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プロスポーツ・ビジネス羅針盤 マンチェスター・ユナイテッドほか世界に学ぶ

 

著者:西野努/藤原兼蔵/三浦太
発行元:税務経理協会

 

プロスポーツ・ビジネス羅針盤まとめ

世界的に見てプロスポーツアメリカ型とヨーロッパ型があるのね。試合でスタジアムを盛り上げようというヨーロッパ型と、試合を含めてスタジアムの空気を楽しんで欲しいアメリカ型。チームがそれぞれ独自の系うぃを行っているヨーロッパ型と、リーグがしっかりと手綱を握って運営をしているアメリカ型。どっちが優れていて、どっちが悪いってことは無いんだよな。ただ、どちらも「地元でプロスポーツの試合を見ることができる」というのが、クオリティ・オブ・ライフに重要なポイントとなっているのは同じなんだよな。日本型の「タニマチ(スポンサー)が宣伝のために金を支払い続け、スポーツチームや、スポーツ選手はタニマチのモノ」というのは、おかしいんだよな。

 

プロスポーツ・ビジネス羅針盤を読んだ理由

西野TDの知識に触れたかったので

 

プロスポーツ・ビジネス羅針盤で仕事に活かせるポイント

やはりベンチマークは世界に。そして、財務についてはしっかりと。

 

プロスポーツ・ビジネス羅針盤の目次

プロスポーツを成功させるビジネス羅針盤
プロスポーツ・ビジネスのキーとなるスタジアム運営
マンチェスター・ユナイテッドに学ぶべきこと
プロスポーツ・ビジネスにおけるIPOM&A、その他
欧州のプロスポーツ・ビジネス事情
米国のプロスポーツ・ビジネス事情
日本のプロスポーツ・ビジネス事情
日本におけるプロスポーツの運営スタイル
プロスポーツの真実を語る
プロスポーツ・ビジネスはドリームジョブ!?

 

プロスポーツ・ビジネス羅針盤の感想

アメリカとヨーロッパを手本に、日本にプロスポーツビジネスを根付かせるにはどうすればいいのか?有識者が、それぞれの視点で問題点と解決策を述べている本。初版が出版されてからかなりの年月がたっているけれど、解決した点もあれば、解決していない点もたくさんある。

その中で冒頭に述べられているこれは、Jリーグだけでも「解決できていないチームが多いな」と思われる。プロ野球だったら・・・ですよ。

 

 

わが国のプロスポーツ・ビジネスの多くが利益体質でない理由は主に2つある。親会社依存体質と、スタジアム経営が球団・クラブ運営と一体化していないチームが存在することである。

 

世界的に見てプロスポーツアメリカ型とヨーロッパ型と旧日本型に分けることができる。試合でスタジアムを盛り上げようというヨーロッパ型と、試合を含めてスタジアムの空気を楽しんで欲しいアメリカ型。チームがそれぞれ独自の系うぃを行っているヨーロッパ型と、リーグがしっかりと手綱を握って運営をしているアメリカ型。どっちが優れていて、どっちが悪いってことは無い。それぞれがそれぞれの良さをのばし、リーグを発展させていく。

で、旧日本型は、スポーツチームとは親会社の宣伝媒体の一部。盛り上がるも盛り上がらないも、あまり関係ない。儲かるも、儲からないも、あまり関係ない。だって、親会社の宣伝媒体だから。なので、親会社のさじ加減でチームが繁栄したり、消滅したりする。

これを何とかしようとしたのがJリーグと、スポーツくじだよね。

親会社からプロスポーツを切り離して、独立独歩で運営できるような体制を作る。

プロスポーツビジネスの考え方はアメリカとヨーロッパで違っても、プロスポーツが地域に根付いているというのは同じ。地域に根付いたプロスポーツチームがあることで、みんなの生活の質が高くなると言うのも同じなのだ。

なので、そこを目指していこうね、ということなのだ。

地域密着で始まったJリーグは、いい感じでチームが地域に根付いている。Jリーグを立ち上げた川淵さんが頑張っているBリーグも、いい感じ。野球もこの流れについてきた。フットサルと、バレーボールと、卓球もだ。

日本のスポーツは大きく代わりつつある。

でもね、世界は先に行っているのだ。

この本のサブタイトルにもなっているマンチェスター・ユナイテッドはすごい。

 

マンチェスター・ユナイテッドの)アジア部門責任者であるジェイミー・リーグルは、日本のメディアの取材に対し、経営において先行にしているのはディズニーであると答えており、実際のチーム運営をエンターテイメント事業として意識した新機軸を次々と打ち出し、成功してきている。

 

ライバルはディズニーだって。そんなことを考えている日本のプロスポーツビジネス関係者はいるだろうか?隣のリーグ、隣のチームしか見ていないんじゃないか?例えばJリーグ。二昔前のバレーボールが行っていたようなアイドルにおんぶに抱っこのハーフタイムショーを始めているけれど、それでディズニーに勝てると思っているのかね?

そしてね、マンチェスター・ユナイテッドは志はものすごく高いけれど、取り組んでいることはものすごく地味でふつーなんだよ。このことを徹底しているんだから、すごいよな。基礎を徹底することが何よりも重要だからね。

 

マンチェスター・ユナイテッドが行っている主な取り組みは大きく分けて、次の3つにまとめることができる。
(1)儲かる仕組み(収益の柱を育て、そのために投資)
(2)魅力的なスタジアム(観客が劇場と同様の感覚で楽しめるように投資)
(3)コストコトロール(特に、選手の年俸・移籍などの人件費が重要)

 

まだまだ伸びしろがあるんだよ。日本のプロスポーツビジネスは。

で、この本の感想として、最後に残しておきたいことはこれ。

スポーツにはアマチュアしかなく、アマチュアのスポーツがと尊いとされていた時代に、世界で戦った川淵さんが、いいこと言っているんだよな。

 

しかし、その後の国際大会では、活躍はおろか、出場さえもできない時代が続く。元Jリーグチェアマンである川淵三郎氏は当時を振り返り、この原因を「ある特定のエリート選手だけを強化した結果、一時的には国際大会への出場と銅メダルという結果が得られたが、その後の継続性がなかった」と語っている。

 

裾野を広げないと、スポーツは発展しないんだよな。

で、しっかりとした裾野を作るには、スポーツがビジネスとして健全に成り立たないとダメなんだよね。

 

 

タイトル:プロスポーツ・ビジネス羅針盤 マンチェスター・ユナイテッドほか世界に学ぶ
著者:西野努/藤原兼蔵/三浦太
発行元:税務経理協会