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セールス・イネーブルメント 世界最先端の営業組織の作り方

著者:山下貴宏
発行元:かんき出版

 

 

まとめ

セールス・イネーブルメントって営業組織に必要な人材育成の方法として語られますが、顧客の購買行動や、検討行動に合わせて、営業活動をプロセス化し、その流れに合わせて営業組織を再構築するという流れは、マーケティングオートメーションや、SFAを導入するのに最適なプロセスなんじゃないでしょうかね。まぁ、そりゃ、最適なわけですよね。それらのツールは営業を効率化させるためのツールなんですもの。

 

この本を読んだ理由

セールス・イネーブルメントというキーワードが、わたしの中でブームなんですよね。この考えって、営業効率化にぴったりなんじゃないかと。

 

仕事に活かせるポイント

すべてでしょうw とくにコンテンツ作成のポイントは、仕事に活かせますね。どんなツールを導入しようとも、どれだけ営業のプロセスを整理しようとも、必要なのはコンテンツだからね。

 

この本の目次

はじめに
第1章 なぜ営業組織にセールス・イネーブルメントが求められるのか
第2章 顧客視点で営業プロセスを見直し、マーケティング部との溝を埋める
第3章 セールス・イネーブルメントの構築方法
第4章 セールス・イネーブルメントの取組事例

 

感想

著者はセールスフォース・ドットコムでセールス・イネーブルメント本部長として人材育成を担当していた人。その経験を生かして、いまはセールス・イネーブルメントに関するコンサルタントを行っているという経歴を持つ方。つまり、セールス・イネーブルメントのど真ん中にいる人なのだ。ひえぇぇ。セールス・イネーブルメントって日本では新しい概念だと思っていたのですが、セールスフォース・ドットコムにはその専門の部署と部長が会ったなんて驚き。知らなんだ。

 

ちなみに、本書ではセールス・イネーブルメントを「成果を出す営業社員を輩出し続ける人材育成の仕組み」「成果起点の営業人材育成」と定義しています。で、世の中的には、「成果を出し続ける営業社員を育成する仕組み」として捉えられているんだろうな、なんて思っていたりするのですよ。まぁ、それはそのとおりだと思うのですけれど、わたしはB2Bマーケティングを行う際に必要なプロセスと言う認識だったりするのですよね。

 

それはなぜか? その解答はこのフレーズにありますよ。

 

「営業プロセスを顧客視点で整備すること」がセールス・イネーブルメントの最初のステップ

 

 

B2Bマーケティングというのはツールの導入でもなければ、データの整備でもないんですよ。いちばん重要なのは営業のプロセス整理。そのプロセスを効率よく稼働させることこそがB2Bマーケティング。その基本が、骨格がビシッと用意されているのがセールス・イネーブルメントという考え方だと思うんだよなぁ。顧客視点で営業プロセス整備というのもマーケティングにはぴったりなんだよなぁ。

 

本書では次のように営業のプロセス整理のやり方を説明しているのだけれど、「顧客の意思決定を促す適切な行動が取れているか」という顧客視点でふのプロセス整理・フェーズ整理をするというのが素敵ですわ。

 

「自社の営業が何をやったか」ではなく、「顧客の意思決定を促す適切な行動が取れているか」が浮き彫りになるフェーズ設計をしなければならないのです。

 

これをちゃんとやったら、MAも、SFAも、適切に的確に導入できて、ちゃんと活用できますよ、と。

 

そして、プロセスを整理する、フェーズを設計するだけだと”絵に描いた餅”になってしまうので、ちゃんとコンテンツを考えましょうとしているところもGood。コンテンツって、うーうー頭を抱えて悩むという方法以外でも、ちゃんと生み出すことができるんですよ。その方法が、ちゃんと説明されているのも素敵ですね。

 

・可能な限り、高い成果を上げている営業の情報を仕入れる
・新製品を初めて販売した際の営業資料や、打ち合わせ資料
・勝率の低い競合企業を打ち負かした際の営業の進め方
・商談化率80%の初回訪問資料

 

「すげー単純じゃん」って感じる人が多いと思うのですが、考え方は単純なんですよ。でも、そんな単純なことすら、みんな、ちゃんとやっていないのですよ。

 

 

 

セールス・イネーブルメント 世界最先端の営業組織の作り方

セールス・イネーブルメント 世界最先端の営業組織の作り方

  • 作者:山下 貴宏
  • 出版社/メーカー: かんき出版
  • 発売日: 2019/12/18
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)