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マンガ「グラゼニ」が大好きな、ウェブ系の何でも屋さんが綴る、仕事とか、読んだ本のこととか、日常とか、世の中に関する忘備録。

占領下日本

著者:半藤一利、竹内修司、保阪正康松本健一
発行元:筑摩書房

 

まとめ

戦争に負けて何もかもが失った。とよく語られていますが、「何もかにも失った」ということは無いんだなぁ、と。ちゃんと、情報を集めないとだめだな、そして自分で理解しないとだめだな、と痛感。それにしても、この本に登場する方々の知識量といったら。とんでもないレベル。どうやって学んだのだろう。どうやって、情報を整理しているのだろう。

 

この本を読んだ理由

新型コロナとの戦争が終わった後、大きく時代が変わるはずなので、このような本を読んでみました。

 

仕事に活かせるポイント

一次情報を集めること。そして仮説を立てること。二次情報を集め、整理し、仮説を検証したり、仮説の深掘りをしたりすること。そうやって、知識を深くしていく。

 

目次

序章 「八月十五日」の体験
第1章 日本は「無条件降伏」をしたか
第2章 「一億総懺悔」の問題点
第3章 天皇マッカーサーとの会談の真実
第4章 天皇が「人間」となった日
第5章 「堕落論」および「俳句第二芸術論」の真実
第6章 憲法第九条を発案したのは誰か?
第7章 当用漢字・新かなはどうして採用になったのか
第8章 検閲はどう行われていたか
第9章 国破れてハダカありき
第10章 ”日本人民共和国”設立の可能性
第11章 『はるかなる山河』に生き残ったことの意味
第12章 東京裁判でパル判事が主張したこと
第13章 「デス・バイ・ハンギング」という判決
第14章 『日本の黒い霧』の推理は正しいか
第15章 朝鮮戦争は「神風」だった?
第16章 古橋・湯川・黒澤の活躍
第17章 警察予備隊が編制されたとき
第18章 マッカーサーが忘れられた日

 

感想

新型コロナウィルスの影響が大きすぎる。トランプ大統領じゃないですが、まさに、戦争。日本では戦争を憲法で禁じているので、なかなか辛い。個人の権利を政府が激しく制限できる法律もないし。それは、太平洋戦争の痛い経験があったからだよね。そして、日本政府は80年近く時代は経過したけれど、あまり大きく変わりが無いなぁ、と。

 

そんなアフターコロナに関して知りたく、最近、それ系の本をたくさん読むようにしました。昔から、結構読んでいましたが。

 

ただ、視点は戦争ではなく、戦後です。

 

本書では日本の論壇で戦中戦後史に詳しい半藤一利さん、竹内修司さん、保阪正康さん、松本健一さんが、終戦の日から、連合軍の占領が終わるまでの出来事を語った本。さらっと書きましたが、ほんとうに対談をまとめた本なのですよ。

 

え? 何この知識量。

 

手元に資料を置きながら語ったのかもしれないけれど、これだけ大量の情報を、きっちり整理して語れるのがすごい。そして、一次情報にもちゃんとアクセスし、二次情報との差分を整理し、その差分の意味を考える。

 

なんということだ。

 

どのように情報を吸収し、どのように情報を整理していくのか?を知りたいですな。

で、それはそれとして。

 

わたしなんか、小さい頃から「ポツダム宣言を受け入れて、無条件降伏をした」という話をずっと聞かされていましたが、「もともとそうじゃないんじゃなかろうか?」というところから始まる、深い話。

 

なるべく一次情報に触れ、一次情報になるべく近づき、ちゃんと情報を収集すること。そして、それを整理し、体系化をすること。

 

これが何よりも重要だなぁ、と実感。

 

そして、「一次情報ってどこにあるんだ?」と言う話だな。

 

占領下日本

占領下日本

  • 発売日: 2009/07/01
  • メディア: 単行本