カンマニのWEB銭

マンガ「グラゼニ」が大好きな、ウェブ系の何でも屋さん「カンマニ」が綴る、仕事とか、読んだ本のこととか、日常とか、世の中に関する忘備録。

価値共創の未来へ 顧客と企業のCo-Creation

著者:C.K.プラハラード、ベンカト・ラマスワミ
訳者:有賀裕子
発行元:ランダムハウス講談社

 

まとめ

顧客とともに価値を生み出して、新しい時代の競争を勝ち抜こう。本書に込められているメッセージは、これだ。では、具体的にどうすればいいのか?
顧客と行う協働の方法から、その組織論まで、本書では紹介されている。いろんな実例とともに語られていますが、一つはっきりしているとは、時代の流れが変わったということだな。大量生産大量消費の時代ではなくなった。そりゃ、マーケティング方法もかわりますよって。

 

この本を読んだ目的

競争ではなく共創。共同ではなく協働。そいつについて調べなければならないということて、本書をてにとってみました。

 

目次

第1章 価値の共創
第2章 価値共創を支える諸要素(DART
第3章 共創経験
第4章 経験のイノベーション
第5章 経験のパーソナル化
第6章 経験のネットワーク
第7章 フォーラムとしての市場
第8章 新しい戦略的資産を築く
第9章 マネージャーは消費者である
第10章 知識創造のスピードを速める
第11章 戦略とは発見への旅である
第12章 価値共創の未来へ向けて

 

感想

ものより思い出という日産セレナのCMキャッチコピーが世の中をざわつかせましたが、時代は確実にものより、ことという流れになってきてるんですよね。一言でいうと簡単だけれど、実はとても深い世界。

顧客とともに価値を生み出して、新しい時代の競争を勝ち抜こう。

そう言われたから、そういう時代だから、日産セレナは「ものより思い出」と、キャッチコピーに謳ったんだ。自動車そのものでもなく、自動車の使い方でもなく、自動車という道具は、ワンオブゼムで、様々な道具を駆使して作った思い出のほうが重要だよ!ということを自動車のCMでやったわけだ。

そりゃ、世の中ざわつきますよね。

従来型のマーケティングではあり得なかったお話を、日産はおっぱじめてしまったんだもの。

本書の目的は、新世代の、今のマーケティングと言える価値共創についてかたるほんなのだ。なんで、ものより思い出!なんて商品宣伝で言うようになってしまったのか?の謎に迫る本なのだ。

ということで、まずは前提条件の定義。

本書では従来型のマーケティングを次のように定義している。

 

ビジネスは従来、価値を創造するのは企業だとの発送から出発していた。きぎが、どのような製品やサービスを提供するかを選んで、自身の判断で価値の性格を決めていた。消費者はそれを受け入れる立場だったのだ。

 

よくなにもしらない・わからない消費者は、メーカー様が言うことに従って、メーカー様の製品を買えばいいんだ!というのが従来型のマーケティングだったんでしょうな。まぁ、ここに上げている例はT-型フォードがあった時代から通じるような話だけれどね。でもね、情報の非対称性を利用してメーカーがコミュニケーションの主導権を握っていたのには違いがないと思うんですよ。

 

「顧客とともに価値を生み出して、新しい時代の競争を勝ち抜こう」という時代になったわけですな。

物が溢れ、情報が溢れ、生活必需品はよほどの辺境の地にでも行かない限り、問題なく買うことができる。ネットと携帯電話網が発達し、地球上のよほどの場所にでも、行かない限りネットに接続できることができるようになったんだものな。

 

世の中のがなれが変わってきてるんだから、コミュニケーションの方法も、マーケティングの方法も変わるよなぁ

 

ポータ先生、コトラー先生、そして、ワンダーマン先生もそうなんですが、そのような先生方が語ったマーケティングと、世の中変わり始めているんですよね。時代が変わってきている。企業と消費者の関わり方が変わってきてるんだよね。

 

その変化が行き着いた先、いまの「共創パートナーとしての消費者」という考え方を整理するとこうなるんだよね。ターゲティングだけでも、ポジショニングだけでも、CRMでもない。

 

では、どう説明できるのかというと、こうやって説明できる。

 

共創パートナーとしての消費者:消費者と独自の価値を共創する。
時期:2000年以降
消費者の役割と市場の概念:消費者はコンピューター・ネットワークの一部として位置づけられ、価値共創で企業と協働する一方、価値の獲得を巡っては競合する。市場は共創経験を生み出すための「プラットフォーム」である。
経営者による消費者観:消費者の個性を尊重するだけでなく、テーマ・コミュニティの構成メンバー、これからの社会は文化の担い手として捉える。
企業と消費者の関わり合い、製品やサービスの開発:消費者は価値共創のパートナーであり、価値共創を実現するためにはDART(対話、利用、リスク評価、透明性)の確保が欠かせない。企業は個々の消費者と、経験環境の中で経験を共創する。製品やサービスもその環境の一部である。企業は発展性のある経験を実現できるように、経験環境を設計しなくてはいけない。消費者のリーダー的存在とともに、経験環境に期待される条件を思い描き、市場に受け入れてもらう努力をする。
コミュニケーションの目的と流れ:消費者やテーマ・コミュニティとともに期待内容を定め、パーソナル化された経験を実現する。多方向のコミュニケーションと協力。

 

消費者が企業のパートナーになるですと!


この発想についていけない、信じることができない経営者ってたくさんいるんだろうなぁ。そーいえば、消費者がわからないピカイチ道具を揃えていますっていうコンセプトの通販カタログはどうなったのだろう?共創と真逆のコンセプトだもんな。

 

で、共創。

 

共創は4つの要素から成り立っているんだと。その4つの要素はDARTといわれる対話、利用、リスク評価、透明性なんだと。で、それぞれがどんな意味を持っているのかというと、こんな意味を持っているんだとな。


対話は知識の共有を促すだけでなく、企業と消費者が深い相互理解に到達するきっかけとなる。消費者が価値創造プロセスに自分たちの価値観を反映させる契機ともなる。所有から利用への流れは、「消費者は製品を所有しない限り価値を享受できない」との考え方に挑むものだ。企業は、消費者による成因の所有だけでなく、利用という経験にも注目すると、事業機会を広げられる。消費者が価値共創に参加すると、製品やサービスの潜在リスクについてより多くの情報を求めるため、リスク評価の重要性が高まると考えられる。ただし、リスクに対処する上での消費者の責任もやはり大きくなるだろう。情報の透明性は、企業と消費者の間に信頼を気づく上で欠かせない要素である。

 

ふむふむ。

最近、サロンがもてはやされているけれど、まさに、これを目指していたんだろうな。
サロンを行うことでDARTといわれる対話、利用、リスク評価、透明性を達成しようとしたんだろうな。

 

そこから、参加者が個人の経験にとして、共創を始めると。

 

で、最後に。

 

個人が自身の経験を突き詰めていくのって、セグメントに1人しか対象外ないのと何が違うのかしら?と思ってしまうわけですよ、
従来型のカスタマイゼーションと経験のパーソナル化との違い。一人だけのセグメントと、パーソナルな体験は意味が違うんだよな。えらく長くなってしまうので、経験のパーソナル化を。それはどういうことかというと、こんな感じ。

 

カスタマイゼーションを支える概念…その人だけの経験(エクスペリエンス・オブ・ワン)
カスタマイゼーションの焦点…環境経験との関わり合いのパーソナル化
カスタマイゼーションへの取り組み方…イベント、イベントの文脈、各人の関わり方、各人にとっての意味合い
カスタマイゼーションへの役割…様々な関わり合いを通して、多彩なパーソナル経験を促す
インフラの重点…経験ネットワークを支えるインフラ

 

ほほう。
ここまでくるとMA使ってのパーソナライズも無理だな。

 

で、まとめじゃないけれど。

 

ネットフリックスが個人の感情に寄り添った「レンタルビデオ屋さん」ということで登場してくるんだよな。日本語版が発行されたのは2004年。きっと、原書が書かれたのは2001年とか2002年なんだろうな。流石に「ビデオ」は減ってきて、「レンタルDVD屋さん」だったのだろうけれど。

その頃から、データを取って、個人の行動に寄り添うコミュニケーションをしていたんだから、そりゃ、強いよな。

 

 

価値共創の未来へ―顧客と企業のCo‐Creation (Harvard business school press)

価値共創の未来へ―顧客と企業のCo‐Creation (Harvard business school press)