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美術展の不都合な真実

 

著者:古賀太
発行元:新潮社

 

美術展の不都合な真実まとめ

日本における美術展、美術館で行われるイベントって、高校野球や、箱根駅伝と同じだったんだね。新聞社の宣伝。戦後、外貨の持ち出し規制があった時期でも、その規制外にあった新聞社だから、海外の美術館といろんなことができたんだね。なんだろうな、そういう美術展に脚をあまり運びたくないんだよね。

 

美術展の不都合な真実を読んだ理由

仕事で美術に関わるので

 

美術展の不都合な真実で仕事に活かせるポイント

歴史を調べることは重要なのね

 

美術展の不都合な真実の目次

第1章 混雑ぶりは「世界レベル」の日本式展覧会
第2章 なぜ「○○美術館展」多いのか
第3章 入場料1700円の予算構造
第4章 明治以降の展覧会と平成型展覧会
第5章 ミュージアムとは何か
第6章 学芸員の仕事と「画壇」の存在
第7章 本当に足を運ぶべき美術館はどこか?
第8章 スペクタル化する展覧会

 

美術展の不都合な真実の感想

けっこう、美術館や、博物館に行くのが好きなんですよ。国内の博物館美術館は色々行きましたし、海外ではシカゴ美術館が好きなんですよ。まぁ、海外の美術館博物館はそんなに行ってないですけどね。で、行くときは企画展目当てに行くこともあれば、ぷらっと常設展を見るだけのこともありますよ。佐倉の歴博とか、原美術館とか、二十一世紀美術館とか、十和田市美術館とか、松本市美術館とかは常設展が良かったですよ。もちろん、企画展も好きですよ。ただ、企画展はすごい混むからね。人混みが嫌いな私は、そういう場所に行きたくはない。

海外の美術館博物館だって、企画展はやるのですよ。シカゴ美術館に行ったときは、セザンヌ展やってたしね。ただ、凄い混んでいたので見ませんでしたがね。でもね、それはシカゴ美術館主催で、新聞社や、テレビ局が主催したものではなかった。新聞社やテレビ局が展覧会を企画するのは、日本独自の方式なんだって。

この、日本独自の美術展ビジネスに切り込んで行くのが本書ですよ。

なんで美術展に新聞社が絡むのかというと、戦後、外貨持ち出し規制があったときでも。当時から新聞社は海外に支局を持ち国際的なネットワークを持っていたこと、外貨持ち出しが自由であったからだといわれてるのね。海外にネットワークがおり、お金を動かせるのだからね。そして、当時はまだ見ぬ世界のお宝に日本中が飢えていたんだよね。

その流れが、日本独自の美術展ビジネスを作っていったんだよな。

だから、こんな状況になってしまっているのだと。

 

自治体が、美術館とはまずイベント会場だと思ってしまった。本来の地域に根差した収蔵品の収集による特色あるコレクションを形成し、じっくりと見せてゆく活動よりも、華やかで入場者数の多い展覧会を新聞社と組んでやることを重視するような展示室を作り、実際に新聞社との共催事業を望んだのだ。

 

そして従来型のビジネスモデルが通用しなくなってきた新聞社や、テレビ局は、もっともっと美術展ビジネスに力を入れるようになってきた。

けどね、森美術館とか、チームラボとか、これまた今までと違う美術を展開し始めた美術館やアート集団がいるんだよね。

あー美術館や博物館に、のんびりと行きたくなってきた。こんだなか、人の頭越しに展示物見るのは嫌だw

 

 

タイトル:美術展の不都合な真実
著者:古賀太
発行元:新潮社