WEB銭の読書やグラベルロードのメモなど

マンガ「グラゼニ」が大好きな、ウェブ系の何でも屋さんが綴る、仕事とか、読んだ本のこととか、日常とか、世の中に関する忘備録。

天下無敵のメディア人間 喧嘩ジャーナリスト・野依秀一

著者:佐藤卓己
発行元:新潮社

 

まとめ

けっこう日本の出版界と出版の歴史に詳しい、すくなくとも普通の人よりは詳しいと思っていたのですが、野依秀一という人は知りませんでした。正力松太郎、山本実彦、石川武美、嶋中雄作、岩波茂雄野間清治は知っていたけれど、野依秀一は知らなかった。講談社の創業者野間清治とライバルであったというのに、知らなかった。世の中知らない人だらけなんだな。そして、人の評判というのはいろんな方向から確認しないとダメだな。

この本を読んだ理由

「天下無敵のメディア人間」というタイトルが刺さりました。

仕事に活かせるポイント

とくになし

目次

序章 元祖「メディア人間」
第1章 野依式ジャーナリズムの原点
第2章 「広告取り東洋一」の実業雑誌
第3章 喧嘩ジャーナリズムの筆誅録
第4章 「大正巌窟王」の闘い
第5章 「世の中」と「女の世界」の新機軸
第6章 仏教プロパガンディストの信仰縦横録
第7章 護憲派ジャーナリストの有田ドラッグ征伐
第8章 「代議士」野依秀一の誕生
第9章 「貧強新聞」奮戦記
第10章 筆は剣よりも強し
第11章 総力戦体制下の「反体制論」言論
第12章 敗戦者の勝利
第13章 広告媒体か、モラル装置か

感想

明治時代後期から、大正時代、そして昭和初期。日本で雑誌メディアが数多く生まれ、花開いていきました。

その当時に誕生した雑誌や、出版社が、老舗として残っています。
そんな時代に大活躍した言論人が、この本で取り上げる野依秀一さん。

知らなかった。

護憲派であり、東条内閣を否定し、対米戦争をあおった言論人。

政治家にまでなったメディア人。

もちろん(?)逮捕され、獄中も経験した人。

すごいな。

こんな破天荒な人がいたなんて。

そして、気がついた。

明治時代後期から、大正時代、そして昭和初期。その時代、出版社や、新聞社を立ち上げたり、雑誌や、新聞を立ち上げたりすることが、ベンチャーだったのですよ。いまならWebにメディアを立ち上げるようなものね。ルールも、仁義も、へったくれもない。「儲かった者が勝つ」というような世界。

でもね、そういう世界で筋を通そうとした人がいるんだよ。

それが、野依秀一さん。たぶん。

すごいな。

いまのWebの世界で言うと、切り込み隊長こと山本一郎さんのようなポジションなのかもしれない。

そうやって時代を重ね合わせると面白いね。

 

 

タイトル:天下無敵のメディア人間 喧嘩ジャーナリスト・野依秀一
著者:佐藤卓己
発行元:新潮社