WEB銭の読書やグラベルロードのメモなど

マンガ「グラゼニ」が大好きな、ウェブ系の何でも屋さんが綴る、仕事とか、読んだ本のこととか、日常とか、世の中に関する忘備録。

御社の新規事業はなぜ失敗するのか?企業発イノベーションの科学

 

著者:田所雅之

発行元:光文社

 

御社の新規事業はなぜ失敗するのか?まとめ

企業内で新規事業をはじめようとしたら、今までと同じ組織や評価制度じゃダメなんだよな。新しいことをリスク背負ってやる人間と、従来ビジネスを伸ばしている人間が同じ評価軸の上に並んでちゃダメなんだよな。やっぱし、評価と組織なんだよな。

 

御社の新規事業はなぜ失敗するのか?を読んだ理由

新規事業に興味があるので

 

御社の新規事業はなぜ失敗するのか?で仕事に活かせるポイント

やっぱし組織と評価よね。そして、企業発イノベーションマップに乗っ取る実行計画よね。

御社の新規事業はなぜ失敗するのか? 企業発イノベーションの科学

企業発イノベーションマップ

 

御社の新規事業はなぜ失敗するのか?の目次

そもそも御社にはイノベーションがひつようなのか?

イノベーションの型を理解する

外部環境の変化を捉える

組織のあるべき未来を構想する

社内リソースを明確にする

イノベーションの土壌を耕す

先進的な組織とは何かを理解する

「3階建て組織」を実装する

イノベーションを会社の文化にする

会社は「言葉」で変わる 共通言語としての「3階建て組織」

 

御社の新規事業はなぜ失敗するのか?の感想

現状のビジネスの天井が見えてくると、どこの会社も「新規事業」を求めるようになってくるわけです。頑張れ頑張れ新規事業と全社一丸となり突き進み、そして、失敗する。新規事業がうまく行かない、つまりは自社にイノベーションが根付かないとわかってしまい、しょんぼりしている経営者も、日本には多いことでしょう。

でもね、イノベーションってひつようですかね?

と、スゴイ投げかけをしてくるのが、著者。イノベーションイノベーションって猫も杓子も大騒ぎですが、イノベーションには種類があるんですよ、ということも教えてくれるのが、著者。

持続的イノベーション→4Pを通じた改善・改良

破壊的イノベーション→課題発見やインサイト発見による市場想像

持続的イノベーション→「現在」の市場にフィットする(PCMF)

破壊的イノベーション→「未来」の市場にフィットする(PFMF)

イノベーション、こんなふうにわけることができたのね。

でもね、イノベーションの種類を分けるだけではだめなんですよ。イノベーションとは「目的」ではなく、「手段」であるのてすよ。イノベーションすることが、ゴールではないの。現状の世界があり、それを自分たちが思い描くあるべき姿(ビジョン)に変えていく。その手段として「イノベーション」が存在する。つまり、「あるへ姿」(=目的)が思い描けていないと、いつの間にか手段が目的かしてしまい、結局、推進力のない活動に陥ってしまうの、

御社の新規事業はなぜ失敗するのか? 市場とサービスの関係性

市場とサービスの関係性

 

いやはや、手厳しい。

でも、うちの会社や、よく知る友達の勤める会社も似たような感じですしね。

本気で新規事業を成功させたいなら、小手先の対応では不十分。ベゾスや、リード・ヘイスティングスのように既存事業とカニバリゼーションを起こしても、社内のメンバーを敵に回しても、新しいビジネスを成功させるような強烈なリーダーシップが必要なのですって。

あっちの顔を立て、こっちの顔を立てていては、うまくいくものも、うまく行かない。そんなことしているから、会社がなくなってしまったコダックと、しがらみなんて全部捨てて生まれ変わった富士フイルムの例が登場してくる。いやはや、とても、わかりやすい。

ウチの会社を富士フイルムのような会社に進化させるにはどうすればいいのか?いやいや、それは難しい。では、コダックのような会社にしないためには、どうすればいいのか?

コダックのようにならないとはいいきれないけれど、新規事業開発に向けてドライブできない古臭い企業の特徴を著者はおしえてくれます。

●組織が部署ごとにタコツボ化している

●思考が短期的、四半期単位でしか見えていない

●既存カテゴリーでのシェア獲得・今期のPLだけが評価基準

●失敗を避けることに重きが置かれている

●マネージャーの仕事は目標達成に向けた進捗管理

●参入障壁をつくり、ベンダーロックインを目指す

●既存市場の攻略(Producr Current Market Fit)を前提にした持続的イノベーション

そして、PoCをすることにだけ重きをおいたPoCおじさんが存在している。

つ…つらい…

まさに、私の勤める会社だわ(笑)

でもね、そんな会社であっても、やる気さえあれば会社を変えることができる、その方法も教えてくれるのです。

それが3階建て組織。

このような組織であっても、新規事業を行えるような組織に会社を進化させるには「3階建て」の組織が重要になってくる。これは、別にフロアを3階に分けることを言っているのではない。コアビジネス、新規事業、イノベーションにわけて組織をわけることなのだ。もちろん、各フロアのKPIは異なる。コアビジネスは利益貢献、新規事業はマーケットシェアと売上、イノベーションPMFとなる。

御社の新規事業はなぜ失敗するのか? 三階建て組織

三階建て組織

御社の新規事業はなぜ失敗するのか?

 

業務内容にあわせて、評価軸をわけて、それに沿って組織も分けるってことよね。組織は戦略に従うってことよね。

 

 

タイトル:御社の新規事業はなぜ失敗するのか?企業発イノベーションの科学

著者:田所雅之

発行元:光文社