著者:牧久
発行元:小学館
まとめ
なぜだろう? 日本には政策を語らず、批判だけしている政党がある。一回、政権を奪ったけれど、政権奪取がゴールだったので、ろくな成果も出さずに下野することろなった。そんな野党を支えるのが、JR東の労働組合だ。あれれ?国鉄時代は社会党だった気が。そんな時代、労働組合を率い、敵対勢力を葬り去り、政治に入り込んでいった男の人生に迫る本。いやー左翼には近寄っちゃだめだ。
この本を読んだ理由
私のライフワークが昭和の芸能史と、昭和の闇を調べること。そんな私にとって国鉄や、JRの労働組合は避けて通れないですな。
仕事に活かせるポイント
労働者は資本家から搾取されちゃ駄目だ。ブラック企業も駄目だ。だから、相談するのは労働基準監督署、もしくは弁護士だ!
目次
序章 「天使と悪魔」 ふたつの顔を持つ男
第一章 “隠れ動労” JR誕生前夜
第二章 松崎明またの名を書くマルは副議長・倉川篤
第三章 「労使ニアリー・イコール論」 巨大企業を屈服させた最強労働組合
第四章 大分裂
第五章 盗撮スキャンダルと平成最大の言論弾圧事件
第六章 革マル派捜査「空白の十年間」の謎
第七章 反乱 “猛獣王国”崩壊の序曲
第八章 警視庁、「松崎捜査」へ
第九章 「D型もD民同へ涸谷に」 漂白する鬼の魂
終章 三万四五〇〇人の大脱走
感想
私は日教組に支配された高校に通い、左翼の親玉が経営している企業で働いた経験もありまして、日本的な左翼が大嫌いです。嫌いな理由をいくらでも、何時間でも述べることができるくらい。
何が嫌いって、言論統制をかけてくるとことか、思想統制をかけてくるところとか、いろいろあるんですが、一番嫌なところは人の正しい思いに漬け込んでくるとこなのよね。
労働者は資本家から搾取されてはいけない。奴隷になってはいけない。それは正しいけれど、代わに組合員と名を変えた労働者は労働組合の幹部から搾取され、彼らの奴隷にさせられるのだ。
JR東の労働組合を裏から支配した松崎明も、国鉄に入社した当時に経験した様々な理不尽を解決しようと労働組合活動を始めたのだ。
それがどういうことだろうか?
松崎明本人が、その理由を自分で述べている。
葛西、君と闘う。堂々と闘う。そして必ず勝つ。そのことを宣言しておく。は肥大化したら傲慢になる。傲慢になったら権力は悪いことしかしない。そのことをはっきりさせておきます。
この1991年7月14日の松崎明のセリフから始まる。それも、ブックカバーに印刷されている。もう、まさにこのとおりだ。
日本的左翼というのは、優しい顔してやってくるのですよ。いまは復活している早稲田祭も、一時中止となるまでは革マル派の資金源になっていたんですよ。知っている人は知っている。知らない人は、全く知らない。
まさにそんな感想が頭に浮かんできます。平成最大の言論弾圧事件を犯してるんですよ。ジャーナリストに圧力かけているんですよ。そんな人たちの支持を受けている政治家が、人権やら、報道の自由を国会で語るんですよ。
いやいや。ものすごく分厚い本を一気に読み切ってしまいましたわ。