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最後の社主 朝日新聞が秘封した「御影の令嬢」へのレクイエム

 

著者:樋田毅
発行元:講談社

 

最後の社主まとめ

朝日新聞には社主がいた。朝日新聞創業者である村山龍平からはじまる村山家の人々。しかし、その社主も三代目である村山美知子の代で終わってしまった。そんな最後の社主・村山美知子と朝日新聞の関係を綴った一冊。なんだかなぁ。朝日新聞は反権力の面と官僚的な面があるの、官僚的な面の秘密がよくわかりましたわ。どこまでも内向き、どこまでも村社会の権力争い。でも、これが日本なんだよな。

 

最後の社主を読んだ理由

朝日新聞の秘密を知りたかったので

 

最後の社主で仕事に活かせるポイント

権力には近寄らない

 

最後の社主の目次

第1章 深窓の令嬢
第2章 「新聞王」の初孫
第3章 凱旋行進曲
第4章 夢の舞台を
第5章 果断の人・村山龍平
第6章 村山騒動
第7章 哀しみを越えて
第8章 創業家の矜持
第9章 社主の役割
第10章 養子探し
第11章 闘病の日々
第12章 奇跡の人

 

最後の社主の感想

朝日新聞には社主がいた。朝日新聞のライバルである読売新聞の渡邉恒雄は社主でなく、社筆で元社長だ。だって、読売新聞を創業者したのは子安峻、本野盛亨、柴田昌吉でだしね。ナベツネさんはそんな読売新聞に入社して偉くなった人なのよ。

朝日新聞の社主は、朝日新聞を大きく育てた村山龍平の一族のことを言うのですよ。なお、朝日新聞だって、村山龍平一人で作った会社ではないのよね。創業者は木村平八・木村騰の親子。村山龍平は経営権を譲り受けて今の朝日新聞の基礎を作った人なのよね。

そんな村山家と、龍平の孫娘である村山美知子と、村山美知子に仕えた著者の話よ。

普段は天下国家を憂いて、自分たちが信じる正義が実現された世界を目指している朝日新聞なのですが、村山家の呪縛から解かれるまでは、ただただその支配を恐れていたんだなって。資本と経営を分けるってすごく耳あたりはいいけれど、他人の金で好きなことをするってどーなのよ?と、ワタシは思ってしまうわけですよ。やっぱし、資本≒株主の話を聞かないと駄目なんじゃないかって。まぁ、薄々、それに気がついていたから朝日新聞本社から村山家に秘書を送り込み続けてたんだろうな、と。

そういう社内政治の話が満載の本書なのですが、個人的には昭和初期のお金持ちの生活がわかったのが良かったなと。神戸の山の手で、お金持ちのお嬢様がどんな生活をしていたのか?その話に興味が惹かれましたな。

 

 

タイトル:最後の社主 朝日新聞が秘封した「御影の令嬢」へのレクイエム
著者:樋田毅
発行元:講談社