著者:近藤隆雄
発売元:生産性出版
目次
1 サービスを理解するー新しいサービス商品の開発(サービス・マーケティングへの招待/サービス化社会の到来/商品としてのサービス/サービス商品の特徴ーモノ製品とどこが違うのか/サービス・プロダクトとモノ・プロダクト/サービスの達人/サービス商品の特徴ーサービス・エンカウンターの設計/サービスの分類と構成要素/サービスの品質)
2 サービス・システムの運営と革新(顧客価値の実現とサービス組織/サービス・マーケティング・ミックス/サービス・マネジメント・システム/サービス・プロフィット・チェーン/二十一世紀のサービス・マーケティング)
感想
この本素晴らしい。
「サービスとは?」というものすごく重要だけれど、誰も教えてくれなことを、わかりやすく教えてくれる。
サブタイトルは「サービス商品の開発と顧客価値の想像」。
ちなみにサービスとは
サービスとは我々の生活を便利にし、豊かにするために提供される様々な活動を意味している。サービスの消費とは、そうした活動をたいけんすることなのだが、体験であるためにサービスを消費した後には何も形として残らない。
と定義している。
ちなみに、そんなサービスが日本のGDPのかなりを生み出しているようになっているのだけれど、そんなサービスの販売を生み出させるのが、消費者マインドであり、その消費者マインドとは次の5つの傾向から構成されていると。
①時間感覚重視
②利便性重視
③個性化充実荷重し
④体験重視
⑤合理性重視
なのであると。
「はやく・かんたんに・いつでも・便利に」ということが重視されるのだけれど、ものより事ではないけれど、「それがどんな体験をもたらしてくれるのか?」が重要であり、そして、値段は重要だけれど「安物買いの銭失い」にはなるたくないということですな。
では、そのサービスを生産物として考えると、それは所有する物財やお金に対する付加価値活動や個人や組織を対象とする価値生産的な活動なのだとな。
つまり、顧客は体験を買うってことなのよな。
それをデパートの売り場に置き換えると、顧客は予め商品が決まっていて、それを買いに来るのではなくて、自分が満足できる商品を売り場(と、店員)とコミュニケーションをして購入することを意味しているのだと。
つまり、顧客は体験を買うってことなのよな。
それをデパートの売り場に置き換えると、顧客は予め商品が決まっていて、それを買いに来るのではなくて、自分が満足できる商品を売り場(と、店員)とコミュニケーションをして購入することを意味しているのだと。
で、モノの購入というのは機能が内在化したものの所有権を手に入れることを意味している。だから、サービスというのは、ものを購入することでも「サービスを購入した」ということができるのだとな。
で、そんなサービス商品の特徴をまとめると
①無形性
②生産と消費の同時性
③結果と過程の等価的重要性
④顧客との共同生産
となるのだとな。
で、製造業であっても「サービス」ということは考えられて、それは
①製品の機能と顧客ニーズのマッチング
②製品の使用できる状態と顧客とのマッチング
③製品と顧客の使用能力・方法
とまとめることができる。
この視点で、製造業を切り取れば、ちゃんとサービスをかんがることができるとな。
そして、最近、カスタマージャーニーマップなんて言葉がもてはやされているけれど、サービスの世界にこそ、カスタマージャーニーマップは当てはまる。
コミュニケーションのタッチポイント、サービスのタッチポイントのことをサービス・エンカウンターと、いうのだとな。
サービス・エンカウンター、コミュニケーションのタッチポイントである、顧客に接する従業員には5つの役割が求められるとな。
①カウンセラー(顧客の欲求を明確化する)
②コンサルタント(サービス企業が提供できるサービスについての情報提供
③ミーディエイター(サービス企業と顧客との仲介)
④プロデューサー(サービス提供プロセスの演出)
⑤アクター(サービス提供の実行)
で、サービスを深く学んでいくのに際して、サービスの分類というのが重要であって、そのときに用いられるのがラブロックの「サービス対象別の分類」なのだとな。
これ何かというと、横軸を「サービスの対象」、縦軸を「サービス活動」として
サービスの対象:人/所有物
サービス活動:有形の働きかけ/無形の働きかけ
とわけて、マッピングすることができるとな。
で、更にはなしをすすめると、サービスというのは、4つに分解できるのだとな。
①コア・サービス
②サブ・サービス(促進的サブ・サービスと支援的サブ・サービス)
③コンティンジェント・サービスというのは
④潜在的サービス要素
で、サービスの品質基準についてはSERVQUALと言うものがあって、サービスを
・信頼性
・反応性
・確信性
・共感性
・物的要素
に分解して、それぞれの中身を確認していくのだとな。
そして、素敵なサービスを提供し続けると、顧客のロイヤリティがアップしていくわけですが、そんな顧客ロイヤリティの先行要因として
・顧客満足
・スイッチングコスト
・人間関係の絆
があるのだとな。
この本を読んだら、もっともっとサービスについて学びたくなった。
そして、こんな本を読みたくなった。
『サービスが伝説となる時』
『サービス・マネジメント』
- 作者: カールアルブレヒト,ロンゼンケ,Karl Albrecht,Ron Zemke,和田正春
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2003/04
- メディア: 単行本
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顧客満足型マーケティングの構図―新しい企業成長の論理を求めて
- 作者: 嶋口充輝
- 出版社/メーカー: 有斐閣
- 発売日: 1994/03
- メディア: 単行本
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いやはや、ものすごく良い本だ。
タイトル:サービス・マーケティング[第2版]
著者:近藤隆雄
発売元:生産性出版
おすすめ度:☆☆☆☆☆(素晴らしすぎる!)