著者:相坂冬馬
発行元:早川書房
同志少女よ、敵を撃てまとめ
第11回アガサ・クリスティー賞大賞受賞作品。それも、満場一致で選ばれた作品。第二次世界大戦中のソビエトで、家族をナチスドイツに殺されてしまった少女が、狙撃兵に育て上げられ、地獄のような戦場で、仲間を失いながら英雄的なスナイパーになっていく話。戦争小説であり、冒険小説であり、家族愛にあふれた小説であるとも、私は思う。すさまじい名作だ。
同志少女よ、敵を撃てを読んだ理由
本屋さんで見かけたので
同志少女よ、敵を撃てで仕事に生かせるポイント
特になし
同志少女よ、敵を撃て目次
第1章 イワノフスカヤ村
第2章 魔女の巣
第3章 ウラヌス作戦
第4章 ヴォルガの向こうに我らの土地なし
第5章 決戦に向かう日々
第6章 要塞都市ケーニヒスベルク
同志少女よ、敵を撃て感想
2022年、ロシア軍はウクライナに攻め込んだ。そんな時代的な背景のなかで、本作品を読む。
本書の冒頭部、物語の形を作るイワノフスカヤ村は、いまでいうウクライナ国境に近い、ソビエトの片田舎だ。ソビエトの一部であったウクライナにはナチスが攻め込み、本書の主人公であるセラフィマは田舎での幸せな生活を奪われてしまう。
村人を惨殺し、幸せな生活を奪っていった侵略者であるナチスへの恨み。
生まれ育った村に火を放ち、自分をスナイパーに育てようとするイリーナに対する恨み。
同じような少女だけが集められた狙撃部隊で生まれる友情と、裏切り。
そして、地獄のような戦場と、地獄の中にも訪れる日常。
フィクションであるとしりながらも、ノンフィクションのように読めてしまう。1940年代の話だと知っていながらも、2020年代の話だと思って読んでしまう。
すごい傑作に出会った。
地理的情報を頭に入れてから、もう一度読み直そう。
タイトル:同志少女よ、敵を撃て
著者:相坂冬馬
発行元:早川書房