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マンガ「グラゼニ」が大好きな、ウェブ系の何でも屋さんが綴る、仕事とか、読んだ本のこととか、日常とか、世の中に関する忘備録。

ザ・トヨタウェイ 実践編

著者:ジェフリー・K・ライヤー/ディビッド・マイヤー
発売元:日経BP

 

目次

ザ・トヨタウェイ 実践編〈上〉

第1部 トヨタから学ぶ(実践編を出版する背景)
第2部 会社はなぜ存在するのか?(会社の目的を定義し、それに基づいた実践をはじめる)
第3部 会社全体にリーンプロセスを確立する(ムダ取りへの道のり;最初に工程を安定させる;つながった工程の流れをつくる;標準化した工程や手順を確立する;平準化でウサギではなく亀のようになる;ラインを止めて問題解決を図る文化をつくる;技術を人やリーンプロセスに合わせる)

ザ・トヨタウェイ 実践編〈下〉

第4部 卓越した人とパートナー企業を育てる(会社のシステムを上から下まで熟知しているリーダーを育てる;卓越したチームメンバーを育成する;部品メーカー、パートナー企業と一体となって開発する)
第5部 継続的学習のための根本原因からの問題解決(トヨタ式問題解決法;状況を徹底的に理解し、問題を定義する;根本原因の分析を徹底的に行う;コンセンサスを得ながら、代替案を検討する;プラン、ドゥー、チェック、アクト;ストーリーを語るA3報告書の作成法)
第6部 変化を管理する(リーン導入の戦略と戦術;変化をリードする)

感想

車好きから叩かれがちなトヨタを養護してみたくなったw

なんて話はさておき、トヨタの秘密を知りたくなったのよ。

絶対にオイラが知っている以上に深い会社。

 

そして、フツーの人はトヨタに対して、大きな勘違いをしているはず。

で、読んだら、ビックリ。

もはや、トヨタは宗教だよ、宗教。

トヨタ教。

もちろん良い意味で。

 

トヨタ関係者でトヨタの悪口を言うのは、トヨタ教に改宗できなかった人だ。

そんな人は、トヨタに入社してもダメだし、近づくのもNGだ。

 

だって、TPSや、カイゼンは、最初から利益を最大化するために導入されたもの、発案されたものじゃないんだ。

 

無駄を省くのは利益の効率化のためじゃないんだ。

 

豊田自動織機は機織り作業に追われている女性を、その作業から解放するために生まれたんだから。

 

それがトヨタの源流。

 

走ってつまらないクルマばかりって批判はお門違い。

駆け抜ける喜びを求めているんじゃないのよ。

 

で、何でオイラがトヨタを宗教だと思ったのかは、上巻49ページにある超富士夫元社長のこのセリフから。

重要なことは、すべての要素がシステムとして存在することです。これらを集中して実行するのではなく、毎日確実に実行しなければならないのです。

 

すごいでしょ。

努力を超越した世界を要求しているんだから。

あと、大野耐一のこの考え方もすごい。

私たちがやっているのは、顧客から現金を回収するまでの時間に注目しているだけなのである。その時間を付加価値の生まない無駄をとりながら短縮しているのだ。

在庫が圧縮されて、無駄が省けて、お金がわんさか儲かりますね・・・という意味じゃない。

ここが、トヨタトヨタたるゆえんだ。

だから、トヨタ車は「経済的に優れていそうなクルマ」や「走りが楽しそうなクルマ」を求めちゃダメなわけだ。

しっかり質の良い仕事をしてくれるクルマをトヨタから購入すべきなのだ。

 

本書はすべて使える。

鯨のように捨てる場所がない。

でも、個人的にその中から刺さったのが

まずは下巻16ページにあるリーダーの要件。

それは

1 リードする意志と欲求
2 職務知識
3 職務の責任
4 継続的改善能力
5 リーダーシップ能力
6 教える力

あと、下巻99ページにある

トヨタは問題を分析して解決策を考えます。相手を責めるより、事態を改善しようとするのです。

とか

同じく下巻149ページの

問題を定義するには4つの情報が必要である。

1 現状の実績と過去の傾向
2 要求される実績レベル(標準または目標)
3 実績と目標との差異ではかった問題の大きさ(ギャップとも呼ばれる)
4 問題や状況の影響範囲や特性

 

とか

同じく下巻196ページからのストーリーをかたるA3報告書の作成法

とか

そのまま使える情報もあるし、考えさせられるフレーズもある。

本当にすごいホンだ。

そして、すごいぞ!トヨタ

きっと、トヨタはこの危機を乗り越えることができるでしょう。

しかし、トヨタの本当にすごいのは、これらの知惠が現場から出てきていると言うことだ。

お偉い学者さんの発案じゃない。

で、たぶん、お偉い学者さんのいろいろを受け入れたGMは・・・

そんなわけで、今度は、なんでGMが落ちぶれてしまったのかも調べたくなってきた。

 

ザ・トヨタウェイ 実践編 (上)

ザ・トヨタウェイ 実践編 (上)

 
ザ・トヨタウェイ 実践編 (下)

ザ・トヨタウェイ 実践編 (下)

 

タイトル:ザ・トヨタウェイ 実践編
著者:ジェフリー・K・ライヤー/ディビッド・マイヤー
発売元:日経BP
おすすめ度:☆☆☆☆☆(すてき!)