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3000億円の事業を生み出す「ビジネスプロデュース」戦略 なぜ、御社の新規事業は大きくならないのか?

著者:三宅孝之、島崎崇
発行元:PHP研究所

 

まとめ

やっぱり担当社の熱い想いなのか?そんな根性論でまとめちゃダメなレベルの本だけれど。やるべき社会的価値を熱く訴え、フックと回収エンジンをしっかりと定義し、抵抗勢力と戦い抜く。こんなプロセスを踏めるのは、やはり熱い想いが無いとダメだと思う。熱いハートと冷静な頭脳が必要だと言うことですね。

この本を読んだ理由

会社で新規事業を立ち上げる、なんて仕事を与えられたので。

仕事に活かせるポイント

社会的課題への着目と、業界の枠組みを超えた発想が不可欠という話ですね。時代を変えるのは若者とよそ者と馬鹿者って言われることに一理あるという話ですね。

目次

第1章 なぜ、日本企業は「世界を制する事業」を生み出せなくなったか
第2章 ビジネスプロデュースとは何か
第3章 ビジネスプロデュースはこうして進める
第4章 ビジネスプロデュース・ストーリー 大手ハウスメーカー経営企画室「中原雄平」の事業創造ドラマ
第5章 ビジネスプロデューサーへの道

感想

いきなりこの質問から始まる本書。

 

1.(あなたのイメージした新たな事業は)どんな社会的課題に立脚しているか?
2.その社会的課題(の解決)に値する市場規模はどのくらいか
3.あなたの企業でできる範囲と、他のプレイヤーにお願いすべきところはそれぞれ何か?
4.あなたの企業がそのポジションを取れる理由は何か?
5.他のプレイヤーがそれをやってくれる理由(他のプレイヤーのメリット)は何か?
6.その事業には具体的にどんな法整備や規制の緩和が必要だろうか?

 

いや、うん。そこまで考えていなかった。新規事業を建てあげたい!新規事業を立ち上げるのが楽しい、という私であっても3000億円の規模までビジネスを育て上げたことはない。

 

それは、この本書に書かれているようなビジネスプロデュースを行うまでに至っていなかったからね、と言うことがよくわかる。

 

ビジネスプロデュースのキモは「社会的課題を取り込み、それを解決する形で業界を超えた構想を描き、その実現に向けた仲間作りをして連携していくこと」だという。自社が儲かるだけではダメなのだ。世の中が大きく変わる・大きく変える絵を描かなければダメなんだよな。そして、世の中を変える大きな絵を描いて実現させるには、自分たちがいる業界だけでは無理になる。業界を超えたつながりが必要になってくるのだ。

 

そして、このような動きができる人をビジネスプロデューサーというのだ。

いやはや大きな話ですね。

しかしですね、ビジネスプロデュースのステップは次のように単純化できるという。

 

ステップ1:構想する
ステップ2:戦略を立てる
ステップ3:連携する
ステップ4:ルールを作る
ステップ5:実行する

 

いやはや、これだけにまとめるとシンプルだw

しかし、そんな簡単にいくわけない。とくに「連携する」という箇所。

 

連携は業界を超えて、No1の実力を持つような会社&メンバーと手を握る必要があるのだ。その場合に必要になってくるのは「フック」と「回収エンジン」だという。フックは撒き餌、回収エンジンはお金の回収、お金を得る仕組みね。「フック」でひとを集め、「回収エンジン」で投資を回収する。Googleで言えばフックが検索エンジンで、回収エンジンが検索連動広告。Amazonで言えば、フックはAmazonプライムのサービスで、回収エンジンECサイトとなるわけだ。

 

この関係がわかりやすく成立し、メリットを感じることができなければ、連携相手は乗ってこないという。

 

そりゃ、そうだ。

 

そして、連携相手とは1対1でしっかりと交渉をする必要がある。この交渉の場で疑心暗鬼を発生させては、すべてが泡と消えてしまう。そして、疑心暗鬼に陥らせないためにもビジネス全体を俯瞰できる構想が必要になってくると言う。単なる縦や横の関係ではダメだということね。

 

 

タイトル:3000億円の事業を生み出す「ビジネスプロデュース」戦略 なぜ、御社の新規事業は大きくならないのか?
著者:三宅孝之、島崎崇
発行元:PHP研究所