カンマニのWEB銭

マンガ「グラゼニ」が大好きな、ウェブ系の何でも屋さん「カンマニ」が綴る、仕事とか、読んだ本のこととか、日常とか、世の中に関する忘備録。

東南アジアのオートバイ産業 日系企業によう途上国産業の形成

著者:三嶋恒平
発行元:ミネルヴァ書房

 

まとめ

アジアのデトロイトと呼ばれるタイ。なぜ、台に自動車産業が蓄積したのか?その秘密はオートバイ産業の歴史を紐解くととでわかった。令和平成の時代に生きる若者には理解しにくいかもしれないが、自国の産業を守るために輸入規制を行うことは、国家にとって一般的なことであった。オートバイの完成車を輸入させるのではなく、自国でオートバイの生産を後押しした。そのトップランナータイランドだったわけで。そんな歴史に迫ってくれる本。

 

この本を読んだ目的

東南アジア、ASEAN諸国について仕事で関わることになったので、いろいろお勉強してます。

 

目次

第一部 東南アジアオートバイ産業の課題と視覚
第1章 東南アジアオートバイ産業をめぐる諸問題
第2章 オートバイ産業分析のフレームワーク
第3章 オートバイ産業の製品・工程ライフサイクル
第二部 東南アジアオートバイ産業の形成と発展
第4章 タイオートバイ産業の勃興(1964年から1985年)
第5章 タイオートバイ産業の形成(1968年から1997年)
第6章 タイオートバイ産業の変動(1990年代後半)
第7章 タイオートバイ産業の発展(2000年以降)
第8章 ベトナムオートバイ産業の形成と発展
終章 グローバル化地代における途上国産業の形成と発展

 

感想

仕事で東南アジア、ASEAN地域の産業について調べる必要が出てきまして、ASEAN地域の産業と言ったら、タイの自動車でしょう、ということで本を探してみました。そしたら、ナカナカ見つからず、変わりに見つかったのが、この本でした。

 

本というよりは論文ですな。2010年に発行された本なので、内容は新しくない。10年近くも前の本になるが、東南アジアのオートバイ産業について、これほど全体的にまとめた本はないでしょう。たぶん。

 

ちなみに、この論文が発行されてから、約十年。この間、日本は経済成長しなかったけれど、東南アジアはそうじゃなかっった。国が豊かになれば、オートバイから自動車に乗り換えるヒトもたくさん出てくることでしょう。

 

ちなみに、所得レペルにより「どこからが、オートバイで、どこからが自動車」というのがあるらしい。

第一に、所得レベルとオートバイ普及率である。一般に3000米ドルに達しないと自動車のモータリゼーションは生じないとされる一方、1000米ドルがオートバイのモータリゼーションの普及の目安とされている。

 

へーである。

 

で、本題。
自動車も、オートバイも、その産業の裾野は広い。ホンダ一社だけでではオートバイは作れないし、トヨタ一社だけで自動車は作れない。
モータリゼーションの動きがあるので、オートバイはほしいが、浜松で作られたスーパーカブをそのまま輸入していては、自国に産業が成田立たない。なので、完成車の輸入を禁じて、ノックダウン生産や、現地生産を行うようにしてきた。

 

そんな政策を東南アジアでいち早く行ったのがタイランドだった、と。日本も行った産業保護政策をおこなったわけだな。

 

これにより、タイランドで、まずはオートバイ産業が成長した。で、オートバイと同じように産業の裾野が広い自動車メーカーが、オートバイで育まれたノウハウを利用しながらタイに進出してきました、と。そんな、ながれもあって、タイはオートバイも、自動車も、世界有数の輸出国となっているという。

 

すげーな。

 

まだ、自動車の地場メーカーはタイにないけれど(マレーシアにはある)、バイクの地場メーカーは存在している。その名はタイガーという。

 

しかし、オートバイ市場において世界の主要プレイヤーではなさそうだ。

 

2007年の世界のオートバイ産業において、オートバイ生産台数の40%強を中国系完成車メーカーが、40%弱を日系完成車企業ガ、10%程度をインド系完成車企業が生産している。
東南アジア各国市場において、タイで95%、インドネシアで90%、ベトナムで54%の販売シェアを占める日系企業が最大の生産主体となっている。

 

中国メーカーのバイク、すごい人気だよな。てもね、それは実用車の世界なんだよね。レースの世界で名前は聞かない。ハーレーや、BMWのようにライフスタイル云々のセカイにも出てこないんだよな。

 

安さが正義の世界もあるからな。日本製オートバイが高級品な国もあるわけでな。

 

タイやインドネシアでは整備されているローン販売制度や中古車市場が、ベトナムでは十分確立されていない。

 

日本にいると実感ないけど、ローンが簡単に組めない国もあるんだよな。そういう国では、安価な中国製オートバイかもてはやされるんだろうね。中古車市場では不人気だけど。

 

と、ここで名前が出てきたベトナムドイモイ政策から、一気に国の流れが変わったベトナム。1987年の外国投資法の制定を皮切りに世の中が、大きく変わり始めたと。オートバイの需要もふえて、完成車の輸入が増え始めたのだと。で、そんの流れに乗って1990年より、オートバイの組み立て生産が開始され、1994年より外資系完成車企業が工場を建てて、一気に乗り込んで来たと。そんなながれもあって2007年におけるベトナムのオートバイ生産台数は約300万台にまでなっているのだと。

 

東南アジアの工業国というとタイのイメージが強いけど、どうやらそうでもないらしい。

そして、ふと思った。アジアのオートバイ生産国には、タイや、ベトナムはもちろん、日本に、中国、台湾までもが並んでいる。しかし、ここになぜか、韓国がいないんだよな。どーしたんだろ?