは難しい。日本で何十年も生活していれば、誰でも、日本語を使って、文章のようなものを書くことはできる。だけれど、その文章が、わかりやすくて、読みやすいのか?というと、話は変わってくる。

わかりやすく、読みやすい文章を書くというのは、難しいのだ。

しかし、わかりやすく、読みやすい文章というのは、コツさえ知っていれば書けるのである。

 

そのコツを教えてくれるのが、本書。

 

そもそも、伝える文章を書くためには次の7点が必要になってくると、著者は語ります。

 

①確実に伝える。②納得させる。③一目でわかる。④理解しやすくする。⑤正確に伝える。⑥短い文書で伝える。⑦心に伝える。

 

この7点をしっかり覚えているだけでも、書き上げる文章の質は一気に向上するでしょう。これだけでもありがたいのに、本書では、それぞれ7項目を確実に実装するための方法まで教えてくれるのが素敵です。

で、その箇所の抜粋。

 

確実に伝える4つのポイント
①伝えたいことを絞る②伝えたいことを先頭にする③論点と補足情報を分離する④関係ないことを書かない。

 

納得させる5つのポイント
①最初に結論とその理由を書く②理由は納得できるものを書く③理由は事実に基づくものや数字など客観的なものとする④事実と意見を分ける⑤受け身表現や稚拙表現は使わない。

 

一目でわかる5つのポイント
①文章の性質とグループを洗い出す②結論とその理由を先頭に書く③概要と詳細は分ける④小、中、大項目の階層を設定する⑤細かすぎる内容は本体ではなく別紙に。

 

理解しやすくする5つのポイント

①ひと言で言い換える②難しい言葉を言い換える③言葉の定義をする④脚注やカッコを使う⑤具体例を挙げる。

 

正確に伝える5つのポイント
①省略しない②主語や主体を明確に書く③むいみな情報や不確実な情報を記載しない④曖昧な内容を書かない⑤未決、帰結、アクションプラン明確化

 

短い文章で伝える5つのポイント
①助詞、形容詞、修飾語などを排除する②記号化して書く③注で飛ばして本文から省く④受け身表現を能動態にしたり、体言止めで省く⑤絵や表に置き換えて省く。

 

心に訴える5つのポイント
①気持ちをくすぐる、ほめる②意欲を見せる③批判、反論を先に自分で言及する④セレクト(選択満足)効果を使う⑤コントラスト(対比)効果を使う。

 

 

おお、何だろう。ここまでのHow toを教えてくれるなんて、まるで予備校だ。

 

この他。作業協力依頼や、お礼、作業指示に関しても、具体的に教えてくれるのが素敵。提案書であれば「説得力を持たせる方法は、本気で反論してくる人たちに「反論しにくい」書き方にすること」とか、報告書や議事録においては「未決、既決、締め切り日程などのアクション」を明確に書くこと」
としっかり教えてくれているのが良いですね。

 

そして、文章を書くうえで、何よりも重要なこと

 

自分の視点からの説明ではなく、必ず相手の立場に立った説明をすること。相手の関心のある視点にフォーカスすること。関心のない視点を説明する際には工夫すること

 

をちゃんと教えてくれるのが素敵です。