WEB銭の読書やグラベルロードのメモなど

マンガ「グラゼニ」が大好きな、ウェブ系の何でも屋さんが綴る、仕事とか、読んだ本のこととか、日常とか、世の中に関する忘備録。

THE MODEL マーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセスの営業プロセス

著者:福田康隆
発行元:翔泳社

 

目次

第1部 アメリカで見た新しい営業のスタイル
第1章 マーク・ベニオフとの出会い
第2章 営業のプロセス管理
第3章 「ザ・モデル」のその先へ
第2部 分業から共業へ
第4章 2つの変化
第5章 分業の副作用
第6章 レベニューモデルの創造
第3部 プロセス
第7章 マーケティング
第8章 インサイドセールス
第9章 営業(フィールドセールス)
第10章 カスタマーサクセス

 

感想

著者はマルケト日本法人のトップだった人。マルケトがAdobeに買収されたので、Adobeのマルケト責任者になっている人ですね。

 

で、福田さんはオラクルやら、セールスフォースやら、外資系のITツールベンダーの中でキャリアを積んできた人々ですね。で、どの会社でも結果を残し、今は(もうないけれど)、マルケト日本法人を率いて、マーケティングオートメーションツールを売りまくっていました、と。

 

これらの企業はSaaSを提供している企業で、ツールベンダーなので、そのまますべての企業に当てはまることはないですが、似たような仕事をしている人は、この本を読んだほうが良いですね。

 

きっちりと、ノウハウが書かれています。

 

ただ、きっちりと細かくノウハウが書かれているということは、「そう簡単に真似できねーよ。真似できるのなら、真似してみろ」ということなんでしょうね。

 

でもですね、真似したいところだらけですよ。

 

個人的にはここが一番刺さりましたね。

 

全員の力合を集結するために必要なのは「ビジョン・ミッション・バリュー」。ビジョンは目標とする場所。ミッションは「なぜそこへ行こうとするのか」。バリューは行動を決める「価値基準」

 

福田さんは当然ですが、営業のチームを率いて仕事をしていたわけで、そんなときに培ったチームマネジメントの方法が、紹介されているんですよね。個人的には、この本って、営業のプロセスについて学ぶ本というよりも、「どうやってチームを率いるべきか?」を教えてくれるイメージですね。自信の営業成績をどうやって上げるか?以上に、チームとして、その数字を上げるためにはどうすればいいのか?を教えてくれます。

 

この他にも

成功モデルとは完成したモデルではなく、完成に至る過程で行われた何百何千という意思決定のプロセスそのものだからだ。それを自分のものにすれば、環境や条件が変化しても自ら対応できる。これこそ、ワタシがビジネスでもっとも大事だと考えている「再現性」だ。

 

とか

 

分業体制のメリットは、最終的な売上だけを見るのではなく、各プロセスを担う部門のパフォーマンスを評価する中間指標を設定し、どこがボトルネックなのかを把握し、すぐに対策が打てるといというころになる。

 

という考え方はヒジョーにためになりますね。

 

ためになるといえば、B2Bビジネスの各種数値も本書は教えれくれます。

 

ワンダーマンの調査によると、アメリカの消費者の79%は「購入検討前でも、企業は『あなたを理解し、気にかけていますよ』ということを積極的に示すべきだ」と考えている。顧客の6割以上は「購買の意思決定に追いて、価格以上に顧客体験が重要である」という調査データっもある。 

 

とか

 

2012年にシリウス・ディシジョンが発表した調査データは多くの人に衝撃を与えた。それは、情報収集、比較検討、意思決定と行った購買プロセスのうち、前半の67%は営業担当者が接触する前に終わっているというものだった。また、2015年のフォレスターレポートによると、B2Bバイヤーの75%は営業担当者からかうよりも、ウェブサイトで買うほうが便利だと考えている。

と。

 

2012年とか、2015年の数値で「もう、古いじゃないかよ」って話もありますが、話の軸は「デジタルに話題が移行していますよ~」って話なので、割合はどんどんどんどん上昇しているんだろうな、と。そうなると、私達の仕事は、じゃんじゃんじゃんじゃん儲かるはずなんだろうな、と。

 

そんなことはないかもしれませんけどね。

 

そして、最後に。

 

福田さんは、オラクルや、セールスフォースやら、で働いた経験を持つお方。

 

21世紀のIT業界で「巨人」と称されても良いような方々の、すぐ近くにいた人なのですよね。

 

なので、そんな巨人の素顔が紹介されていたりもします。

 

ラクルで最初の日に、最初に挨拶した相手がベニオフだった。彼は南カリフォルニア大学在学中にアップルでインターンとして働いていたこともあったが、卒業後は要らくるに入社した。上司はトム・シーベル。オラクルのトップセールスであり、後にCRMソフトウェアを提供するシーベル・システムズを立ち上げた人物がベニオフの最初の、直接の上司だった。シーベルは一言で言うと「コントロールフリーク」、それも天才的なコントロールフリークだった。「絶対にこの通りにやりなさい」という人物で、きっちりプロセスを構築して、すべてに深く関わり、膨大な情報を詳細に把握していた。彼のもとでベニオフは、電話を使ったマーケティング、案件発掘からリードの評価、そしてクロージングして売るという一連のプロセスを学んだ。

 

とか

 

ラリー・エリソンとトム・シーベルの営業の哲学。ノルマを絶対に達成するんだという気概を持っていた。

 

とか。

 

いや~外資SaaSベンダーで働くのは大変だね。
そして、SaaSベンダーならまだしも、SaaSを使うパートナーとしての立ち位置はちゃんとしないとね。