著者:デロイトトーマツコンサルティング自動車セクター東南アジアチーム
発行元:日経BP
まとめ
東南アジアや東アジアの自動車産業は日本を成長モデルのお手本にしている分けですが、「東南アジア」と一口に括っても、それぞれの国の成長段階や国民性、経済規模も違うわけで、そう簡単に自動車産業を比較することは、できないんだなって。そして、それぞれの国の情報を調べるには、現地に行かないとだめだな、と。現地現物ですな、やっぱ、さぁ、東南アジアに調査しに行こう。
この本を読んだ目的
仕事で東南アジアの自動車産業に関わることとなったので、そのお勉強ですね。
目次
第一章 世界経済の多極化とASEAN自動車産業
第二章 ASEAN各国の自動車産業
第三章 各プレイヤーのASEAN戦略
第四章 日系メーカーがASEANで勝ち残るための方策
感想
自動車産業というのはとても裾野が広い産業なので、基幹産業となると国の経済力も、工業力も一気に上がります。しかし、それだけに一朝一夕には根付く&作られるような産業でもなかったりするわけですな。
自動車産業が成長する過程は、トヨタでも、日産でも、日本の自動車会社の歴史を紐解けばわかります。国による保護も必要だし、先行する海外メーカーからの支援も必要となります。
オースチンや、ルノー、ウイリースから支援を受けて成長してきた日本の自動車メーカーもあります。一方で、海外メーカーの支援を受けずに成長してきたメーカーもあります。育ってきた環境はそれぞれ違うけど、いまや日本が世界有数の自動車大国であることは間違いのない事実です。
そして、今度は日本が真似される番となった。日本の自動車メーカーが先生になるとなった。
舞台は東南アジア、ASEAN諸国だ。東南アジア、ASEAN諸国といっても、各国の状況は違う。タイは一大自動車生産国だし、インドネシアはそれに続いているし、マレーシアには自動車メーカーがある。ベトナムは中国と同じような社会主義経済だしな。当然、経済力も、国民の学力も、そもそもの国民性も違う。
そんなASEAN各国の状況と、ASEAN各国での各日系自動車メーカーと、韓国メーカーの立ち位置と戦略が、わかりやすく説明されているのが、本書。
トヨタ、いすゞ、三菱自動車だよな、ASEANだと。そして、ピックアップトラックだよな。アメリカのフルサイズピックアップとは違う、一回り小さなピックアップトラック。エンジンはディーゼル。ハイラックスか、D-MAXか、トライトンかな。やっぱ、頑丈なのがいいよな。
おっと、話がそれましたね。各国の状況を説明してくれるのも良いのですが、何より良いのが、日系メーカーがASEANを攻めるオススメの方法がしるされてるとこですな。
日系メーカーがASEANで勝ち残るための方策として、次の5つを上げているのですよ。①顧客バリューチェーンを強化せよ②エントリー層を獲得せよ③ソーシャルゲームを活用せよ④地場の合併会社と合理的・友好的関係を構築せよ⑤域内生産・供給体制を最適化せよ。
わたしの仕事てしては①②③だな。