著者:大西康之
発売元:新潮社
目次
第一章 台湾というコスモポリス
第二章 「殺人電波」を開発せよ
第三章 アメリカで学んだ「共創」
第四章 早川電機への転身
第五章 「ロケット・ササキ」の誕生
第六章 電卓戦争と電子立国への道
第七章 未来を創った男
感想
サブタイトルは「ジョブズが憧れた伝説のエンジニア・佐々木正」ですわ。
真面目に伝説のエンジニアです。佐々木正のエンジニア人生は戦前にまで遡ります。川西機械製作マイクロ波を研究していた頃にまで遡ります。
川西機械製作所といえば、その航空部が紫電改を作り、そこから独立した川西航空機が二式大艇を作っているのですよ。
そんな会社に京大卒の博士として入社。なので、シャープ社内でのあだなはドクター。
戦後はトランジスタの開発に邁進。川西機械製作所が神戸工業となり、その後、会社をシャープに移し、今に至る、と。
カシオとの電卓戦争では、ムーアの法則が発見さらるよりも早く、ムーアの法則を実証したり、追いつけ追い越せの欧米企業に対しては切った貼ったの大博打というか、すごい交渉を仕掛け続ける。
日本の戦後復興と、高度成長期と、Web世界の黎明期がうまくシンクロしており、そこに人気が集まるわけですが、個人的には、ぐさり刺さったのはそこでない。
ロケット・佐々木が交わった人間は、メジャーなところで江崎レオナ、早川徳次郎、松下幸之助、樫尾家の四兄弟、ジョブズに、孫正義に、アスキーの西和彦。いやいや、もっとたくさんいるのだけれど、列記していたら、キリがない。
こんな方々と佐々木正は異業種交流会や、食事会、読者かいなどでであったわけではない。仕事を通じてであったのよ。意識高い系な方々がいろいろと人脈作りをしていますが、一番の人脈作りは仕事なのだと。そして、その仕事の内容を人に教えることなのだと言うことが、よく分かりましたな。
ロケット・ササキ:ジョブズが憧れた伝説のエンジニア・佐々木正
- 作者: 大西康之
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2016/05/18
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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