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組織の不条理 日本軍の失敗に学ぶ

著者:菊澤研宗
発行元:中央公論新社

 

 

組織の不条理 日本軍の失敗に学ぶのまとめ

「失敗の本質」とあわせて読むべき、組織論の名著ですね。経済学的理論で「なんで日本軍は失敗したり、成功したりしたのか」的な話をインプットされてから話が進むので、非常にわかりやすいですね。紹介されているのは日本陸軍の話ですが、それがすぐに令和の時代に存在している日本企業や、政党、スポーツチームと重なるのですよ。いやはやなんとも。

 

組織の不条理 日本軍の失敗に学ぶを読んだ理由

自分のチームを組織的になんとかしようと思ってたんだな、きっと。

 

組織の不条理 日本軍の失敗に学ぶで仕事に活かせるポイント

過去の成功にこだわり続けないってことだよな。だって、世の中は変わり続けているのだから、昔のやりかただけでうまくいくわけがない。 

 

組織の不条理 日本軍の失敗に学ぶの目次

第一部 組織の不条理解明に向けて
第二部 組織の不条理と条理の事例
第三部 組織の不条理を超えて

 

組織の不条理 日本軍の失敗に学ぶの感想

日本企業だけがうまく行かないのか?旧日本陸軍だけがうまく行かないのか?

そんなことないよな。組織と個人の合理性がうまく一致してなければ、どこの国のどんな組織もうまくいかないんだよな、ということがわかってきたぞ。変化し続ける世の中の状況を把握しながら、戦略を変え、戦術を変えなきゃだめなんだよな。昔、成功したからって、その想いとやり方だけを信じつづけてはだめってことですな。

で、なんでそんなことを、大和魂という精神論に頼らない日本以外の国にも当てはまるのかって思ったのかというと、こういうことだからですよ。

 

(1)不条理1 全体合理性と個別合理性が一致しないとき、個々人や個別組織は全体合理性を捨てて個別合理性を追求し、その結果、全体が非効率となって失敗するという不条理
(2)不条理2 正当性(倫理性)と効率性が一致しないとき、個々人や個別組織は正当性を捨て効率性を追求し、その結果、不正となって失敗するという不条理
(3)不条理3 長期的帰結と短期的帰結が一致しないとき、個々人や個別組織は長期的帰結を捨て短期的帰結を追求し、その結果、長期的に失敗するという不条理

 

旧日本軍はもちろん、東芝も、シャープも、山一證券も、みずほ銀行も、三菱電機も当てはまるもですが、マンチェスター・ユナイテッドにも、ロシア軍にも、あてはまるなって。もちろん、巨人軍にも、浦和レッズにも、ウチの会社にも、当てはまるw

 

組織と個人、長期と短期の目標と戦術戦略を一致し続けるって大変だよな。それまでの努力を捨てるようなことも必要だしな。

 

それができなくて失敗するのだけれど、失敗を受け入れて、組織を軌道修正させないと、余計にドツボにハマるんだよな。

 

 

タイトル:組織の不条理 日本軍の失敗に学ぶ
著者:菊澤研宗
発行元:中央公論新社