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不機嫌な作詞家 阿久悠日記を読む

著者:三田完
発売元:文藝春秋

 

目次

はじめに 阿久悠と変装
第一章 美空ひばりと同い年の少年
第二章 青春はシネマの闇に
第三章 十八歳・上京
第四章 月光仮面製作中
第五章 深田公之、阿久悠となる
第六章 『スター誕生!』と山口百恵
第七章 直木賞の憂鬱
第八章 無冠の父
第九章 身中のテロリスト
第十章 生きっぱなし
おわりに 阿久悠と色魔
阿久悠 略年譜

 

感想

 

昭和を代表すると言っても過言ではない、偉大な作詞家である阿久悠。彼は人生の後半に緻密なまでの日記を記していたのだという。

 

高度成長期からバブル崩壊後にかけて、文字通り日本の芸能界を作り上げ、後世に歌い継がれ、語り継がれる歌を無数に作り上げてきた作家の素顔がわかる本なのですな。

 

結構、写真も掲載されていて、若い頃は仁王像のようなルックスではなかったのね、と。自分の内なる面と、世の中の流れと戦い続けるうちに、あのような風貌に育っていったのでしょうと。

 

戦前、瀬戸内に生まれた巡査の子供は、大学入学とともに上京。日本の高度成長期の波にあわせて進化する東京と、芸能界によりそいながら、当日の日本人が抱えていた思いを、歌詞に落とし込んでいく。

 

いわば時代のちょうじなのだけれど、そんなカンタンなコトバでまとめてはだめだと言うこともよくわかる。

 

ものすごく偉大な作家の内面に触れることのできる本ですわな。

 

 

不機嫌な作詞家 阿久悠日記を読む

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