著者:アレックス・オスターワルダー&イヴ・ピニュール
訳者:小山龍介
発行元:翔泳社
まとめ
ビジネスを、それがお客様のビジネスであっても、9つの要素で分解して整理するのに、使えるな、やっぱ。としとったおっさんでも、頭の整理に使えるし、新卒の若者にも、練習として使える本ですな。やっぱ。
この本を読んだ目的
What:仕事で様々なビジネスモデルを、大量に整理する必要が発生したため。そのための復習で読んでみた。
Why:この9つの要素で分解する。そして、変化し、変わり続けるビジネスモデルの変化も、この要素で整理できるというのが素敵。
How:ビジネスモデルを「企業視点」で整理するのはもちろん、顧客視点でも整理する「共感マップ」というフレームワークも使えるなぁ。
目次
①Canvas キャンバス
②Patterns パターン
③Design デザイン
④Strategy 戦略
⑤Process プロセス
Outlook 展望
Afterword あとがき
感想
5年ぶり、2回目くらいですかね。たま~に、思い出したタイミングでペラペラめくることはあったのですが、新たに読み直してみました。
やはりすごいですね、この本。
書かれている内容はシンプルだけれど、すごく奥が深い。この9つの要素まで、よく抽象化できたものだな、と思ってしまった。なんで、要素がこうやって組み合わされているのだろうか???とはじめて読んだときは思ってしまったのですが、キャンパスの左側が効率を意味して、右側が価値を意味していたのね。
あーそうだった、と再確認。
ナニが効率化や、価値を意味しているのか?といえば、もちろん、ビジネエスモデルのだ!
9つのそれぞれの要素を頭に思い浮かべながら、お客さんの資料を読み込むだけでもすごくためになるけれど、やっぱり、そrぞれの枠の中に書き込んだり、ポストイットを貼り込んでくほうがいいね。
そんな社内勉強会でもやろうかな。
ビジネスモデルキャンパスを構成するのは次の9つの要素。
①CS
Customer Segments 顧客セグメント
必ずひとつ以上の顧客セグメントに関わることになります。
誰のために価値を想像するのか?
最も重要な顧客は誰なのか?②VP
Value Propositions 提案価値
ある提案価値によって、顧客の抱える問題を解決したり、ニーズを満たします。
顧客にどんな価値を提供するのか?
どういった問題の解決を手助けするのか?
顧客のどういったニーズを満たすのか?
顧客セグメントに対してどんな製品とサービスを提供するのか?③CH
Channels チャネル
価値提案を顧客に届けるには、コミュニケーション、流通、販売などのチャネルが必要です。
どのチャネルを通じて、顧客セグメントにリーチしたいか。
今はどのようにリーチしているのか。
チャネルをどのように統合できるのか。
どのチャネルがうまくいっており、
どのチャネルが最も費用対効果が高いか。
チャネルを顧客の日常と、どのように統合すればよいのか。④CR
Customer Relationship 顧客との関係
顧客セグメントごとに顧客との関係が構築、維持されます。
顧客セグメントがどんな関係を構築、維持してほしいと期待しているのか。
どんな関係をすでに構築したのか。どれくらいのコストがかかるのか。
ビジネスモデルの他の要素と同統合されるのか。⑤R$
Revenue Streams 収益の流れ
顧客に価値提案が届けられた結果、収益の流れが生まれます。
顧客はどんな価値にお金を払おうとするのか。
現在は何にお金を払っているのか。どのようにお金を払っているのか。
どのように支払いたいと思っているのか。全体の収益に対して、
それぞれの収益の流れがどれくらい貢献しているのか。
⑥KR
Key Resources リソース
これまでにあげた要素を提供するのに必要となる資源のことです。
価値を提案するのに必要なリソースはなんだろうか。
流通チャネルや顧客との関係、
収益の流れに対してはどうだろうか。⑦KA
Key Activities 主要活動
そしてもちろん、実際の活動が必要となります。
価値を提案するのに必要な主要活動は何なのか?
流通チャネルは? 顧客との関係は? 収益の流れは?⑧KP
Key Partoners パートナー
アウトソースされる活動や、社外から調達されるリソースです。
主要なパートナーは誰だろうか。主要なサプライヤーは?
どのリソースをパートナーから得ているのか?
どの腫瘍活動をパートナーが行っているか?⑨C$
Cost Structure コスト構造
ビジネスモデルにおいて特有の最も重要なコストは何だろか?
どのリソースが最も高価だろうか。
どの湯用活動が最も高価だろうか。
何度もいうけれど、これだけを理解しているだけでも、すごく企業理解と、業務整理に役に立ちますぞ。
そして、これも何度もいうけれど、よくもここまで抽象化したな、と。
そして、企業視点で整理するだけでなく、顧客視点での整理も重要だよね、ということで、顧客のインサイトを整理する「共感マップ」ってもあるのが良いね。
共感マップ
THIN AND FEEL? 顧客は何を考え感じているのか
What does she HEAR? 顧客は何を聞いているのか
What does she SEE? 顧客は何を見ているのか
What does she SAY AND DO? 顧客はどんなことを言い、どんな行動をしているのか
PAIN 痛みを与えるもの
GAIN 得られるもの
ほんと、頭の体操じゃなく、お客様の業務を理解するっていうことに対して、このフレームワークは使えますよね。
そんなことが再確認できてよかった。
で、本書を読んでいたら、こんな本も読みたくなりましたな。
発想する会社! ― 世界最高のデザイン・ファームIDEOに学ぶイノベーションの技法
- 作者: トム・ケリー,Tom Kelley,ジョナサン・リットマン,Jonathan Littman,鈴木主税,秀岡尚子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2002/07/25
- メディア: 単行本
- 購入: 44人 クリック: 453回
- この商品を含むブログ (198件) を見る
最強のシナリオプランニング: 変化に対する感度と柔軟性を高める「未来の可視化」
- 作者: 梅澤高明
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2013/09/27
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (1件) を見る