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プラットフォーム革命 経済を支配するビジネスモデルはどう機能し、どう作られるのか

 

著者:アレックス・モザド、ニコラス・L・ジョンソン
発行元:英治出版

 

プラットフォーム革命まとめ

数多くの日本の大企業が「プラットフォームサービス」を展開しても、なかなかうまくいかない。プラットフォームビジネスがうまくいっている日本の企業ってリクルートと、楽天くらいなのかしら?直線的な価値の提供ではなく、顧客とプロデューサーが相互につながり、取引を製造することで価値が生まれるプラットフォーム型ビジネスモデル。そもそも水平統合も苦手で、垂直統合が大好きな古典的な日本企業には理解できない領域なんじゃないかって気がしてきました。

 

プラットフォーム革命を読んだ理由

プラットフォーム肘値巣に興味があるので

 

プラットフォーム革命で仕事に活かせるポイント

プラットフォームは取引を円滑化することによって、価値を創造するってこと。直線的なビジネスが、商品やサービスを作ることで価値を生み出すのに対して、プラットフォームはつながりを作り、取引を「製造する」ことで価値を生み出す。

 

プラットフォーム革命目次

プロローグ 燃えるプラットフォーム
第1章 プラットフォームが世界を食い尽くす
第2章 ハイエク対コンピューター または20世紀についての知識がすべて間違っている理由
第3章 限界費用ゼロの会社
第4章 現代の独占 プラットフォーム資本主義と勝者総取りの経済
第5章 ビリオンダラー企業をデザインする コア取引がティンダーの成功を説明する理由
第6章 見える手 プラットフォームの四つのコア機能
第7章 ネットワークに仕事を任せよう
第8章 なぜプラットフォームは失敗するのか、どうすれば失敗を避けられるのか
結論 次のビッグチャンスを見つける方法

 

プラットフォーム革命の感想

エコシステム、エコシステムってもてはやされているけれど、エコシステムってどういうことだか理解してませんでしたね。●●経済圏をニアリーイコールでエコシステムだと思っていたのですが、違いました。

エコシステムとはプラットフォームによって結ばれた世界。

プラットフォームによって結ばれた世界ってどんな世界かっていうと「直線的なビジネスが、商品やサービスを作ることで価値を生み出すのに対して、プラットフォームはつながりを作り、取引を「製造する」ことで価値を生み出す」せかいだということ。

ここを見誤ってしまうので、古典的な日本企業が作り出すプラットフォーム風ビジネスは、みんな失敗してしまう。

何で失敗しちゃうのか?

プラットフォーム風ビジネスモデルに見えるけれど、結局は従来どおりの直線的なビジネスモデルだから。

直線的なビジネスモデルとは、産業革命の時代に蒸気機関や鉄道などの新技術によって垂直統合された大組織が誕生して以来、ずっと経済を支配してきたビジネスモデルだ。ここには伝統的な製造業も、金融機関も、サービス業も、SaaS提供企業も当てはまる。こうした企業の商品やサービスはデジタルであっても、その価値が企業から顧客へと一方的に流れていくので、直線的なビジネスモデルに分類できる。

そして、直線的なビジネスモデルはすぐにお金を生み出すことができるけれど、プラットフォームビジネスは、そうはいかない。十分にユーザーがいなければ利益を生み出すことはない。しかし、プラットフォームのネットワークが大きくなればなるほど、利益は指数関数的に増えていく。

古典的な日本企業は、ここを我慢することができないんだよな。「投資対効果がー」って騒ぎ出すので。

それに、直線的なビジネスモデルは立ち上げるのも簡単なのだよね。

伝統的な直線的スタートアップは、とりあえず一つの顧客グループの支持を得れば良いだけど、プラットフォームは少なくとも2つ、すなわち消費者とプロデューサーというタイプの異なる顧客グループの支持を勝ちとらなければならないからね。

だから難しい。

せっかく開発に投資したんだから早く回収したい、って先走っちゃうのだよね。

でも、そんなことしなくていいのだと、著者は教えてくれます。

 

テクノロジー企業を立ち上げるなら、ソフトウェアを作らなくてはー。だれもがそう思いがちだが、これも多くの場合、あてはまらない。特注ソフトウエアがゼロでもプラットフォームを立ち上げることはできる。無料の(あるいは非常に安価な)プラグアンドプレーのツールをたくさん集めて、自分のアイディアを試してみるのは簡単だ。

 

シンセンを甫とした中国のテックスタートアップが作ったサービスやディバイスを「こんな内容で金取るのか」って批判している日本企業のエンジニアをよく見かけるけれど、つまりそういうことなんだよね。すごいテクノロジーで自己満足の世界に陥るなら、その辺にあるモノを組み合わせて頑張れば良いって。

こういう発想ができないんだから、そりゃ古典的な日本企業は死ぬよね。

で、そうやって作られるプラットフォームに求められる4つのコア機能は「オーディエンス構築」「マッチメーキング」「ルールと基準の設定」「中核的ツールとサービスの提供」になるんですって。

 

 

タイトル:プラットフォーム革命 経済を支配するビジネスモデルはどう機能し、どう作られるのか
著者:アレックス・モザド、ニコラス・L・ジョンソン
発行元:英治出版