著者:加谷珪一
発行元:朝日新聞出版
まとめ
愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶってことですね。過去の歴史をなぞるだけで、投資の未来がわかるなんて、そんな簡単な話はないだろう。そういう反論が来そうですけれど、AIのインプットデータになるのは過去のデータですからね。そうやって自分を一度納得させると、明るい未来が(明るいだけじゃないですが)見えてきそうです。しかし、この本は新型コロナウィルスのパンデミック前に書かれた本なんだよねぇ。ん? 香港風邪だって、スペイン風邪だって、歴史の一部だ。ということは、やはり、歴史に学ぶと未来がわかるってことだな。
この本を読んだ理由
アフターコロナの時代は、どんな時代になるのか? それを知りたくてこの本を読みました。
仕事に活かせるポイント
「ある技術を有望と判断した時には、少なくとも市場シェアが10%台のタイミングを狙い、思い切って投資をするのが最も合理的なようです。」そうか。シェア10%なのね。これはいろいろと使える閾値かも。
目次
第1章 100年単位で株価はこう動く
第2章 インフレ時代を前に知っておくべきこと
第3章 戦争と株価の不都合な真実
第4章 バブルは利用するもの
第5章 イノベーションで儲ける鉄則
第6章 金と石油、そして通貨をめぐる攻防
第7章 長期投資は安全に儲かるのか
第8章 未来を見据えた投資戦略
感想
新型コロナウィルスがパンデミックです。アベノミクスの好景気も2020年東京オリンピックで終わるんじゃないか?といわれていましたが、その遙か手前で終わってしまいました。そして、2020年東京オリンピックも、どこかに行ってしまいました。
「イヤー不景気ですね」というレベルを超えた時代の展開期だと思っておりまして、いろいろ情報を調べているのであります。
そして、愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶということで、景気動向を歴史で教えてくれる本書にであったわけです。
明治維新から、何年が経過したのでしょうか?1868年の明治政府樹立から、まだ150年ちょいしか経過していないのですね。でも150年も経過したのですよ。そして、世界に目を向ければ、資本主義経済の歴史はもっともっと長いんですよ。
ということで、本書です。
200年を超える時間軸で景気について語ると、それは「神の見えざる手ですね」とか「景気の循環ですね」という話で済ましてしまいそうですが、そうじゃないんですよね。不景気には不景気の、好景気には好景気の、バブルにはバブルの理由があるわけです。もっといえば、バブル崩壊にはバブル崩壊の理由(きっかけ)がありますし、戦争を行うには、戦争の行うなりの理由と、負けるなりの理由があるわけです。
そんな話を、経済視点で教えてくれます。
いつの間にか、アフターコロナの経済状況について学ぶというよりも、経済の転回点について学ぶことが面白くなってしまいました。転回点を知っていれば、これからの人生、楽しそうですからね。
ということで、以下の3点を覚えておこう。
バブルが崩壊する水準というのは、ほぼ一致しているのです。純融資残高がGDPの1.5倍から1.6倍になってくると危ないわけです。
ある技術を有望と判断した時には、少なくとも市場シェアが10%台のタイミングを狙い、思い切って投資をするのが最も合理的なようです。
バブルも、戦争も、大地震も、疫病のパンデミックも、過去200年では、必ず起きていることだからね。それも、何度も起きている。「人類史上初」のことなどないのだから、歴史に学びましょう。